Side:紫雨
あれから、時間が経って翌日。
いろいろとあり、僕は指導者側へとまわっていた。
教えていた子は、他校の女子。
一年生らしい。
「あの、轟鬼さん。ここは…?」
「ああ、ここは…」
「あ、そうするんですね。ありがとうございますっ!」
無邪気な笑顔を向けてきたが、
僕はそんなことよりも3つ離れた所にいる小鳥遊さんのことが気になっていた。
「…どうしたんですか?轟鬼さん?」
「…あ、いや、なんでもないよ。」
少し気を逸らしすぎたな…と、思いながら教えることに集中した。
そして、午前の指導が終わり昼休憩となっていた。
「あの…轟鬼さんっ!」
「ああ、さっきの…」
「はい!花藤高校一年の皆原 暁子といいます。
それで…午後の指導が終わったら、お時間ありますか?」
僕は少し考え…
「ああ。特に急な用事はないはずだから、空いてるよ。」
「それなら、お話があるので、裏の並木道のところにある門に来てくれませんか?」
「わかった。それでは、午後もがんばりますように…」
「はいっ!」
それから、午後はバスの中で小鳥遊さんと、
しゃべっていた160㎝位の男の子と背の高い女の子を指導した。
「轟鬼さんって、蒼羽のことどう思います?」
突然、女の子の方が話しかけてきた。
「え、どうって…じゃあ、聞くけど君たちはなんでそんなこと聞くんだい?」
「「気になったから?」」
なんではもるんだよ。
「はぁ…まあ、賢いし子で天真爛漫で可愛らしいと思ってるよ。」
「へぇ、そうなんですか…」
そして、男の子のほうが…
「じゃあ、恋愛感情としては?」
「え…」
一瞬、僕の思考が停止した。
そのあと、僕は皆原さんとの約束の場所に来ていた。
(恋愛感情…か…)
あの時、僕は『わからない』と告げた。
本当は、“好き”なんだと思う。小鳥遊さんのことを…
けど、もやもやして、はっきりしていなかったから、ああやって告げた。
ああ、でも、小鳥遊さんが他の人たちとしゃべってると、もっともやもやするな…
なら、やっぱり小鳥遊さんのことが好きなのかな…?
「轟鬼さんっ!」
そんなことを考えているうちに皆原さんが来た。
「すいません。遅れてしまいました。」
「いいや、僕も今来たところだから、大丈夫だよ。」
そして、皆原さんに息を整えるように言った。
「それで…話って?」
「ふぅ。ああ…そうでしたね。えっと、話というのは…その…」
なんとなく、予想はしていた。
「轟鬼さんのこと…好きですっ!」
真っ赤だった。
「えっと…その、気持ちだけ、受け取っておく。けど、ごめん。好きな子が、いるんだ…」
断った。はっきり言わないと、いけなかっただろうから…
「え、あ、そう、ですか…」
「え、あ…あの、皆原さん。こんな僕に『好き』だと、伝えてくれてありがとう。」
「いいえ。こちらこそ、聞いていただきありがとうございました。」
ペコリと、彼女は頭を下げ、去っていった。
………僕も、そろそろ、伝えないとな…
ふう、久しぶりすぎる投稿…
グダグダにならず…できたのかな?
ここまで読んでくださった皆様ありがとうございましたっ!