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閉ざした世界に革命を。  作者: 凛月
第2章 「革命軍」
35/100

訓練3

 部屋について着替えをし一息つく。馬鹿みたいに広いこの建物の構造も大体理解できてきた


 と言っても僕がいつも使う部分だけだけど


 まだ行ったことがないところもあるけど特になにかあるわけでもなさそうなのでまた時間があるときにでも散策してみよう


 まだ十六時だ。ご飯にはまだ早いしなあ、なにをしようか


 今日はそこまで疲れてないし、そうだ


「華蓮、今日は夜ごはん作ろうと思うんだけ・・・


「ビーフシチュー」


 即答だ。そういえば作ったのあの時が最後だったか、今日は時間あるししっかり煮込もうか


 僕らはショッピングエリアで買い物することにした


 ここの食料品売り場はかなりの品ぞろえだ。家の近くのスーパーよりもいいんじゃないかな


 惣菜も豊富だ。地下街出身の人がつくる初めて見たものもあったけど普通においしかった


 渡された腕章はまだ使っていない


 でも会計係の人があの時の地下街で僕を見ていた人だったときはかなり贔屓してくれた


 引いた分は自腹らしい。ありがたいけど申し訳ない。今後も使うことはないかな


 今日は二人きりなのでそこまで買い込みはしなかった


 それでも華蓮はよく食べるから四人前ぐらいの量はある。どこにこの量が入るんだか不思議だ


 食事量は前より増えた。運動量はけた違いに増えたし、エネルギーの許容量と生産量も増えたんだろう


 食費がかなりかさむけどインシ―さんが融通を利かせてくれている。桁はずれの戦力だ。万全の状態でいてもらいたいんだろう


 実戦に参加させたくはないけどここまでしてもらって答えないわけにはいかない


 それに訓練から見るに並大抵の相手じゃ華蓮には手も足も出ない


 殺しはないとは言えないけど、加減を覚えたから自分で何とかするだろう


 僕はまあ、今のままでは異能力さんの気分次第で生死が決まる


 頑張らないと。一人で戦わせないためにも


 さて部屋についたので調理開始だ


 家のキッチンよりだいぶ小さいし設備もないけど簡単な料理くらいなら作れる


 人が多いときは営業終わりの飲食店のキッチンを貸してもらっている。毎日でも使ってくれと言われるけどさすがに遠慮した


 華蓮には机で野菜の下ごしらえをしてもらっている


 二人でキッチンに立つにはここはかなり狭い。肩も腕もぶつかるから仕方なく机を使うことにした


 下ごしらえが終わったらあとは煮込むだけ。灰汁当番は交互にしている


 とり終わってルーを入れると美味しそうな匂いがし始めた同時に華蓮のお腹が盛大になり始めた


 鍋を見つめる目はぎらついている。獲物が目も前にいるんだ、いつ飛び掛かってもおかしくはない


 味見と言って一人前ほどなくなった。完成したとは言ってもしっかり減っている


 もう午後二十時に差し掛かっていた。お腹の音もピークに達している


 ここまでよく我慢した・・・我慢した!


 ごはんをよそって席についていただきますだ


 二十分で全部なくなった。もはや飲み物のように流しこんでいた。でも幸せならOKです


 換気扇は回していたもののさすがに匂いがかなり充満していたので窓を開けることにした


 冬の夜風が部屋に入ってくる


 華蓮は寒さを無効化できるけど僕はそうではないのでお風呂に入っている間だけ開けておくことにした


 もう十二月、もうすぐ年明けだ


 いつも通りだったら炬燵でミカンをむきながらテレビを見ていた


 炬燵で寝る華蓮に注意して部屋に戻らせたり、雪が降って駆け回る華蓮を見てたな


 もしかしたら利明さん達も一時的に帰ってきたかもしれない


 隆美さんと一緒にキッチンに立つ華蓮も見れたかも


 有栖も一緒に年越そばをすすって、新年のお祝いもできたかもな


 ああ、そうだ。華蓮の受験勉強も無駄になっちゃったな。エレベーター式ではあったけど主席になりたいってがんばってたのに


 全部なくなっちゃった、無駄になっちゃったな


 今の生活も充実してる


 新しい出会いもあったし関係も良好だ


 華蓮の異能力の制御にこれ以上はないというくらいの施設も使わせてもらえている


 まだ心残りはある。あの日常に戻れるなら・・・とそう思わないことはない


 でも、これは僕たちが自分で選んだ道だ


 一寸先が闇でも前をむいて進んでいかないといけない


 きっと楽な人生にはならない。というか早死にするかもしれない


 でも華蓮のためなら多分これが正解なんだ


 だから僕は死なないように華蓮を守れるように頑張ろう


 風呂から上がった僕が見たのは仰向きで寝ている華蓮だった。久しぶりに好物を食べて満足したんだろうな


 窓を閉めて華蓮にお風呂あいたよと肩をたたいたらふらつきながら向かっていった


 異能力についてわかったことを書いたノートを開いて、今日のことを書いておく


 共有した未来視についてはこれから徐々にわかってくるだろう


 ほかのものについてももっと知る必要がある。まだまだ足りない


 有栖は使えば使うほど馴染むって言ってたからとりあえず未来視を日常で使ってみることにしよう


 酔わないようになれば実戦でも使えるし、見る時間も自在に調整できるようになりたい


 目の合わせ技もしっかり把握しないとな


 いろんなことができる異能力って便利だと思ったけど悩みも多い


 課題はまだまだいっぱいだ


 がらがらとおとがするので脱衣所のほうを見てみると眠そうに濡れた髪そのまま、ドライヤーのコードを引きずってくる華蓮がいた


 今日はとことん満足したい日らしい髪の毛の水分をとるためのタオルとブラシを脱衣所に取りに行って髪の手入れをしてあげることにした


 満足そうに足を揺らしながら鼻歌を歌ってる。きれいな赤髪だ、たまに美容院に行っているらしい


 すごいよね。何でもあるよここ


 でも少し伸びてきている。いつも髪留めで上げているからわからなかったけど。このまま伸ばすんだろうか


 戦闘中邪魔にならなきゃいいけど


「はい。おわり」


「ん、あんがと」


 さらさらになった髪を見て、満足したのか自分のベットに横になりすぐに寝息を立て始めた


 いくら何でも早すぎる寝つきだ。お腹いっぱいで眠たかったんだろうな幸せそうに寝ている


 時間は午後二十一時。僕もなんだかねむなってきた


 タオちゃんに治してもらったからか、幸せそうに寝ている華蓮につられたのか


 今日は早めに寝て明日に備えることにしよう


 電気を消して眠りについた

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