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よろしくお願いいたします
その後、目が覚めたら病院だった。
それからいじめは全くなくなった。
腫れ物に触るかのような居心地の悪さの中、小学校生活は終わった。
その後、何度もその公園に出かけては彼女の家へ行ったが会うことは出来なかった。
あの日からしばらくして引っ越していたらしい。
あの日の彼女のあの現象を思い出しては、胸が締め付けられるように痛んだ。
高校生になって彼女と再会した。
色素の薄い髪と瞳はあの日よりツヤを増して美しくなっていた。寡黙さと相まってさらに神秘的な雰囲気だった。
訪問販売の押し売りのように話しかけ続けるうちに、少しずつ打ち解けてくれた。
彼女は酷い虐待の被害者で。
あの日僕が警察に言ったことで虐待が発覚し、施設に入ったらしい。
再会してあらためてリフレクションという現象を目の当たりにした。
体育の授業で突き指した子を見れば、指を腫らして。
美術の授業中、彫刻刀で怪我をする人がいれば美也子も怪我をして。
誰にもバレないようにとこっそり手当てしていくうちに、人の痛みを背負っていく彼女がたまらなく愛おしくなった。
もう傷つかないように。
いつもどこか寂しげな彼女を優しく、幸せで包んでいけるようにと。
そして高校生活の終盤、なんとか恋人に昇格した。
それから何年も経った。
美也子は高校卒業後ネイリストになり、僕は大学を経て社会に出た。
そこから両親を説得し、やっと同棲までこぎつけた。
彼女は時折、悲しそうな目で僕を見た。
「私に、そこまでの価値なんてないよ」と。
ありがとうございました