桑畑博士と心霊工学1
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北枕助手が夜警係として研究所の各所を見廻りする。
木のお家は未だ健在で、家が近い事もあり、割と持回りの夜警係を肩代わりする事が多いのだ。
第一北枕助手には自分の家庭という物が無い。独り身は身軽なのである。
研究所に夜警なんて必要なのかと聞かれると、これが思いの外必要なのである。
「あ!博士ったらまたこんな所に異空間研究室作ってる」
懐中電灯を片手に提げた北枕助手が独り言を言う。そこには空間の歪みがあり、背景もユラユラしている。
そこに梯子を突っ込むと、食堂のおばちゃんから配送のお兄さんやら、挙げ句研究員が10人程出てきた。
「全く、博士ったら」
北枕助手が独り言を言いながら新しい研究室入り口を壁に移しておく。
「はあ。今度はどんな研究してるんですかね」
その独り言はもう誰も聞いていない。救出した人々はそそくさと礼を言って帰宅したからだ。
そんな中遠くがぼんやり光りだし、なにかが北枕助手に接近し始めた。
「また博士の研究品ですか?」
光が徐々に近づいてきた。
そこに居るのは音楽室に飾られているベートーベンの肖像画だ。何故か全身が描かれている。
「誰だお前は!うわー」
翌日以来北枕助手は姿を消した。
その異変は翌日すぐに判明した。
「博士、北枕さんは無断欠勤するような人では有りませんわ」
「うむ。昨日の夜警で何か有ったようじゃな」
「北枕くん居ないとつまらないですよ。早く探してくださいよ」
汀秘書官も長官と朝から来て北枕助手の安否を心配している。
「うむ。儂もちょっと研究が進まなくて困ってしまうのじゃ。ちなみに今生体としてはこの部屋に居るのじゃよ」
「!!!」
「な!なんだって~」
何故かノストラダムスの大予言探査チームみたいな言い方しているケイコ助手と汀秘書官。併し桑畑博士は『なるほど地球は滅びる』とかのノリは無い。
「立体交差並行世界線に居るならこのような反応はせんのじゃよ。つまり北枕君が居るのは冥界じゃな!」
「冥界?有るんですかそんな場所?」
「北枕くん棺桶に片足突っ込んでんのか!?」
ケイコ助手と汀秘書官の問いかけに桑畑博士は答える。
「まだ連れ去られては居らんようじゃな。よし長官、お主の出番じゃな!」
「え?私ですか?何をするので?」
「うむ!これを付けて貰おう!北枕君の肉体を他の霊魂に聞き込み調査をするのじゃ!」
その器具は何故かネコミミカチューシャと猫の手を模したダウジング器具を2本だ。
「これを私が」
「そうじゃ。よろしく頼むぞ長官」
訳のわからない捜索が始まる。
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