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閉ざした世界に革命を。  作者: 凛月
第2章 「革命軍」
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休暇2

 時刻は六時過ぎ。華蓮にストレッチを手伝ってもらってランニングを始めた


 訓練所の外周を走ってる間、華蓮は真ん中で異能力を全開にて収めてを繰り返している


 いい感じだ。どんな時でもできるようになるっていうのはかなりのアドバンテージだ


 これだけできるようになれば暴走の心配も限りなくゼロになるだろう


 それにきれいだなあ。赤っていうより赫て感じだ。暴力的ではなくて見る者すべてに勇気を与えるそんな赫だ


 見惚れていたら視線に気づいたらしくこっちみるなと言わんばかりに出力を上げた


 訓練場が震えだした。勇気なんて嘘だ。あれは暴力の化身だ


 あまりの圧力と熱気に腰を砕きそうになったけど踏ん張った


 この圧力に負けないくらいにならないと華蓮の隣では戦えない


 僕は走った、華蓮はもっと出力を上げた


 もっと走った、華蓮はまだまだと言わんばかりに上げる


 一分持たずに僕の目の前は真っ暗になった。今は・・・これ・・が限界・・・だ


 目を覚ましたら僕は華蓮の膝の上に頭をのせていた


 するのは慣れてるけどされるのはこっぱずかしい


 急いで起き上がろうとしたら指でおでこを押された


「もうちょっと寝てなさい。どうせ足腰立たないでしょ」


 確かに力が入らない


「・・・ごめん。やりすぎた」


「いや、こっちこそ見過ぎた。集中できなかったよね。ごめん」


「あ、うん、そうね。気が乱れたから今度からはほどほどにして」


 両方のほっぺをつねられた


「いたひ・・・」


「お仕置きよ。これで許してあげる」


 今日はなんか優しいな。拳が飛んでこない。なんだか寂しいのは僕がおかしいのか


「僕どれだけ気絶してた?」


「まだ五分くらいよ」


 そんなに長くはなかったのか


「一時間半休みなしで走ったんだしこれくらいにしたら?体持たなくなるわよ」


 時計を見たら七時ちょっと前だった。ジンが訓練所に来てるかもしれない。少し覗いてみるか


 でも、華蓮も許してくれてるしもうちょっとだけこうしていよう


 気持ちが落ち着く感じがする


 それから五分くらいして起き上がることにした


 何の問題もなく立ち上がれた。疲労感はあるけど、これはランニングからのものだ


「もうちょっと休んでもいいのよ」


「さすがにこれ以上は悪いよ、ありがとう華蓮」


「そ」


 華蓮もひざを払って立ち上がった


「第三見に行ってみるよ。ジンが来てるかもしれない」


「わかったわ」


 なぜか華蓮もついてきた。なんか親鳥になった気分だ


 ジンはいなかった


 ほかの仕事をしてるのかと思ったけどローガンさんが来なかったし今日はみんな休養することになったんだろう


 襲撃はかなり激しいものだったし、それなりにとらないと潰れてしまうもんな


 ジムのシャワーで汗を流してから部屋に戻った


 戻ったら有栖はまだ寝ていた。昼まで起きないって言ってたしな・・・


 部屋に居たら途中で起こしてしまいそうだったから疲れた足で時間をつぶすことにした


 有栖の家に行くっていうのも考えたけど家主がいないのに上がるのはちょっと気が引けた


 有栖なら自由にしてよかったというだろうけどそれは本人の口から聞いてからにしよう


「華蓮はこれからどうする?」


「特には決めてないけど」


 何をしようにもまだ八時にもなっていない


 ショップエリアも大体が九時とか十時に開く、食料品売り場くらいか・・・


「あ、軍の仕事何もなさそうだしお昼なにか作ろうか」


「いいけど。つかれてない?大丈夫?」


 いつもならすぐに食いついてくるんだけど今日は違った


 というか心配してくれてる


「なんか今日の華蓮いつもとちがうね。なんからしくないっていうか・・・」


 むっとした顔をして膝に蹴りを入れられた。疲れてるんですけど


「じゃあさっさと買い物行くわよ!」


 ご機嫌斜めでエレベーターのほうに向かっていった


 やっぱり、華蓮はこれだな。しなしななのはらしくない


 昨日のあれこれが何か引っかかってたんだろうけど僕はこっちの華蓮のほうが安心する


 さて、何を作ってあげようかな


 下に行くとフードコートにローガンさんがいた


「おう、タカキにカレン」


「おはようございますローガンさん」


「書置き見たぞ。今日、明日は軍全体休みだ。インシーの回復待ちってのもあるがな」


「そうでしたか。でも何かあったら言ってください。昨日は早めに休ませてもらったので」


「それは頼もしいな。ま、何もねえだろうからしっかり休め」


「はい」


 明日も一日休みか・・・と言っても何もすることないな


 前なら家の掃除とか買い物とかいろいろあったんだけど、今はしなくていいからなあ


 部屋の掃除をと思ったけど、新築のようにきれいだから必要ないし


 有栖の家・・・は天津さんが僕よりきれいにしてる


 休みって何すればいいんだ


 とりあえず食料品売り場に行くことにした


 何作ろうかな・・・華蓮のほう見ても何も言ってこないし


 下を向いてなんか落ち込んでるみたいだ。何があったこの短時間の間に


 とりあえず献立を決めずにいろいろ買うことにした。明日も何もないなら何か作ろう


 共和国の時もそうだったけど、あれもこれも全部日本産表示だ。どこから仕入れてるんだこれ


 まあ天津さんがどうにかしてるんだろうな。今度仕入れの現場でも見せてもらおうかな


 ぶらぶらしてるとジンとユンファが一緒に買い物していた


 何やら難しそうな顔をしながら果物を見ている


「おはよ、ジン、ユンファさん」


「ん、ああタカキかおはよう」


「おはよう、カレン、タカキ君」


「おはよユンファ」


 この組み合わせは珍しいと思ったけどジンが持ってきてくれたのはユンファさんが選んでくれたものだしユンファさんの服を選ぶくらいには仲がいいみたいだ


 ジンはまた棚と睨めっこを始めた


「なにに迷ってるんですかジン」


「昨日クリスマスイブだったでしょう?ケーキを作るって息巻いてるの。こんなの初めてだわ」


 全然気にしてなかった。ってことは今日クリスマスか


 華蓮の目がこれでもかってくらい輝いて僕の目を見ている


「僕らも作ろっか」


 ガッツポーズをして材料探しに走って行った


 甘いもの好きだもんなあ。今年は二ホールで足りるかな


 有栖もいるし小さいのもいくつか作るか


「華蓮が息巻いてるので収めてきます。がんばってください」


「ええ、失敗しないように気を付けるわ」


 どうやらユンファさんは料理できるみたいだ。ジンは・・・まあ


 華蓮は果物よりもチョコ系が好きだから・・・と思ったけど有栖ようにイチゴを一パック買っておこう


「あ、おいそれ俺が迷ってたやつ!」


「こういうのは早い者勝ちだよ」


 目の前にあるやつをとるのはまずいと思ったから端のやつにしたのに。強情な奴め


 さて。材料を見に行こう。


 えーと。生クリームは面倒だから出来合いのものでいいか


 スポンジはまだ簡単だから作るとして・・・チョコレート見に行こうかな


 菓子売り場につく前に華蓮が両手いっぱいのチョコレートを持ってきた。そんなにいらないよ


「戻してきなさい」


「食べるからいいでしょ」


 ダメって言いたいけど昨日頑張ったから良しとしよう


「ケーキ以外に何食べたい?」


 華蓮は首を傾げた。頭にはてなが浮かんでるように見える


「お昼なにも食べないつもり?」


「あ、うーん・・・」


 ケーキの衝撃に全部吹っ飛んでたみたいだ


 しっかりしなさい。華蓮


「簡単に生姜焼きでもするか」


「ありね」


 了承も得たしあとは


「ハンバーグもしましょう!ほら、有栖も喜ぶでしょ」


「そうだね。そうしようか」


 有栖もってのはとってつけたようだったけど確かにあれが最後だったしもう一度食べたいかもしれない


 作るのも楽しそうだったしそれにしよう


「明日の分は有栖も一緒に買いにこようか」


「それがいいわ。お留守番は退屈でしょうし。今日は寝てるけど」


 有栖の面倒まで見れるなんて・・・なんて思ったけど有栖のほうが年上ななんだよな


 今日の分だけで結構な量になった


 値段は半額になった。さすがに出さないわけにはいかない


 帰りはほとんど華蓮が持ってくれた。なんだか情けなくなった


 部屋について時計を見たけどまだ十時にもなっていない


 お米はレンジでできるものを買ってきた


 レンジはあるけど炊飯器がない。夜の分は有栖の家で作らせてもらおう


 昨日見た時めちゃくちゃ充実していた。まるで近衛家のように・・・何も考えないでおこう。ごめんなさい隆美さん


 有栖もまだ起きてないけど歩き回るのもちょっと疲れたから休憩しよう


 ベットの上に寝転がって一息ついた


「あ、華蓮目の訓練手伝ってよ」


「いいはよ」


 華蓮は買ってきたチョコを早速頬張っていた。全部食べないでね

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