桑畑博士とクローン達1
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桑畑博士に置いて行かれた北枕助手にケイコ助手と汀秘書官が近付く。桑畑博士に見離された事を慰めようとしているのだ。
しかし、北枕助手は心配そうな目をしながら遠くを見ている。
「博士はケイコさんも乾燥させた物を持って行きましたね。クローン。全く同じ遺伝情報を持ってるからって、同じ人生を歩むとは限りません」
「ええ。そうね」
「まあ育つ環境で色々変わりそうなもんだね」
二人が北枕助手の独り言のような声に同意する。
「そうです。良い方向で行けば栄養状態が良くなってグラマーなケイコさん、スーパーモデルのケイさん、芸能界入りのケイコさん、更には博士以上の天才のケイコさん」
「まあ、あり得なくは無さそうね」
「このぺったんこな胸は空気入れで膨らますしか手は無いよ」
何故かケイコ助手と汀秘書官の間で意見が別れる。
「その逆も有るんですよ。むしろ逆よりもっととんでもない事が起こり得ます」
「この胸の逆ってえぐれ胸かい?怖いなそれ」
「うるさいわね汀さん!」
まるでコントみたいなケイコ助手と汀秘書官を置いたまま、北枕助手が立ち上がる。
「やはり放っては居られません。ちょっと行ってきます」
そう言い残して北枕助手が走り出す。それを見たケイコ助手と汀秘書官は当初呆気に取られてたが、二人も北枕助手の後を追いかけた。
桑畑博士は案の定メイン研究室にいて乾燥北枕や乾燥ケイコの桑畑博士謹製品を水で戻して楽しんでいた。
「博士、この北枕助手はアホですね」
「博士、このケイコ助手と北枕助手は近すぎてくっついたままですよ」
「おお、このケイコ助手はこんなに太っているのに胸は相変わらずです」
「ウハハハハ、この北枕君は何しとるのかね」
そこに居たのは北枕助手とケイコ助手が育ち方間違えた物の集大成だった。
「なぁに?北枕くん。こんなのを見せたかったの?なんかこのデブ私に似てないわ」
「いんや。ケイコさんそのものだよ。胸無いし」
「ほっときなさいよ!」
相変わらずコントみたいな二人だが、北枕助手はそれを相手にしている余裕なんか無かった。
「あれぇ?」
北枕助手は首を傾げた。どうもこんな筈では無かったようだ。
桑畑博士と所員達が色んな北枕助手とケイコ助手の出来損ないクローンを見ては爆笑している。
「まあ失敗作は全部捨ててしまえば良いからの」
結果そう言い残して出来損ないクローンを失敗作置場直通ゲートを開いてどんどん捨てていく。
「ウワー、ヤメテクダサーイ」
「ドウカオユルシヲハカセ」
失敗作処分場に放り込まれるクローン達が大騒ぎする中、桑畑博士はそんなものを眺める余裕なんか無い。何やら新しい研究が始めている。
この時、既に次の話は始まっていたのだ。
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