桑畑博士の科学的回遊魚2
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ろ-48研究室、そこは間違いなく異質な研究室だった。
二重螺旋が研究室のあちこちにあり、それがウニウニと動いてはプルンとしている。
「博士、これは?」
「うむ。元々は鮭のDNAだったのだがの。それをこのように」
とか言いながらどこか別の生き物のDNAを適当に引き抜き、それを鮭のDNAに繋げた。
「こうして偶然出来たのがバナジウム魚なのじゃよ」
「博士、罰当たりですわ!」
「実際にはウランを集めてほしいのじゃがの」
「ああ、それでしたら」
北枕助手が立ち上がり、丁寧にDNAを読み、繋げ直した。
「これでウランを集めるウラン魚が出来ますよ」
「北枕くん!罰当たりだわ!」
「これは鮭ですけど、アルミニウム土壌に強いトウモロコシを弄ってルビーを作ったり、ケイ素を吸収してアメジストの実を作る物や、炭素を吸収してダイヤモンドを作る植物も出来そうですよね」
「北枕さん、お手伝いしますわ!」
ケイコ助手が急にキャラが変わる。物欲に目が眩んでいるのだ。
「そういえば北枕君はバイオテクノロジーが専門だったのう。ではこの研究室をやろう。思う存分やってみてくれんかの」
「北枕さん、お手伝いしますわ!」
「え?あ、ありがとうございます。では博士、こちらの研究室、お借りしますね」
「北枕さん、お手伝いしますわ!」
ケイコ助手は欲に目が眩み捲り!それしか言わないボットになっている。
北枕助手は早速研究室の改装を始める。桑畑博士が海から資源を回収していたのに対し、北枕助手は地面と大気から資源を回収したいようで、植物を置いている。
「で?北枕さん、何から作りますの?アメジス……」
「家ですね」
「え?イエから始まる宝石って有ったかしら?」
「いえいえ。僕の家を作るんですよ」
「家?」
「はい。桑畑博士の研究所騒動の時から僕、家が無いんですよ。惨めでしょ?」
そうなのである。北枕助手は公団アパートは壊れて、その後北枕君の家ロボになっている。
北枕助手に家は無いのである。仕方なく北枕助手は研究所の宿直室に住んでいる。
「木を弄って家にしようかと」
ケイコ助手はなるほどと思った。確かに北枕助手には家が無い。しかし研究所から近すぎる為、しょっちゅう呼び出しを食らうかも知れないとも思わされた。
北枕助手はせっせと苗木を育て始めた。成長を促進する遺伝子も組み込んでいたようで、すぐに大きくなった。それを北枕助手は「ここを剪定して」「ここは成長を止めて」とか言いながらワイヤーを巻いたり高枝切り鋏で切り落としていた。
さながら盆栽のようだ。
ここに研究室の入口も移し、この木はさしずめ北枕助手研究所のようになったが、これは後から重要な布石となる事に、北枕助手は気付いていない。
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