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レベルがとんでもないことに気づいたときは本当に気絶しそうになったなぁ。マジで。まあそんなことはどうでもいいんだ。それよりもこの魔法学院、マジでとんでもないイベントが起きます。それはヒロインの誘拐です。主人公とヒロインが仲良くなるきっかけでもあるイベントなのである。


まずそもそもの話であるイベントの説明をしよう。


ヒロインの藤井美久が教室に忘れ物をする。

その間にさらわれる。

翌日異変に気づいた主人公は救済に向かう。

なんやかんやあってなんとか救済、仲良くなる


といった形なのである。わかりやすく言えばという形なので、実際はもうちょっとめんどくさかったりする。


「…面倒だなぁ」


とうっかり愚痴をこぼしてしまった。


「何がそんなに面倒なの?」

「びっくりしたぁ…急に喋らないでよ」

「ごめんごめん、ところでどうしたの?」

「いや、荷物の処理がめんどくさくてさ」


もちろん嘘である。


「マジそれな!私なんか結構荷物持ってきちゃって片付けるのが本当に面倒で…」


と僕みたいなモブに健気に話しかけてくる藤井さんを見ると心が痛む。だって攫われるんだもん。


「…なんだよね〜」

「それは大変ですね」

「あ、もう授業始まるね」

「うん、またね」


と席に座る。全員が席に座ったところで先生が話を始める。こういう話は前世では聞かなかったなぁ…新鮮だ。


「…ということで、午後の演習は実戦テストを行います」

「「「はーい」」」

「じ、実戦…?」


俺はその単語を聞き逃さなかった。戦う、ともなれば死んでしまう。なぜなら俺はレベル1243だからだ。レベル1から6あたりのやつを、ゾウがアリを踏み潰すかのように殺すのは趣味ではないので休むかサボるか…


そうこう考えてるうちに昼休みになっていた。


「あ、一緒に食べよ!」

「ふ、藤井さん?!」

「誘いに来たのに…驚きすぎじゃない?」


急にガチャでSSRが当たったらみんな驚きまくるだろうに…。


「ご、ごめん」

「まぁいいわ、一緒に食べよ!」

「僕でいいのなら」

「じゃあ食堂でね」


こうして僕達は食堂に来ていた。人はパンパンに詰められていて正直座れるかどうか不安だったがお友達が席を確保してくれているらしく向かうことにした。


「あ、レベル不明の子じゃーん」

「あ、あの子なのね」


どうやら俺のことを認知しているようだ。


「とりあえず食べましょ?」


と美久が言う。


「ところで…お名前を教えてもらえませんか?」

「あ、自己紹介してなかったね」

「ほんとだな、私の名前は本郷綾、あやって呼んでもらっても構わないぞ」

「私は森田桃、桃ちゃんって呼んでね」


丁寧に自己紹介してくれた。


「よろしく、綾さんと桃さん」

((さん付け…))


何故か釈然としない2人だったがそんな事を考えている間に美久が口を開いた。


「そういえば今日はさ、実戦テストがあるって言ってたけど自信がないんだよね〜。健人くんはどうなの?」

「俺も自信ないよ」


主に力加減がね!!!


「へぇ〜、この学院を首席合格したくせに?」

「もう…桃ちゃんからかわないでよ〜」

「えへへ、ごめんごめん」


首席合格ってまじかよ、何で自信ないんだよ!


そう思いつつも昼食を取り、その昼食のときに牛乳を飲みすぎてお腹を下し、なんとか午後の演習を避けることができた。

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