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閉ざした世界に革命を。  作者: 凛月
第1章 「平和な世界」
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都市伝説

 四限目の授業が終わって昼休みが始まると教室にいた人達はだいたい学校内にある食堂に向かう


 この学校の食堂は安くておいしいと評判で学校関係者以外にも解放されている


 バスケットコート二面分の大きさを持つ食堂もピーク時には制服の学生とスーツのサラリーマン、作業着姿の技術者で満席だ


 弁当を持ってきているのは愛妻がいるか、人混みが嫌いかまたは、僕のように自分で作って持ってきている人ぐらい


 光も自分で作って持ってきている。「俺が作った方がうまい!」と言っていた


 食べたことがないから真偽は不明だけど大半惣菜だから適当言ってるんだ


 いつも通り僕は光と席をともにして昼食をとることにした


 一気に静かになった教室には僕と光の二人を合わせて、六人しかいない


「それで、”あれ”わかったって?」


 光には終戦初期から謂れがある都市伝説「不可視の館と謎の二人」について調べてもらっていた


 これに関しては本当に情報がなくて気になってしょうがなかったんだ


 「まあそうせかすなよ。んなら不可視の館から話すことにするか」


 一年ほど前から待ってたから気が急ぐのも許してくれ


「頼む」


「まず館の場所は学校から南に行った山の中にある」


「え!?そんなにちかいの?」


 しまった。声がでかすぎた。聞かれて困るものでもないからいいけど恥ずかしい


 周りを見たけどチラッと見られただけだった


 スマホを開いて光にそれがどこにあるかマップにピンを刺してもらった


「確かに建物はあるけど。でもここって確か何かの研究所で立ち入り禁止の場所だよね」


 直接見ていないから詳細まではわからないけど、そには研究所のようなものしかない。


「確かに現地に行ってもそこにあったのは研究所だった」


 「現地に行ったんだ・・・」


 「南方直近分家の力なめんな」


 怖いもの知らずめと呆れる僕とは裏腹に光は笑みを浮かべ、卵サンドを頬張る


「ほこへは」


 「口の物なくしてから喋ってくれ」


「んん・・・そこでだ、昨日の午前二時頃だ。調査に出していたうちのやつが不思議な現象を目撃したらしいんだ、カメラには映ってなかったら口聞きなんだけどな」


 身を乗り出して誰にも聞かれないように口に手を当てて僕の耳元で話す光


 少し暑苦しいので光の額を人差し指で押しながら聞く


「不思議な現象って?」


「研究所が月明りに照らされたと同時に古臭い洋館が現れて中から2メートルくらいの細身の男とちっちゃい金髪の少女が出てきたらしい。そんでその子の目、血のように赤くて、月が雲で隠れても赤々と光っていたんだとよ」


「漫画の吸血鬼みたいだね」


 月明りに照らされて現れた洋館とそこから出てきた男と少女


 それが「謎の二人」か・・・すごく興味が湧いて出てきた


 「そこでな俺も気になって、いろいろ調べたんだ。けどなんの情報もなかったんだよ。本家のデータベースも盗み見してみたんだけどさ」


「ほんとに怖いもの知らずだよね光・・・」


「南の人間はそういう血筋だからな、ばれてもちょと折檻されるだけだ」


 ちょっとの折檻ってなんだよ。


 「んで、それにもなんもなかった。南方本家のデータベースだぜ?ないものなんてない代物だ。ないものすらあるのに、あるものがないんだ」


 「ごめん、わかりはするけど、わからない」


 南方は日本の情報を統括している家だ


 情報収集、諜報活動にたけた異能力者を多く輩出している


 南方本家のデータベースにない情報などないと言われるまでに情報収集にたけている


 世間的にはないとされている情報もあるらしいし、大戦以前のものから、もはや訳の分からないSFの小説のような話まで


 終戦後のに三年はぽっかりと抜けているらしいけど


 それ以外、掴んでいない情報などあるわけがないと言い切れる


「親父に聞いても知らないみたいだしな。そこで、お前の出番ってわけだ。今回の依頼料は俺からの依頼を受けることでチャラにしてやる」


 僕の出番


 僕の異能力はいろんなものを見破ることができる


 と言っても嘘なんかは見抜けない


 フィルターがついたものをなしの状態で見ることができるというものだ


 カモフラージュされているものもはっきり見つけることができる


 だからこの異能力を使ってこの研究所らしい建物を見て、本当に古い洋館が隠されているのか見て欲しいってことだ


「なるほど・・・そんなことでいいなら引き受けるよ。僕も見てみたいし」


「よしじゃあ二十一日の午前一時、山の入り口で集合だ」


 そこにどんなものがあるかわからないけど今から楽しみになってきた

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