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茨城のいいところ

結構反応をがよかったので続きです

 茨城県民が魅力度ランキング最下位の話をする時、話を締めくくる時になからず出てくるセリフがある。

 それは


「住むにはいいとこなんだけどね~」


 である。


 負け惜しみと、負け犬の遠吠えと言われるのは覚悟の上で言わせてもらえば、茨城は生活するには大変便利な土地である。

 まず、食べ物がおいしい。

 前述したように、農業産出数は北海道に次いで二位なのである。ゆえに農産物は豊富で、日本列島の大体真ん中あたりという土地柄のおかげか、作れる作物の種類も豊富だ。

 近所には大抵農業を営んでいる人がいて、出来たからと貰うことも多い。帰宅した際に玄関前に白菜がやまずみになっていた時には、一体どこのかさ地蔵が恩返しに来たのかと驚いたほどだ。

 そして、もちろん野菜・くだもの嫌いでも大丈夫。お肉好きな人おいでませ。鶏ならば三大地鶏の一角を担う奥久慈しゃも。とろける味わいの常陸牛と飯村牛。勿論豚だって日本有数の産地だ。ローズポーク、キングポーク、美明豚などなどなど。

 運転していると、よくそれらをと殺場へ運ぶトラックを見かける。近年漫画の銀の匙で北海道の畜産が一躍脚光を浴びたが、別に畜産を行っているのは北海道だけではないのである。むしろ都心部への供給量を考えたら、もっと北関東にスポットライトが当たってもいいんじゃないかと思う。こちとらダサいだのなんだのと馬鹿にされながら、それでも東京都民の胃袋を支えている訳である。

 また、陸上で生産される食べ物ばかりではない。なんせ茨城。海があるのである。那珂湊では新鮮な魚介類が食べられる。名物はアンコウだが、そこはただの太平洋。他の魚介類もちゃんと水揚げされている。刺身にしてもいい、鍋でもいい。霞ヶ浦まであるので淡水魚だってカバーしている。河川もあるのでわかさぎやアユだって釣れる。釣り人にとってはユートピアじゃあるまいか。言い過ぎ?いいや、言わせてくれ。こっちがどれだけ鬱憤を溜めてると思ってる。

 という訳で、とにかく食べ物が美味い。茨城県民なら別にバスツアーに参加せずとも、かねふくのめんたいパークで明太子を買いまくり、なぜか海に近くない立地にある土浦の鮮魚市場でマグロ食べ放題に参加し、その他イチゴ狩り、リンゴ狩り、みかん狩り、ぶどう狩り、なし狩り、メロン狩り、フルーツトマト狩り、芋ほり、クリ拾い…。もう狩り放題である。ここまできたらむしろ節操がないような気もするが。

 勿論、それらのおいしい食材を調理するお店だってちゃんとありますとも。地酒だって地醤油だってあるのです。ただアピールが下手なだけなんです。


 食べ物だけでこれだけ語ってしまったが、もちろん他にもあります住むにはいい理由。

 二つ目は、交通の便がいい所。

 グーグルマップを見てほしい。縦に貫くように常磐道が、横には北関東自動車道が伸びている。ここに圏央道が加わって交通の便はかなりいい。鉄道で言えば古くからある常磐線と、近年開通したTXはつくば~秋葉原間を最短45分で結ぶ。「(よりにもよって)茨城に住んでるの?」という蔑みに堪える自信があるのならば、都心部への通勤も全然ありだと思う。住宅の敷地面積が日本一広い茨城でならば、夢のマイホームも夢ではなくなるはずだ。こちらでは一つの敷地に二つ三つ建物が立っているのは当たり前。古い家になると、どこの豪族だというような家もある。

 ついでに言わせてもらえば、港があるおかげかガソリンも比較的安い。基本的に車社会なので、これは結構重要だ。車は一家に人数分。多い家だと軽トラ等を含めて人数分+αまである。通りでディーラーと中古車屋が多い筈だ。

 交通の便さえよければ、通販だってすぐに届く。楽天だってアマゾンだって、別にあす楽やプレミアムを使わずとも、大抵は次の日には来る。もちろん逆も然り。夕方七時までにヤマトの営業所に間に合えば、次の日の午前中には東京に着いている。仕事をする上でも、このアドバンテージはでかい。

 ただ、難点があるといえばやっぱりあって、それは暴走族の多さと、あと誰もが基本的に運転が荒いこと。もしあなたが制限速度で道路を走ろうものなら、その後ろには大渋滞が起こることだろう。つわものならばセンターラインを越えてまで無理に抜かしていく。ペーパードライバーの方はあまり茨城を運転しない方がいいのかもしれない。(私は過去、運転中に隣に並走する原チャリのあんちゃんから車体をキックされたことと、前方を走る車から花火を投げつけられたことがある。嫌な思い出である)


 さて気を取り直して三つ目

 それは、観光客が少ないところ。

 魅力のない県最下位といういことは、つまり訪れる観光客だって少ないということである。日常的に、他県から観光に訪れる人にはまず出会わない。

 それのどこがいいかって?

 みなさんだって、覚えがあるはずだ。観光地で大量に見かけるアジアからの観光客。何語で喋っているかも分からないし、マナーだってあまり期待できない。春秋、或いはイベントの際には、観光で交通網のパンクする観光地。更にひとたび人気が陰ってしまえば、観光業で生活していた人々は職を失うのである。観光業に軸足を置くのは、ある種の賭けだと私は思う。

 勿論、茨城だって本音を言えば観光客が欲しい、恐らく県庁辺りではその対策本部が開かれているであろう。

 しかし住んでいる方にしてみれば、桜が余裕を持って見れて、紅葉狩りも優雅に楽しめる。穴場の滝や渓谷を散策し、ついでにおいしいものでも食べて帰れば最高である。

 観光産業が盛んでない。それはつまり、地元の人間しか知らない穴場が山ほどあるということでもあるのだ。夏には真っ平らな大地を埋め尽くすハス畑、竜神大吊橋から望む燃える様な紅葉。冬になると雪は年一回程度。その割に霞ヶ浦には白鳥まで飛来する。地元の人間にエサをもらいながら、そこで冬を越す為に。

 私はそばを食べるのが好きなので、秋になれば常陸秋そばを食べたい。その辺のJAで出している蕎麦でも、安くて十分に美味だ。


 さて、温泉はない茨城。でも海の見えるスーパー銭湯はある

 魅力のない茨城。でも結構楽しく便利に暮らせる。


 いかがだろうか?癪に障る方もいるかもしれないが、少しは茨城を見直していただければ幸いである。

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