北枕クローンの野望3
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北枕クローンが力尽きて倒れた事でその総大将が無くなった。しかし表はまだ戦争(?)は続いている。
単なる殴り合いになっていた戦場はそれぞれのクローンが婆さんになっており、それぞれが弱々しい張り手を繰り返していたり、ゆっくりなテンポで言い合いをしている。もはや取っ組み合いをする元気も萎えていたのだ。
「私って歳を重ねても美しいわね」
汀秘書官が思わず口にしてしまう。
「あなた能天気ねぇ。目の前にこんなに倒れているのよ。これらは果たして生命体として認知されるのかしらね?」
「そうなのかぁ。ソイツは可哀想だな。私達」
人称がごちゃごちゃな文だが、確かに目の前に倒れているのは汀とケイコのクローンなのだ。同情もしたくなるだろう。
遺体も片付けようも無く置いておかれているが、間も無く防衛軍が集まり遺体を焼却するそうだ。
「丁重に扱って欲しいなぁ。私なんだから」
「貴女、自分の言ってる事ごちゃごちゃなの分かってるの?」
「だって全部私なんだぞ」
汀秘書官はクローンを自分の一部とまで思っているのに対し、ケイコ助手はかなり突き放している。
これは何もケイコ助手のクローンの出どころがクローン軍団から出てきたという訳ではない。ケイコ助手が実験結果にドライなだけなのだ。
それを無言で見つめていた桑畑博士の意見はケイコ助手のドライさとは相反する物だった。
「北枕君、儂らはクローンについてとんでもない勘違いをしていたかも知れんな。ここに有るのもまた汀くんが思う通り一つの命にして分身なのじゃ。儂らはまだ開けてはならない箱を開いてしまったようじゃな」
「そうかも知れませんね博士」
「うむ。残っておる者達には出来るだけ安らかに暮らしてもらおう」
「そうですね博士」
北枕助手は言葉少な目に頷いた。
時間は間も無く11時。昼食は仕方なく仕出し弁当を頼む事になる。
「博士、今日のお弁当何にしますか?」
「あー。日替わり弁当梅干し抜きで頼む」
「はい博士」
その時クローン北枕軍団が動いた。白髪になった奴、剥げ散らかした奴、顔に皺が沢山有る奴、様々だ。
「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」「ハイハカセ」
「北枕君、コイツら全員しっかり失敗作置場に放り込んで暮れんかの?煩いわ!」
「はい博士」
北枕助手は桑畑博士が割と情が薄く、割とさっき吐いた言葉を裏切る人だと知っていた。
「はい博士」
いつの間にか用意された失敗作置場行きベルトコンベアに老いた北枕クローンを放り込んでクローンを片付けた。
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