桑畑博士と心霊工学2
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北枕助手捜索が始まった。
良い歳したおっさんである防衛軍長官が猫耳カチューシャと猫の手みたいなダウジング器具を持ってウロウロする。
「ところで博士、何故猫なんですかニャ?」
「ニャ?」
「ププ!長官可愛いですね」
汀秘書官がそう言いながらその様子を携帯電話で録画し、奥さんののぞみさん、長女かなえちゃん、次女のたまえちゃん宛に送信している。
「何故猫かかね?猫のは九つの魂が有ると言われ、魔女の使い魔として頻繁に使われ、更に人間から秘密の時間を持つ等、人類には無い神秘が有るからじゃよ。まあじきに分かるわい」
「はぁ」
長官的にはこの扮装が恥ずかしくて仕方無いのだ。
「ところで何故長官なんですの?まあ、似合って……ませんわね」
「長官はのう、何度も身体を入れ替え魂を移しておるからじゃ」
「だから猫で長官ですのね」
ケイコ助手は呆れている。
「長官、ご家族喜んでいますよ」
汀秘書官がケラケラわらいながら長官家族からの返信を見せびらかす。
妻ののぞみさんからは『夫がヘンですみません』高校生の姉、かなえちゃんは『二度とそんな恥ずい格好しないで』と、辛口な返信。唯一思いの外パパっ子の中学生の妹たまえチャーハン『お父さんバカっぽくて可愛い。略してバ可愛いって言ってあげるね♪』と、肯定的なのか小馬鹿にしてるのか分からない返信が来た。多分後者だろう。
ここで長官の動きが変わった。
「にゃんピッピッ!にゃんピッピッ!」 とか言い出し勝手に脚が進んでいるようだ。
「おお!何か心霊を捕らえたようじゃな!」
「捕らえるとああなるんですのね?恥ずかしい」
「私が付けるんじゃなくて良かったよぉ」
ケイコ助手と汀秘書官が割と身も蓋もない言い方をする。長官は聞こえてはいるが反論が出来ない。
口ではにゃんピッピッにゃんピッピッと言い続けているからだ。
研究所を飛び出し近くの岸壁にて遂に心霊をとらえた。
「フフフ……焦がれたあの方と添い遂げられないその悲しみ。いかで晴らさでおけましょう」
心霊は浴衣を着た髪の長い女性であった。
「あのさ、北枕くん知らない?」
意外にもフランクフルトに話しかける汀秘書官。しかし返答は無い。
「大黒屋手代の基吉さん。あの方は祝言をあげる前に労咳を患って亡くなってしまいましたの」
「いや、北枕くん探してるんだ」
「いつか同じように思い人を亡くした方と思い出話とか出来ないものかしらと」
「博士、この人ダメそうだよ」
何故か汀秘書官は心霊に対してフランクだ。ケイコ助手が後退りしているのに対して対を成している。
「どうやら一番怨恨の強い地縛霊に反応したようじゃな」
「地縛?」
ケイコ助手が桑畑博士の後ろに隠れてしまう。
このような調子で北枕助手の肉体は取り戻せるのだろうか。
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