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閉ざした世界に革命を。  作者: 凛月
第2章 「革命軍」
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休暇5

「貴樹の中にはかなりの数の異能力が住み着いてるんだよ。私もこんなの初めて見たけど」


 どうやら僕の中は異能力の巣窟になっているらしい


「異能力って一人一つしか持ってないんじゃなかったっけ」


 教科書にもそう載ってるし、二つ以上持ってる人なんて聞いたことがない


「うん、それはほんとなんだけど何でだろうね。私もそれに関してはわかんないや」


 ほんとにわからないらしい。悩み顔をしている。かわいい


「でもおとなしいよね。一つの体に一つあるだけでいっぱいいっぱいのはずなのに貴樹の体にはいくつもあるし・・・なんで生きているかはずっと不思議だよ」


 あっさり怖いこと言わないでよ有栖ちゃん


「僕が何倍も訓練しないといけないのって何個もある異能力一つ一つを制御しないといけないからってことか」


「そういうこと。使えば使うほどそれがどういう異能力かわかっていくけど、貴樹の場合よく使うものとそうじゃないもので偏りができちゃってるの」


 普段から遠視やら暗視、透視は使てからある程度できてたけど催眠がうまくできなかったのってほとんど使ってこなかったなのか


 使ってきてれば超人戦でも役に立ってたかもしれない・・・あの時ちゃんと聞いておけばよかった


「どうやって訓練したらいいと思う?」


「コツコツひとつずつ、いや二つずつかな。今は二つ同時しかできないからね」


 これはかなり骨が折れるな。これからは戦闘の役に立つものを重点的に使っていこう


「ん?いまは?」


「・・・・」


 有栖がまじまじと僕の顔を見つめてきた・・・カワイイ


 それからため息をつかれた・・・。


「私の事馬鹿にしてるってわけじゃないのはわかったけど。貴樹もうちょっと危機感持った方がいいと思うな」


「面目ありません」


 呆れてってより心配のほうが大きいお説教だ。自信がなくなってきた


「お昼に華蓮とやってたでしょ。あれを数人でできればぐんと効率が上がるよ。今は一人だけでもいずれ増やせるわ。きっと」


「あれも訓練のうちに入るんだ・・・自分の目で使わなくてもいいってことなのか」


 そんなこと聞かされないとわかんないぞ。異能力は使い方教えてくれるけど訓練の仕方は教えてくれないんだから


 ほかの人に貸し与えられるのはわかってたけど貸したものでも制御の経験値みたいなのがはいるんだ・・・


「じゃあ、今は二人だったら対象にできるから有栖にも手伝ってもらってもいいかな」


「うん。いいよ」


 快く受け入れてくれた。やっぱり有栖はやさしい


 前まで一つの異能力で色んな事が出来てその効果に名前を付けてたけど、そっか異能力全部に意思があるなら一つずつ名前を付けて理解していかないといけないな


「僕の持ってる異能力ってどんなのがあるかわかる?」


「うーん、大体は見たことあるよ。名前を知ってるのは・・・「拡大視」「透視」「暗視」「未来視」「過去視」「催眠」「睡眠」「金縛り」「慧眼」「鑑識」「千里眼」「共有眼」「幻覚」「威圧眼」あとは・・・何これ。わかんないのあるけどこんな感じかな」


 無理覚えられない。あとで描きだしてもらおう


「そんなにあるんだ・・・」


「ね。だから貴樹の血は野菜ジュースみたいで健康にいいの。普通のだと大量にとらなくちゃいけなくて気持ち悪くなっちゃうから」


 野菜ジュースってこういう意味だったのか。栄養満タンでよかった


「僕を見つける前ってどうしてたの?」


「すっごく薄いトマトジュースを大量に飲まなくちゃいけないかんじ。一人からとれる分には限界があるからずっと栄養不足だったの。天津が学校を探してくれてホントに助かったんだ~貴樹の会えたからね」


「僕があの学校にいること知ってたんだ天津さん」


「ううん。ほんとに偶然、奇跡に感謝だよ。ってことでちょっと頂戴」


 かわいいので迷わず腕を差し出した


「そういえば昨日も吸ってたよね。そんなに吸って気持ち悪くならないの?」


 有栖は腕から口をはなした。やっぱり歯型はついてない。痛くもないし噛みついてるわけじゃないんだな


「ん?このくらいおやつみたいなものだよ。何リットルも飲まなかったら平気。それに昨日いろいろ疲れたからな~誰さんが瀕死だったの治してあげたもんな~」


「いくらでもどうぞ・・・」


 やったと笑ってまた吸い付いた。昨日も結構抜かれたんだけどな・・・かわいいからいいか


 それにしても僕がいる前って何リットルも吸ってたんだ。それは気持ち悪くなるよね


「そういや、歯型とか吸ったような跡残ってないけどどうやって吸ってるの?」


 二回も食事が中断されたせいかちょっと不機嫌になった


 っくタイミング間違えたかもしれない


「ちゃんと治してるの!じゃあ何もしないで吸ってあげる!」


 そしてまたがぶっとかみついた。今度は勢いをつけて


「いっっった!!!」


 普通に噛みつかれた痛みだ。イタイイタイ


 有栖は容赦なく吸い続けてる


「ほんとに痛いから!邪魔してごめん!」


 謝ったら口を離してくれた。くっきり歯型と血が少し垂れてる。ちょっとグロい


「これでわかった?」


「うん。配慮ありがとうございます」


「じゃあ、治すついでにもう一杯」


 次は痛みがなかった。さっきの痛みも消えていく。麻酔のようなものを出しているのかな


 昨日も結構吸われたけど、それほど脱力感がない。増血効果も一緒になってるっぽいな


 有栖にはすごく助けられてるから、いくらでも吸わせてあげよう


「そういえばこういうのって首から吸うイメージだけど腕でよかったんだね」


「すっていいの!?」


 いきなり口を離された腕には歯型と血の跡がついている。イタイ


「あ。ごめんなさい」


 しっかり治してくれた


「腕でも全然いいんでけど首から吸う方がおいしいの。高級感がいいのよ」


「そ、そうなんだ・・・」


「うん。貴樹以外のは首からじゃないと飲めたものじゃないもの」


 僕以外首からいかれてたんだ・・・僕だけ腕か。なんだか劣等感


「じゃあはじめに腕から吸ったのは何で?」


「・・・我慢できなくて。つい」


 両手で人差し指をつんつんしてる。かわいい


「それからずっと腕を出してくれたし、腕でも普通においしかったから」


 なるほどな、ずっと腕だったのは僕のせいなのか。急に面と向かって首から行かせてとは言いづらいよね


「でもいいのなら首がいい!」


「じゃあ、これからはそうしよっか」


 有栖はわかりやすく喜んだ。ガッツポーズしているカワイイ


 僕は早速首を出そうとしたら正面から近づく殺意に気が付いた


 何かまずい気がする・・・

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