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34 リアに相談、ファンファン雇用 ルナ強化&ゼン強化

「それで仕事をしたいと?」


 ドリアードのリアは俺に向かって問いを放ちつつも、ヒマそうに自分のアホツル毛に生えている小さな葉っぱの剪定をしている。


「ああ、このままだと俺はリアのヒモ扱いにされてしまうんだ!」


 ここはリアのダンジョンの奥にあるいつもの庭園、触れ合い魔物園の芝生の上に俺とリアは向かい合って座っていて、俺はあぐら座りでリアは横座りだ。

 小石とかがまったくないので、芝生に直で座っても大丈夫なのがここの良い所だな。


 リアに力強く思いのたけをぶつけながら、俺はあぐらの上にちょこんと乗っているチビハーピーの毛並みを整えてあげている。


 ペット用のブラシは日本の物を購入して各種揃えてあって、今は小型の鳥用ブラシを使っている。

 チビハーピーが気持ち良さげにキューキューと鳴き声を出す所は可愛いよね。

 機嫌が悪いとそのギザギザの歯で噛んで来るんだけども……。


 その前はチビトレントの枝の剪定をリアに教わりながらやってあげたし、ハーピーが終わったらチビミミックの箱を専用のワックスと布を使って拭いてあげる作業が待っている。


 というか、いつ終わるのだろうかこの作業は……まだまだチビ達が俺の前に並んでるんだよなぁ……。


 最初にチビウルフにブラシ掛けをしてあげてたらチビ魔物達が並び出したのよね、まぁそれは良いんだけども。

 ……問題はチビローパーとか何をすればいいのかさっぱり分からん所なんだ……姫騎士フィギュアとか調達してくればいい?


 リアは自身で確認できる部分のアホツル毛剪定が終わったのか、並んで待っているチビ達の頭を撫でたりしながら。


「扱いも何もゼンは私の保護下にあるでしょう? それの何が悪いの?」


「何がってこのままだとルナにヒモとして見られちゃうんだよ」


 リアはアホツル毛をハテナマークにしつつ。


「だからそれの何が悪いの? 別にルナちゃんに嫌われてる訳じゃないのでしょう?」


 そりゃルナに……あれ? ルナは別に俺の事を嫌ったりしていない……か?


 ヒモと言われたが毎日美味しい手料理を作ってくれるし、俺がlv上げにダンジョンに行く時は応援しながら行ってらっしゃいって言ってくれるし、疲れて帰ってくれば肩を揉んでくれる時とかもあるし……。


「あれ? 俺は別にルナに見捨てられたりしている訳じゃない……か?」


「見捨てられたらルナちゃんはうちで引き取るのにねぇ……ルナちゃんは貴方の世話をするのが大好きなのよ、まぁそれがナビゲーターの本能でもあるのだけれども、それでも扱いが酷ければ離れていく事もあるらしいわよ?」


 まじか! 俺は絶対にルナに酷い事はしないから大丈夫とはいえ怖い話だ。


「うーむ……それでもな、こう……仕事の出来るナイスガイなマスターに見られたいというか……」


「この間のギルド内オークションで結局銀貨400枚近く稼いだのでしょう? 十分仕事が出来ているじゃないの……私から借りたお金も返済しているし、それじゃ駄目なのかしら?」


 俺はチビミミックの箱全体を布で拭きながらリアに返事をする訳だが、ってこいつも随分重くなったなぁ……おやつのたびに銅貨をあげてるからかな。

 そろそろ箱の中身がいっぱいになっちゃわないか? そのうち銅貨を銀貨に両替してやらないとな……おはじきとかをあげるのもいいな。


「表の商売はそれでいいとしてだな、ダンジョンマスターとしてがどうにもな、家を借りられたおかげで多少のDP収入はあるけども……時給10DPとかなんだよね」


「プッそれは酷いわね、まあダンジョン側の街だとそんな物よね、魔素もこっちに流れてきちゃう分があるのでしょうね、ちなみに私は1秒で10DP以上稼げちゃうけどね」


 そりゃな俺がこのダンジョンの深く、つまりここの庭園なんだが、魔素の湧きスポット近くで扉を開けば一分で1DP以上入るんだもの、リアの収入はもっとすごいんだろうさ……。

 ダンジョンの維持や運営に経費がかかるから、すべてが残る訳じゃないんだろうけども。


「そういやリアのダンジョンって冒険者ギルド的にはこの大陸でもそこそこ有名らしいよな、100本の指に入るか入らないかって所だとか冒険者ギルドの受付嬢さんが言ってたぜ」


「それは人間的価値の話よね? ……ゼン、これから言う話は他でしちゃ駄目よ? 私のダンジョンで押さえている魔素の湧きスポットはこの大陸でも5位以内に入るからね? ただし周りにはそこそこの湧きスポットだと思わせているのよ、だからダンジョンの規模も抑え気味にしているの、他のダンジョンマスターに狙われると面倒だからね、余ったDPは表に出さない戦力や貯蓄に回しているのよ……なのでヒモの一人や二人どうとでもなるから安心しなさいな」


 リアが何かすごい秘密を教えてくれた……おいおい……俺が知らなければ漏れる事もないだろうに……ヒモから脱却したい云々の話のせいか?

 リアに悪い事をしてしまったな……よし。


「なぁリア、ちょっと俺の前に座って背中を向けてくれよ、リアが見られない部分のツル髪の毛に生えている色が悪い葉っぱを取ってやるからさ」


「急にどうしたの? まぁいいけどね……これでいい?」


 チビ達には悪いがちょっと順番変更だ、拭き終わったチビミミックを横に置き、俺に背中を向けて座っているリアの細い細いツル髪の毛を、一本一本丁寧に色落ちの葉っぱが無いかを確認していく。


 ふんふんふ~んとリアは何かご機嫌で鼻歌を歌っている。

 なんだかドリアードの鼻歌とか魔法的効果がありそうだよな。


 しばらくしてリアの鼻歌が急に止んだと思うと。


「そういえばルナちゃんは今何してるの?」


 背中を俺に向けているリアがルナの事を聞いてきた。


「ルナは今樹海ダンジョンでレベル上げ中だよ、従業員2号な獣人娘の話はしただろう? あの子と一緒に浅層でスライムとかゴブリンとかを相手にしているはずだ、ルナに常識や知識の現実的な補完をするために獣人の子とは一緒に行動させているんだよ」


 会話が出来る相手が側にいた方が常識の学習とかも早いだろうしな。


 む、この葉っぱは色落ちしているな、プチっとな。


「それ、大丈夫なんでしょうね? ルナちゃんが怪我をしたら怒るからね?」


 勿論ちゃんと準備はしたさ。


「大丈夫だよ、この間リアに魔物を譲って貰っただろ? 一番強いあいつをルナの護衛につけている」


「あー家の警備や護衛とかに必要って言ってた奴らね、あれならまぁ……今のゼンよりかは強いか……うん安心したわ」


 結局家の警備用にリアに頼んでシャドウファントムを4体都合して貰ったんだよね、〈影魔法〉を使う影に住める亡霊みたいなやつでさ、スキルとかもある程度増やしてあって、さらに一匹だけスキル盛り盛りになってしまった。


 ルナが過ごす家の護衛ならってんで、リアがちょっとはっちゃけ過ぎたんだよな……。


 ついでに俺とルナ両方共に〈悪意感知レベル3〉〈気配感知レベル3〉を持つ事にした。

 さらにルナには魔物を護衛につけるために〈テイムレベル2〉も覚えて貰った。

 まあ魔物がばれた時の偽装用だね。


 レベル3くらいまでだと必要DPも低めだし取得も楽なんだよね。


 特にあれだよ、ダンジョンメニューオークションの天然粒石が確実に売れるのが美味しいんだ。

 コアレベルが上がって出品枠が増えたせいで稼ぎも上がって来た感じ。

 相変わらず入札は105DPとかそんな感じなんだけどね、相場が決まっているのかもな。


 ちなみに一番強いシャドウファントム……ルナは『ファンファン』と呼んでいるが、そいつは普段ルナのスカートの中の影にいる。

 ……見た目は影だし姿かたちも色々変えられるし……あいつには性別とかはないと思うから倫理的には大丈夫だと……思う。


 さて、作業の続き続きっと……丁寧にかつ早くしないとな、俺の背中にチビヒポグリフが頭をグリグリと押し付けて早くしてーと催促してきてるんだよ。

 ……ちょっと待っててくれ、もうすぐリアのツル髪の毛のチェックが終わるから、そうしたら君のこともブラッシングしてあげるからな。


 ちなみにチビローパーは、俺の視界内で触手をフルフルとさせる謎の踊りを見せてくれている……。


 あれは催促なのか俺の踊りを見ろーなのか、それともおやつをねだっているのか……誰か通訳してくれ……俺にはチビローパーの言いたい事が分からんのだ。

お読みいただき、ありがとうございます。


動物の子供ってどうしてあんなに可愛いんでしょうねぇ……動物園の生まれた動物の子供とか抱っこ出来る奴あるじゃないですか、本人にとったら何人にも抱かれたりでストレスのかかる行為なのかもしれないですが私らにとったらやっぱり可愛くて抱っことかしに行きたくなるよね……。


っと宣伝宣伝、少しでも面白い、続きが読みたい、と思っていただけたなら


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