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閉ざした世界に革命を。  作者: 凛月
第2章 「革命軍」
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訓練1

 僕らが革命軍に加わってから二か月が過ぎて新しい生活にも慣れてきた


 華蓮も異能力のコントロールがかなり上達してきていて前までしていたお風呂での解放もしなくてよくなっていた


 主にローガンさんとの訓練の成果だろうな。エネルギーを纏うくらいならいいとインシ―さんの許可も出た


 僕はというと・・・


「はい、甘い」


 ジンにすっころばされている


「体力ついてきたのはいいけど、タカキは戦闘センスからっきしだな」


 この二か月、体力づくりに体づくりそして未来視を使った戦闘訓練を少しづつこなしてきた


 多少ましになってきたがまだまだ足りない


「よけに専念すれば俺くらいなら交わせるようになったけどよ、それじゃ生き残れないぜ」


「そうだな、まあまだ二か月だ。長い目でみるか」


 ヨウさんは優しい。だけど戦闘になると恐ろしく強い。あの時ヨウさんが前に出てきていれば僕はもういなかったかもしれない


「未来視は全く使ってこなかったから、まだ酔っちゃうんですよね」


 この眼は使い勝手がいいけど、何せ視界がブレる。これを加えての訓練も初めて一か月は立つけど全く慣れる気配がしない


「しかしその眼はうらやましいな。戦闘に使うには持って来いのやつだ。俺も使ってみたいもんだな」


「使ってみますか?」


 ヨウさんはキョトンとした顔でこっちを見た。それは聞いてないっといた顔だ


「そういえば言ってませんでしたっけ。僕の異能力って二つ一緒に使えるんですよ。最近視界共有の練度が上がってきて対象に異能力だけを貸し与えることができるようになったんです」


 そう、最近華蓮と一緒に訓練してたらに身についたんだ


 華蓮と僕の異能力を加えれば戦闘能力も上がるし生き残る確率も上がる


 だから寝る前、透視とか静止とかになれるために使ってたんだけど異能力が使えると判断してくれたらしい、異能力を共有できるようになった


「やらせてもらっていいか?」


「お、おれにもできるか!?」


 二人とも中々の食いつきだ。かなり羨ましかったんだろう


「二人同時にやるのは初めてだから別のやつで一回やってみますね。ちょっと遠く見てみてください」


 二人とも同じ方向を見たので、遠視と一緒に使ってみた


「どうですか?」


「おお!すげえめっちゃ遠くまで見えるじゃねえか!」


「ここまで、見えるのか。タカキも今俺らが見てる景色が見えているのか?」


「はい。でも僕も同時には見えないですね、例えるなら頭の中に二つディスプレイが追加されたみたいな感じです」


 僕の視点とあと一人の視点しか認知できない。だけど切り替えられるからそれほど問題ではない気がする


「じゃ、未来視やってみますね」


 向き合って構える


 「行きます・・・どうですか?」


 二人とも止まったままだ


「これどっちかが動くまで始まらなくないか?」


「そうだなじゃ・・・」


 といって二人とも膝をついた。とりあえず共有を解いておこう


「お前今までこんなので戦ってたのかよ・・・」


「これは慣れないと使えないな・・・慣れていきたいものだ。タカキどうだ、協力してくれるか」


「はい。僕もどれくらい操れるかやってみたいです。これ見る時間調整できるのでその辺も一緒にやっておきましょう」


「互いに実験材料ってわけか。はは、ジンもそれでいいな」


「おう、タカキに使えるなら俺も使いこなせるうあ~あ・・・」


 なめられているような気がしたのでもう一回共有して目の前で反復横跳びしてやると気絶した


「じゃあ朝はここまでにするか。昼はいつも通りに。ジンは・・・ほっとけば起きるだろう」


「そうですね」


 僕とジンの関係もなかなか良好でヨウさんの兄弟弟子みたいなものだ


 それに立ち合いのあといろいろアドバイスもくれる。これがなかなか的確でいつも頼りになる


 僕とヨウさんは訓練所を出た。いつも使ってるのは第二訓練所だ


 二日目にして華蓮が打ち抜いて第一訓練所の壁の向こう


 壁は寝て起きたらふさがっていた


 厚みを増やしたのか二、三メートル第二訓練所が狭くなっている


 昼はいつも華蓮ととっているのでいつも通りに第一訓練所の重い扉を開いた


 あの頃のものとは心なしか重くなっている気がする。気のせいかな


 華蓮とローガンさんの訓練はとんでもなく激しい。訓練所に入るといつも衝撃で揺れている


 今日も変わらずだ。今や第一訓練所はこの二人専用になっている。近くに居たら集中できない、というか訓練の余波でそれどころじゃない


 華蓮は全力は出せないけど、それなりに暴れられるのが楽しいらしくいつも鼻歌を歌いながら訓練所に向かっている


 ローガンさんも骨のあるやつと戦えると言って喜んでいるとインシ―さんに聞いた


 まあ、とてもじゃないけどあの二人の間には誰も入れないな


 華蓮のスピードははじめと比べものにならないぐらい早くなった。体の動かし方のコツを知ったんだろう


 枷を外した猛獣のように走ってとんで殴っている


 でも、力加減は覚えたようで訓練所に傷をつけることはなくなった


 ローガンさんも華蓮のスピードに目が追い付いているようでいなして攻撃をちょくちょく入れている


 ただ交わすには体が追い付かないらしく、訓練所の真ん中からほとんど動けていない


 有効打が入った時は文字通り吹っ飛んでいる。それにより受け身もうまくなったらしい


 華蓮が受けに徹することもあるらしい、そりゃそうだいつもあれではローガンさんの訓練がままならない


 初めのほうはかなり有効打が入っていたけど慣れてしまったのかほとんどない


 動きを覚えたのか、受け流しとカウンターも使えるようになっている


 僕とは全然ちがう成長スピードだ。誇らしつつも自分が情けない


 二人は朝からずっとこんな感じだ。四時間ほど休むことなく打ち合ってる。水分補給くらいはしてほしいんだけどな


 十二時を知らせるタイマーがなるとどんな体勢でもまるで時間が止まったようにピタリと止まる


 それからなにやらあーだこーだ話してる


 ありゃすごかったなとか、あれはどうやるのとか。子弟と言うより高め合うライバルみたいな感じだ


 親子ほど年と身長のさがあるにも関わらず華蓮が圧倒しているのは異能力の差だろうな


 特等級というのはやはり次元が違うようだ


 訓練が終わったら僕は華蓮にタオルとドリンクを渡す。いつも手ぶらで向かうから僕がもってきてあげている


 さすがに甘やかしすぎだろうか。でもいつも忘れるんだからしかたない・・・と思うからいけないんだろうな


 ローガンさんはさすがに持参だ。そろそろ自分で持ってきたらどうだと言ってはくれているもののどこ吹く風だ、聞きやしない


 二人そろってお手上げだ


 まあちゃんとありがとうと言えるのはいいことだな。・・・やっぱり甘いだろうか


 もう少し厳しくしてみよう。できるかな・・・

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