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閉ざした世界に革命を。  作者: 凛月
第2章 「革命軍」
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休暇1

 朝目が覚めると目の前に華蓮がいた


 そういえば昨日の夜一緒に寝たんだっけ


 まだ目がちょっとだけ晴れているけどいつもの寝顔をしている


 リラックスできたようでよかった


 時計の表示は四時五十六分。なんかいい数字な気がする


 いつも通りの時間だ。寝るところが変わっても体は覚えているらしい


 今日くらい朝ごはん作ってあげようと思ったけど、いかんせん食材がない


 時間もないしお弁当で済ませよう


 部屋を出たら天津さんがいた


「おはようございます。貴樹様」


「天津さん。おはようございます」


 待っていましたと言わんばかりに部屋の近くにいたからびっくりした


「拠点に戻ろうと思うんですが、有栖はまだ寝てますか?」


「お嬢様は昼頃まで起きないでしょう。学校もお休みされるようです」


「そうですか・・・」


 そんなに休んで大丈夫なのか有栖。単位足りなくなるぞ


 と思ったけど昨日で顔がばれちゃってるから行く方が危ないな


 ・・・僕は中卒確定か。華蓮は小卒・・・ごめん華蓮


「拠点に帰ろうと思うんですが、送ってもらえますか」


「はい。ですが私もこれから忙しくなりそうなので別の方法をお教えしておきます」


 いつも忙しそうななのに。有栖がばれたからここも危ないのかな


 天津さん頑張ってください


 僕は天津さんに連れられて奥の方の部屋に行った


 部屋の中は何も置かれていない。倉庫か何かなんだろうけどチリひとつ落ちてない


 下には陣が書かれてある。第三訓練場の壁裏にあったものと同じようなものだ


「ここから拠点のほうに転移が可能です。私がいないときはこちらを」


「わかりました。ここまでしていただいてありがとうございます」


 天津さんは一礼してきた道を帰っていった。僕も礼をしておく。さすが天津さんです


 陣の上に乗ると自動的に転移させられた


 拠点の一室だ。多分僕らに割り当てられた部屋だろう


 前と違ってちょっと豪華になっていた


 広くなってるし、ベットもふかふかだ。というか三つある


 キッチンも広くなっていてこれなら二人で並んでも肩が当たってりしなさそうだ


 その時、布のこすれる音が聞こえた。ベットのほうだ


 さっきは気にしてなかったけど一番奥のベットの布団がこんもりしていた


 近寄って確認したら有栖が寝ている


 部屋が豪華になったのは有栖が住むことになったからだったのか・・・


 すやすや寝ている。起きる気配がないので静かに部屋を出ることにした


 華蓮が見たらびっくりするだろうな


 廊下はまだ誰もいない


 あれ、ここ前のフロアじゃないな。部屋が変わったからか


 お弁当を買うためにショップエリアへ向かう


 エレベーターの表示は十八階だった。ここは実行部隊のメンバーが住んでるところだ


 前は空きがなかったし入りたてだったから下の方の階だったけど


 ・・・つまりそうゆうことなんだろう。何も考えずにエレベーターのボタンを押した


 下には夜勤の店員さんらしき人が何人かいた


 食品売り場とフードコートは朝早くから使う人がいるから仕事が割り当てられている


 会う人みんな深くお辞儀をしてくれた。僕は何もしていないのに


 客はほとんど知らない人だった。腕章をつけてるから軍のメンバーみたいだ


 僕はつけてないけどみんなわかったみたいで一礼してくれたり声をかけてくれた


 ありがとうって


 僕は何もしてないのに


 超人を撃退したのは華蓮だ。僕は見ていることしかできなかった


 みんなからの感謝は心に刺さった。もっと強くなってそれにふさわしい人間にならなくちゃ


 僕は自分の分と華蓮の分、それから一応有栖の分も買って上の階へ戻った


 ・・・全部無償でレジを通してくれた。これは華蓮のおかげということにした。華蓮は頑張ったんだから


 部屋に戻る途中のエレベーターで華蓮と鉢合わせた


「おはよう」


「ん、おはよ。起こしてよ、一人だったからびっくりした」


 追いかけてくれたらしい


 いつもはいなくなったらすぐ目を覚ますのに今日は起きれなかったみたいだ


 相当疲れてたんだな


「もう少し寝ててよかったのに」


「いいの、お腹すいたし。半分持つわ」


 右手の袋を持ってくれた。まあそっちに入ってるの全部華蓮の分なんだけどね


 わかってやったんだろうか謎だけど。手伝ってくれるのは素直に嬉しい


 部屋についた。有栖はまだすやすやだった


 起こすのはかわいそうと思ったので、全部レンジに入れなくてもいいやつを買ってきた


 フードコートで食べてもよかったけど前にそれやって華蓮に殴られたことがある


 一緒に食べるのが華蓮の中で決まりごとになっているらしい


 嫌な気はしないから僕はそれに付き合うことにしていままで続けている


 お弁当を食べ終わって少し休憩してから上の階へ行ってみることにした


「華蓮はいく?」


「当たり前でしょ」


 昨日あれだけ頑張ったのに働くみたいだ。すごいな華蓮は


 上の階も静かだった。まだみんな起きてないみたいだ


 インシーさんもかなり消耗していたし動く出すのはもっとあとかな


 ローガンさんの部屋の前に書置きを残して訓練所に行くことにした


 もっと体力をつけなくちゃいけないんだ休んでなんかいられない


 華蓮もついてくるみたいだ


「華蓮の異能力って基礎体力も関係してくるの?」


「・・・わかんない。でもちょっと運動したい気分なのよ」


 そういう感じか。いろいろ試すのはありだな


 まだ完全に制御できていないって有栖が言ってたしな


 できることは何でもやっておきたいんだろう。今度は絶対勝つために


「あの時のコツはつかめた?」


 いわく九割制御のあの姿。きれいだったなあ


「そうね。多分今すぐにでもできるわ」


「ろ、廊下ではしないでね」


「馬鹿にしてんの?」


 鋭い眼光が目に刺さる。馬鹿にしてないです


「・・・昨日の戦いでローガンとの訓練はもう意味ないってわかったわ」


 ローガンさんが可哀そう


「だから天津さんに稽古つけてもらうことになった」


「天津さん忙しくなるって言ってたけど大丈夫だったの?」


「そんなこと言ってなかったわよ?提案してきたの天津さんだもん」


 忙しくなるってそういうことか・・・華蓮の相手だいろいろ準備することがあるんだ


 華蓮をお願いします。天津さん


 僕はとにかくジンのレベルに追いつくことからだな


「たまに僕の相手してもらってもいいかな」


「いいわ。・・・加減の練習にもなるし」


 確かに加減も大事か・・・ちょっと情けない気持ちにはなるけど


「有栖に言われてた、常時エネルギーを纏うのってまだやってるの?」


「ええ、体の一部みたいになってるわ」


 華蓮は纏っているものを少し強くしたみたいで目に見えるようになった


「すごいね、揺らぎもないし。ちょっと色が変わってるのすごいな・・・あいたっ」


 ちょっと触ってみようとして指を近づけたらデコピンをくらった


「触っていいとは言ってない」


「ごめん」


「・・・急に触れるのはやめて欲しいんだけど」


「わかりました・・・」


 さわったら指が引きちぎれるとかかな・・・止めてくれて助かった


 訓練所についた。第三の行こうとしたら第一に引き込まれた


「こっちのほうが近いし、広いわよ」


 確かにローガンさんもいないし使えるのなら使わせてもらおう


 入ったことはあるけどちゃんと使ったことなかったしな


「それにしても広いな」


「そうね、私が穴をあけてからの分も広くなってるわ。どういう仕組みなのかしらね」


「そういえばそんなことあったね。インシーさんが後ろにいた時は冷や汗が止まらなかったよ」


「薄い壁が悪いのよ」


 数メートルある壁は薄いとは言いません


「今の華蓮なら天井ごと第三まで貫けるんじゃない?」


「しないわよそんなこと」


 あほなんじゃないのって顔で見てる冗談だよ冗談


「それに天津さんがトレーニング用に結界張った部屋作ってくれるらしいわ」


「それって拠点に張られてたのと同じようなやつ?」


 前の拠点に張られてたものは天津さんの仕業だったらしい


 二か月前の華蓮の全力を完全に防いだものより強度は落ちてたけど


 強度が落ちたっていうか華蓮と超人のぶつかり合いがすごすぎたからなのかな


「あれとは別らしいわ。共和国で張るにはあれが限界だったらしいの」


 まあ離れすぎてるからかな。さすがの天津さんもできなかったか


「自分の近くに張るものなら今の私が全開で殴っても壊れないらしいわよ。どうなってるのかさっぱりだわ」


 うそでしょ・・・天津さん人間離れしすぎやしないか


「天津さんならって思ったらなんでも納得がいくような気がしてきたよ」


「私もそう思う・・・」


 さすが天津さんです

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