桑畑博士の科学的滑り台3
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顔面から滑り台を転げ落ちたケイコ助手は、一回目のワープを始めた。まずは真っ暗な空間と至近距離に白銀に輝く恒星が光っている。
空気が全く無い宇宙空間なら温度はあまり感じないだろうが、クリアチューブが暖まり、それが中の空気を暖める為、中は物凄く暑い。
「あちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃー!」
ケイコ助手は顔面が発火する程暑く感じた。これで熱死していない理由は、意外にも人命だけは軽んじない桑畑博士の面目躍如と言ったところか。
ちなみに今ケイコ助手は地球と同じ時空には居ない。俗に言う立体交差並行世界線の、地球が本来有る筈の地域からも遥か彼方に有る恒星を見ている理由はベイビーユニバースとベイビーユニバースの繋ぎ目を滑っている状況だからなのである。
暑い時間はほんの3秒程だったが、ケイコ助手には無限の時間に思えた。空気は有るものの一人きり。更に凄い暑さだからだ。
ボン!と大きな音を立てて、二回目のベイビーユニバースを通り抜けたケイコ助手は、次に何かの生命体の消化器官を滑り降りている。
綺麗なピンク色の臓物が分泌物を出しながら何らかの物体を消化している。
「いやぁぁぁぁぁ!ピンクのぬらぬらいやぁぁぁぁ!分泌物いやぁぁぁぁ!」
臓物から出ている突起物が、クリアチューブ内のケイコ助手に焦点を定める。どうやらケイコ助手なら消化出きると判断しているようだ。
「いやー!乳様突起いやー!乳様突起こっち見んなー!」
乳様突起はケイコ助手を見ている訳ではなく、消化物として消化しようとしているだけだ。
その乳様突起はクリアチューブにぶち当たりプニューっとした跡を残している。
「いやー!気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いー!」
グロテスクに変形する臓物も4秒程度で終わる。
しかしここでもケイコ助手は一瞬一瞬が長く感じた。
相変わらずボン!という音と共に次のワープ先になる。
場所はミネソタ州のデブリンさん家のリビングだ。テレビの真上の壁と天井が織り成す縁から、相変わらず頭から滑り降りている。
「うわー!」
ケイコ助手が恐怖に怯えながら声を上げていると、テレビジョンを視聴していたデブリンさんが気付いて眼をそちらに向けた。
一瞬見つめ合う目と目。そこから始まる恋も……有るわけが無い。本当に一瞬の話だし、デブリンさんの足元に向かって滑り落ちているだけだ。
部屋の片隅で三度ポン!と音がして、やっとケイコ助手のベッドに滑り落ちた。
顔面から落ちて、顔を基準にでんぐり返しをして頚がゴキッと鳴った。思い切り痛む。
「こんなの……イヤ!」
ケイコ助手は確かに8秒程で自宅に辿り着けたが、暑くて気持ち悪いし、ミネソタ州のデブリンさんだ。
ただ、これは帰り道でしかないのだ。
ふとベッドの傍の床面を見ると行き道を指し示すかのように、例のおどろおどろしい穴が口を開けているのだ。
「イヤぁぁぁぁぁ!」
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