表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンマスターの異世界生活  作者: 戸川八雲


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/158

46 宵越しのDPは持たない  ゼン強化&ルナ強化

 ギルドへの報告から真っすぐ家に帰り、借りているお屋敷の倉庫に着いた俺だが、ここに設置した〈ルーム〉の扉を出すのではなく〈非常口〉を試してみる事にした。


 これは緊急時に一方通行で〈ルーム〉に逃げ込む事が出来る物だ。


 〈入口〉のような扉を出す訳じゃなく俺自身が飛ぶ……いや言葉だと説明が難しいな……俺を含む一定量以下の体積の物をフィールドが覆うように包み込んで、それが扉となり〈ルーム〉に行けるという訳だ。


 うーむ言葉にすると分かり辛い、傍目には転移に見えるが俺自身の感覚だと不定形の扉を潜るようなイメージといえば伝わるかなぁ?


 まいいや、取り敢えず。


「非常口」


 スキルを発動させると、俺をどのように包むかスキルが聞いてくる。


 俺からの思考による指示がなければそのまま、指示をだせば自分の近くに置いてある物も多少の体積までは包んでくれるっぽいな、まあ今回は普通に発動っと。


 ――


 現れた先は〈ルーム〉のコアがある部屋だった、そこにはちゃぶ台テーブルを囲むルナとセリィとダイゴがいて、びっくりした眼差しで俺を見てくる。


 やべぇブーツのままフローリングのコア部屋に来ちゃった……設定を変えれば廊下に出てこられるし次はそうしよう。


「ゼン様!」


 冒険用の装備から、ルナに借りたのか可愛いワンピース姿になっているセリィが立ち上がって俺に抱き着いてくる。

 セリィ達を配下にするって俺が言ったから、日本産の良い服を渡したのかもな。


 所で少し待ってくれセリィ、お願いだからブーツを先に脱がせてくれ。

 ルナが掃除してくれている部屋を汚したくないねん。

 ……だからちょっと離れてくれないだろうか。


「びっくりしたぁ……これがゼン兄ちゃんのだんじょんますたぁって奴の力なのか? ルナ姉ちゃん」


「いいえダイゴ、マスターはこんな急に現れるびっくり能力などない普通のヒモマスターなはず……偽物?」


 二人にはある程度ダンジョンの事を説明をしたようだな……ってルナさん今俺の事をなんて言った? 普通のヒモってなんだよ……。


 そしてこんなナイスイケメンなマスターが偽物な訳あるかい!


 取り敢えず、ゼン様ゼン様と俺の名前を延々と呼んでくるセリィを落ち着かせて、自分の冒険者用装備を外す事にした。


 ……。


 装備を外してから俺がちゃぶ台テーブル側の座布団にあぐらで座ると、セリィはその膝の上に乗ってきて、また俺の前から抱き着いて『うーうー』言いながらオデコを俺の胸にグリグリと押し付けてくる。


 そして俺からは頭の天辺しか見えなくなったセリィから、クンクンという鼻を鳴らす音も聞こえる。

 ……それなりに汗かいてると思うから、あんまり匂いを嗅がないで欲しいんだが……。


 そんなセリィの頭を撫でてつつ、背中もポンポンと軽く叩いてあやしてあげながらダイゴに聞いてみる。


「なぁダイゴ、セリィは一体どうしちゃったんだ? まるで幼児退行したみたいになっているんだが……」


 ダイゴは何故か呆れた目つきで俺を見ながら。


「ゼン兄ちゃん……獣人の耳や尻尾は敏感だから親しい人以外が撫でたり触ったりしないんだよ、無理にやったら決闘になる事もあるんだぜ? それなのにゼン兄ちゃんが姉ちゃんの頭を撫でたから、姉ちゃんはいなくなった両親を思い出しちゃったんじゃないかなぁ?」


 獣人の尻尾をモフモフしちゃいけないとはセリィに教えて貰ったが、頭を撫でるのも駄目だったの? いや、耳に手が当たるのが駄目なのかな?


「そりゃセリィには悪い事をしちゃったな……あ……なんか寝ちゃっているなセリィ」


 ダイゴの説明を聞いてセリィの頭から手を離すと、セリィはいつのまにか俺の胸の中で眠っていた。


 泣いたり気を張ったりして疲れただろうし仕方ないな……。


 なんだかルナを呼び出した直後を思い出すね。

 最初の頃のルナはほとんど話が出来ず、自分が伝えたい事を上手く話せないストレスでむずがって泣いちゃって、今のセリィみたいに俺があやして寝かせつけた事があったっけか。


 あの後にアニメとか見ながら俺がたくさん話しかける事で、やっと少し話せるようになったんだよなぁ……。


「後でセリィに謝らないとな」


 俺がダイゴに勝手に頭を撫でた事を反省している事を伝えると。


「姉ちゃんは嫌がってないから大丈夫だよ、ゼン兄ちゃんはもう親しい人の枠に入ってるんじゃないかな、だからこそドラゴンだっけ? あれで死んじゃうかもって思って両親を思い出して慌てちゃったんだと思う」


「そっか……色々思い出しちゃってこんな風になったんだな……そういやダイゴは平気なのか? なんならセリィと一緒に俺の胸の中で泣いてもいいんだぜ?」


 俺はニカっと笑って手を広げダイゴに言ってやった。

 セリィが俺のあぐらの上で寝ているが、ダイゴくらいのスペースはまだあるしな。


 ダイゴはちょっと顔を赤くしつつ。


「な、何言ってんだよ……ゼン兄ちゃん……俺は男だからそんなめめしい事はしないよ! 俺は強くなるんだ! 姉ちゃんも自分も守れるくらいにな! ……それにもし泣きたくなっても、一人で泣いて誰にもそんな姿なんて見せねーよ」


 ダイゴは俺に向いていた顔をフイッとそむけてそう言った。


 何この子、すごいカッコイイんですけど、イケメンショタか? キュンッとしちゃう。


 ……。


 取り敢えずセリィはお布団に寝かせて、二人にドラゴンの脅威はなくなった事を説明する。


 するとダイゴは薪割りの仕事に戻ると言うのでお屋敷に戻した。


 いまだに〈ルーム〉の設置場所は鍵の貧弱な倉庫に設定したままだが、シャドウファントムが3体いるしまぁ大丈夫だろ。


 そういやダイゴは魔物を見ても怖がるどころか、かっこいいと褒めていたな……それを受けて恥ずかしがる影の姿を言葉で説明するのは難しいので割愛する。


 そうして俺とルナはリアの所へ向かった。


 ――


 ――


 庭園に足を踏み入れた俺達を、口喧嘩しているリアとホムラが迎えてくれる。

 まぁ同じテーブルに大人しくついているんだから、ケンカというかじゃれ合というか……というか、帰ってくるの早いなホムラ……。


「そんなだから〈孤高〉なんて呼ばれるのよバーカバーカ、あ、ルナちゃんいらっしゃーい、こっちおいでー」

「うっさい〈日陰植物〉が、この引きこもりがアーホアーホ、お、ルナも無事でなによりじゃ、こっちに来るといい」


 お前ら絶対仲良しだろ……。


 ルナはリアに近しい椅子に座ったので、ホムラががっかりしている。


 いやホムラよ、あれは単にリアが即座にクッキーの入った皿を自分の側に出したからだと思うぞ?


 お前も何かルナが好きな物を出していたら勝敗は違ったと思う。

 というか俺もケーキでも出して参戦するべきだったか?


 俺は仕方ないのでホムラの側に座り。


「予定通りギルドには『ドラゴンに手を出さなければ反撃される事もなさそうだ』という情報を伝えておいたぞ、ウロコの件は後回しにされたけどな」


「ありがとうゼン、これが少しでも効果があると良いのだけれど……やっぱり冒険者がダンジョンに入る方がDP収入が増えるのよね……」


 魔物を倒されても冒険者から放たれる魔素がDP収入になって黒字になりやすいって言ってたっけか。


「ふんっ、冒険者なんておらんでも自分で魔物を倒せば十分じゃわい」


 ホムラの島は冒険者を入れない運営の仕方をしているんだろうか?

 俺にくれた魚だか蛇だかみたいなのを、自分で大量に狩れるのならDP的に美味しいんだろうなぁ。


「貴方は単に冒険者にすら恐れられているだけじゃないの……この寂しがり屋の〈孤高〉が」


「うっさいわい、怖がりな引き籠り〈日陰植物〉が」


 また口喧嘩が始まりそうだ。

 こいつらはほんとに……話の流れを変えるか。


「そういやホムラの助言と貰った魔物のおかげで、コアメニューの拡張機能とかもかなり充実したよサンキューな」


「ん? おお、あの時の話か、そりゃよかったのう、まぁ主要な拡張機能を取ってもまだまだDPは余るじゃろうし、魔素の収入がなくなっても安心……お主はスキルで魔素湧きスポットへ自由に行けるんじゃったな……お節介で貯蓄用のDPを渡さんでも良かったかのぅ……儂のお気に入りのおやつだったんじゃがな……」


 あの魚だか蛇だかはホムラのおやつだったらしい、そりゃ悪い事をしたな。


「そりゃホムラには悪い事しちゃったな、もう全DP使っちゃったけど酒とかは購入しといたからさ、皆で宴でもしようぜ?」


 俺がホムラにそう告げると、あいつは呆気にとられた顔をして。


「お主今なんて言ったのじゃ?」


「ん? 酒を買っておいたから宴をしようぜって」



「その前じゃよ!」


「えーと……全DPを使ったけど?」



「そこじゃぁぁ!! はぁ? 儂は一年分くらいのDPになるかと思って色々落としていったんじゃけど!? 何に使ったらそんな事になるんじゃ!」


「何ってそりゃぁ……あれこれ?」


 ホムラは絶句して俺を見ていて、リアは溜息をついて呆れ顔、ルナはクッキーを齧りつつ。


「さすがうちのヒモマスター、宵越しのDPは持たず足りなくなれば保護者に要求する、そこに痺れる憧れない……マスター私の分は?」


「ルナのスキルの分はちゃんと残してあるよ、使う予定が決まっているから全部って言ったんだ」


「なら良し!」


 俺とルナはお互いに手をグッドマークにして出し合う、うんうん気の合う主従だ。


「なぁ〈日陰植物〉こやつは、いつもこんな感じで後先考えんのか……?」


「ゼンは大体いつもこんな感じだわね、まぁ困ったら私が助ければ良い事だし」


「それはそれでどうなんじゃ……?」


 リアとホムラが口喧嘩にならずに普通に会話しているって珍しいな。

 仲が良いのはいい事だし、俺の事を話してそうなっているんだから……俺のおかげって事だな!




 ちなみに俺が覚えたスキルで入口関係以外は〈魔力感知レベル3〉〈隠密レベル3〉だ。


 たぶん感知系スキルとかを増やせばホムラの進入も、もっと早い段階で知れたとは思うんだよね。


 まぁホムラみたいな強者相手だと、もっとレベル上げないと駄目だろうけど……同じスキルは後で寝る時にでもルナにも覚えさせちゃうつもりだ。

お読みいただき、ありがとうございます。


少しでも面白い、続きが読みたい、と思っていただけたなら


ブックマークと広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★にして評価していただけると嬉しいです


評価ボタンは、作者のモチベーションに繋がりますので、応援よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ