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追憶 〜また田舎で俺はあの日を探す〜

作者: 星野彼方
掲載日:2026/05/23


 その日の昼間は、ひどい雨だった――――


 東京から電車を乗り継いで三時間半。ど田舎。今時こんな山奥に人なんているのかってくらい、廃れた街。

 そんなところに、ふと里帰りしたくなった。


 会社を定時に出てすぐに電車に乗った。なのに現在時刻二十一時過ぎ。

 

 「……あぁ……」


 大丈夫。明日は休み。自分にそう言い聞かせて、駅の脇のベンチに座る。

 

 「やべ。濡れてるのかよ。」


 それはそうか。今日もついてない。もう濡れてもいいと思って、背もたれに寄りかかる。

 その日はやけに……いや、田舎の空は綺麗なんだな。

 この星々を、どこかで君も見ているのかな……それとも、この街から見ているのかな。

 まだ少し昨日の酔いが残っているんだろう。そういうことにしておこう。


 「…………」


 君の名前を口にしたくなって、止める。こんなダサいことしたくないからな。

 気づけばメッセージを打っている。返信が来ないのは、知っている。

 

 「……俺は…………いや僕は……」


 変わらない景色。そんなの都会にはない。田舎も同じかもしれない。あるとすれば、この空くらいか。

 まだ何も起きてない。何も知らない。今考えればくだらない。でも、俺はそれに感情全て賭けていた。


 「……好きだったな……」


 “愛してる”じゃない。“愛してほしい”ですらない。そんな幼い感情。でも、今もそれに惑わされている。

 性悪だったのかも……。 

 そんなこと考えるたび、自分が小さいことを知る。外見が大人になっても、俺の中身は変わらない。

 一生。ガキのまま。 あの時から輝く星は、俺をどう思うのかな。

 手を伸ばして、届かない。


 「かぐや姫って、性悪だな……」


 だってずっと待ってて、いつか迎えに来いなんて、無理じゃん。

 そんな少年漫画主人公を求めてる。女の子ってそうなのかな…………俺は、白馬の王子様でもなんでもない。


 「……アホくせぇ。」


 今日はどっか寂れた旅館にでも泊まるとしよう。



 * * *



 朝、起きてテレビをつける。朝食を終えて、ネクタイを締めている時。

 “また”このニュースか。


 「今朝、二十代の女性の遺体が見つかりました。」


 今度は誰と消えたのかな? “君は”

 

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