桑畑博士の落とし穴1
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散々身体中を調べ回された翌日、北枕助手も他の所員と共に朝に何食わぬ顔でやって来て、研究所の廊下を歩くと、突然隣を歩いていた所員が消えた。
「あ!博士ー!」
北枕助手が桑畑博士の居る方に駆けて行く。
朝の博士は大概メイン研究室にいる。朝、全員と挨拶をするためだ。
北枕助手がメイン研究室に飛び込むように入り込み、桑畑博士に声をかけた。
「博士、ダメですよ床に新しい研究室の通路作っちゃ!」
北枕助手の言い様に最初は何の事か分からなかった様子の桑畑博士だが、はたと手を打った。
「ああ。夕べそういえば作ったのぅ研究室。言っておくのを忘れておったわい」
博士と北枕助手が二人して所員が消えた異次元空間の研究室入口に梯子を突っ込むと、例の所員の他に掃除のおばちゃんから工事業者、更には配送のお兄さんまでわらわら出てきた。
「ほら。こうなるんですよ博士」
最後に何故か廃墟マニアという侵入者まで救出しながら北枕助手が博士にもの申した。
「なるほどのぅ。これは便利じゃのう。色々な場所に落とし穴を仕掛けて捕まえてみよう」
「ヒトを捕まえちゃダメですよ!」
「ヒトを捕まえる気なんか無いぞい」
そう残しながら桑畑博士は最後の方に駆け込んだケイコ助手に挨拶した。
「おお、おはようケイコ君。滑り台の調子はどうだね?」
その返事を聞くより速く、桑畑博士は外に駆け出してしまった。
「北枕くん、なぁにアレ」
残されたケイコ助手が北枕助手に聞いたところでまともな返事は帰って来ない。
「さあ。ところで滑り台は使って……無いですよね」
「使わないわよ!」
「それはそうでしょうね。ケイコさん、博士を追いかけましょう!嫌な予感しかしません!」
「私もなの?でもまあそうね。嫌な予感しかしないわ」
北枕助手とケイコ助手が慌てて靴を履き替え追いかける。
こんな時の為にも、ケイコ助手は研究職なのにお洒落なパンプスもハイヒールも履いていない。
運動靴に履き替え桑畑博士の後を追う。
博士は年寄りのクセに好奇心に駆られた時の足の速さは相当なものだ。
博士は何を考え出したのだろうか。
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