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55 パワーレベリングと水着の美女  ゼン強化?

 ホムラの縄張りに来て数日がたった。


 借りる予定の島で魔物の間引きを兼ねたパワーレベリングも一先ず終わり。

 今はその島の砂浜にビーチチェアを三つ置いて、そのうちの真ん中に俺は寝転んでいる。


 ビーチパラソルで上手い事影に入るように調整しているので、日焼け防止もばっちり。

 そんな訳で今日はお休みなのだ。


 強い魔物を全て倒したこの島は魔素スポットという事もあり、また何かの魔物が湧く事も普通にある。

 だけど生まれたての魔物は弱かったりするので、それは眷属達の経験値にしてしまえばいい。


 何よりこのパワーレベリングで俺のレベルは29まで上がった。

 人の世界なら騎士団の団長に実力でなれちゃうし、冒険者なら一流に手をかけた所だ。


 そしてルナのレベルが26で、もうベテランの冒険者でもトップクラスのレベルになってしまっている。

 ファンファンがレベル32で、シャドウファントム達も全員20越え、ウッドゴーレムも15まで引き上げた。

 さすがにレベルも30近くなるとパワーレベリングでも上がりづらくなるのかね。


 まぁ島もある程度安全になったという事で、こうしてノンビリしている訳だ。


 ちなみにルナはセリィとダイゴとファンファン達眷属を連れて、島の内部に残っている雑魚魔物でのレベリングをしに行っている。

 雑魚といってもオークとかは普通にいるしな。


 セリィ達と俺やルナや眷属達は成り立ちが違う。


 天然生まれのセリィ達は修練すればスキルが生えてきたりスキルのレベルが上がったりするけども、ダンジョンマスターやホムンクルスやダンジョンメニューで呼び出した魔物はそういった事がなく、基礎レベルだけが上がる感じだ。


 そんで俺やルナにメニューでスキルを付与する奴をセリィ達に使っても、その付与されたスキルは修練してもレベルが上がらない。


 なので自然にスキルの上がる可能性を秘めたセリィ達に、高レベルスキルを付与するのは勿体なく感じちゃうんだよね。


 ダンジョンメニューの魔法契約によって俺の眷属になったセリィ達は、野良の魔物を契約で引き込むのと同じで自己修練による育成が有効っぽいんだよな。


 それにセリィ達の鑑定をコアメニューでやったら、セリィは〈記憶術レベル1〉〈計算レベル1〉〈悪意感知レベル1〉〈身体強化レベル1〉〈嗅覚〉を天然で持っていた。


 ……やべぇセリィって才能の塊なのでは? と思ってしまった。

 スキルなんて一つ有用な物が生えてきたら人生が安泰らしいんだけどね……。


 ダイゴは〈身体強化レベル1〉と〈嗅覚〉だけだったが、9歳でスキルが生えているのはやっぱすごいと思った。


 獣人は〈身体強化〉が生えやすいのかもしれないし、〈嗅覚〉は犬系獣人のデフォルトスキルかな?


 とはいえ魔法契約した配下にレベル1のスキルを付与すれば、修練の基本を教えて貰うような物なので、天然の同じスキルが生え易くなるとリアやラハさんに聞いた。


 そこでセリィには〈槌術〉〈気配感知〉を、そしてダイゴには〈槌術〉〈気配感知〉〈悪意感知〉のレベル1を付与する事にした。


 天然でスキルが生えてくる事に期待し、自転車の補助輪をつけてやった感じだ。

 そんな感じで皆はレベリング行き。


 俺はというと砂浜でビーチチェアに寝転び、左右にゴージャス美女と大和撫子美女を侍らしての休憩タイムだ。



「のうゼンよ、やはり休憩には酒が必要だと思うのじゃが……どうじゃろか?」

「ゼン様ゼン様、海辺の乾杯も乙な物だと思うのですけど……どうでしょうか?」



 ただし、挟まれてもあんまり嬉しくない美女達だった。


 いやまぁ、ルナが選んで俺がプレゼントした水着を着てくれているから目の保養にはなるんだけどね。


 ホムラは真っ赤なビキニ水着で、スイレンさんは青いワンピース水着だ。


 ルナのチョイスはさすがだよなぁ……二人共素晴らしく似合っているし、カメラがあったら撮影会をしちゃう所だね。


 ……そういやメニューからカメラも魔道具として買えちゃうんだっけか……。


 いや、やめとくか、何故かリアに怒られそうな気がするし、記憶に残すだけにしとこう。


 左右にいる水着美女の要求が煩くてゆっくり寝てられないので、仕方なく酒を出す事にする。


 上半身を起こしダンジョンコアのメニューで色々と検索を始めると、二人は俺が酒を選んでいるのだと分かったのかキラキラとした眼差しで俺を黙って見つめてくる。


 浜辺で美女にそんな眼差しをされたら男は皆惚れちゃうよ?

 ただし俺にはその眼差しが『早く酒をよこせ』という意味だと分かるので効かないけど……こいつらにセリィみたいな尻尾があったらめっちゃ左右に振ってそうだよな。



 へぇ、トロピカルグラスって結構種類があるんだなぁ……。


 よし、この金魚鉢ですか? っていうくらいの大きさのグラスを買って、ビーチチェアの間に小さなテーブルも出して設置、後はカクテル用の本も買わないとな。


 えーと、ふむふむ、金魚鉢……じゃないトロピカルグラスにかち割り氷をざらっと入れて。

 ラムをドクドクっと、そしてブルーキュラソーってやつをこれくらい。

 んでパイナップルとレモンのジュースっと、グラスに〈温度維持〉がついてるのは有難いね、最後にストローを刺して出来上がり!


「はいどうぞ二人共」


 そう言って俺は左右のテーブルに金魚鉢サイズのトロピカルカクテルを出してやる。


「おおお、なんじゃこりゃ真っ青な酒なのかの」

「はわぁ……海の色みたいですねホムラ様」


 ビーチチェアを上半身を起こす角度に直してから二人は美味しそうにそれを飲み始める、スイレンさんはホムラと楽しそうに乾杯していた。


 俺はどうせおかわり要求が来るのだろうと、ビーチチェアに寝直してから、他のカクテルのレシピを本で確認している。



 その本に興味を持ったのかスイレンさんが俺のビーチチェアに乗り込みながら、添い寝をするような姿勢で本の中を覗き込んでくる。


 近い近い近い、当たってる当たってる、お胸が当たってるからぁ!


 ルナが来たら怒られるから離れてくれ! ……そしてなんかセリィにも怒られる気もするから!


 しかしスイレンさんは俺の要求は一切無視し、さらに密着してきて俺が見ている本を覗き込んでくる。


「ゼン様! キラキラしてまるで海の中の魚やサンゴの色のようですが、これらは全てお酒なのですか?」


 スイレンさんが笑顔でそう聞いてくる。

 だから顔が近いっての……距離感掴めない系ボッチかな?


 一つのビーチチェアに美人とこんな風に密着して座っている男を見たら、リア充爆発しろって言われそうだ。


「……全部お酒だね、そこの海の中ってこんな感じにカラフルなんですか? やっぱサンゴ礁いっぱいの南国の海なのか……所で自分の席に戻りませんか?」


「私の縄張りでもあるそこの海は色とりどりで奇麗なんです、それにしてもすごいお酒の種類があるのですね……ゼン様! 私全種類で乾杯がしたいです!」


 スイレンさんは俺の要求を華麗にスルーしてきた。


 話を聞いて?


「ぶふっ……くく……そうじゃなスイレン、儂も乾杯に付き合おう、ほれゼンよ、はよう作ってくれ」


 俺とスイレンさんのやり取りを見ていたホムラが、笑いを堪えつつ悪乗りをしてそう言ってくる。


 元はと言えばホムラがスイレンさんを放置気味にしてたから、こんな子供っぽい感じのままなんだからな?


 ったく……スイレンさんに皆で乾杯しながら酒を飲む楽しさを教えたのは俺だけどさぁ……この本には30種類以上のカクテルレシピが載っているんですけど……缶チューハイじゃ駄目?


 駄目だよなぁ……仕方ないのでビーチチェアから起き上がり、俺の椅子をスイレンさんに譲り。


 浜辺に大きなテーブルを出してカクテル用の道具をメニューで買っていく。

 ……君ら言っとくけど洞窟の掃除で得た物の代金って言っても無限じゃないからね?


 えーとシェーカーに計量用のメジャーカップにかき混ぜるバースプーン……後それから……。


 ……。


 ……。


 あれ? 俺は今日休みのはずじゃぁ? ……あれぇ?


 色々とカクテル作りの準備をしつつ、なんで俺は忙しく仕事をしているのだろうと思い首を傾げる。


 なんでかなぁおかしいなぁと思いつつカクテルを作るのだが……。

 そういえばと思い出し〈バーテンダーレベル3〉をそっと獲得しておく俺だった。

 こんなスキル絶対に取らないと思ってたんだけどな……。



 ちょいとお高めのカクテル用道具を買ったら色んな効果が道具に付いてきて、妙に美味しいカクテルが作れるようになり……俺も飲んだけどかなり美味しかったね。


 そういやこの世界にカクテルって存在するんだろうか?


 ……カレンさんとかセシリーさんに披露する前に、リアに相談しとかないとアホツル毛で引っぱたかれる気がしたので今度聞いておこう。

お読みいただき、ありがとうございます。


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