桑畑博士の科学的滑り台2
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ベイビーユニバース。それはかつてスティーブン・ホーキンス博士が提唱した宇宙のワープ概念だ。
世界にはこのベイビーユニバースという穴が無数に開いており、陽子や中性子の中に有る素粒子というモノは、その穴を通して違う世界とこの世界を行き来しているという。
つまり素粒子レベルに小さくなれば、ワープは可能であるという理論である。
「で？博士、そのベイビーユニバースをどうやって大きくしたんですか？」
一番助手の北枕助手が桑畑博士に聞いてみた。
「そんなもの。棒を2本突っ込んで拡げたら良いんじゃ。簡単じゃぞい」
「なるほどそうなんですね!?」
北枕助手は完全に腰巾着に徹していた。どんな棒を入れたかなんて聞いてはいけない。
「ウワーン！誰か助けてー！」
もちろん誰も助けない。自分がなったら嫌だからだ。それに天才だからって命までは取らないからね。
ベイビーユニバースの開口部はおどろおどろしい。そこにクリアチューブを無理やり突っ込み、45度近くの急勾配の先端が見えている。
「あー。つまりベイビーユニバースワープを滑り台になるように通したのですね」
北枕助手が何となく納得した。
「その通りじゃ。何せ無数に有るからのぅ。選び放題じゃ。何、3回ワープした後はケイコ君のベットの上に降りるようにしてある筈じゃ」
「イヤです博士！お願いですから助けてください！」
涙ながらに訴えるケイコ助手。それを捕まえる所員は「往生せえや」「南無阿弥陀仏～♪」「さよならサヨナラさよならぁ～ああ～」とか言いながら送り出す。
「ワープは3回有るから気を付けて行くのじゃぞ」
桑畑博士にお尻を蹴られベイビーユニバースで出来た滑り台に頭から放り込まれたケイコ助手。
完全男女平等の研究所なのか、はたまた人身御供に性別を選んで無いだけか？
そんな事考える余地も無く、ケイコ助手は滑り台を滑落し始めたのである。
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