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3作目です
よろしくお願いいたします(:D)┓ペコリンチョ
毎朝、彼女のじっとりとした視線を感じながら朝食を作っている。
「もうすぐ出来るから、座って待ってて」
「…うん」
温めたフライパンに溶いた卵を流し込む。ジュクジュクと出てくる泡を箸でつついて潰していく。
「今日はオムレツ?」
「うん。好きでしょ?」
手首を反しながらオムレツの形を作る。
「…うん。火傷、しないでね」
ふっくらと焼きあがったオムレツをお皿に移す。
「大丈夫だよ。心配しな…っ!」
熱したフライパンが手首に当たってしまった。
痛みを堪えながらフライパンをコンロの上に戻した。
「ほら、だから言ったのに」
彼女は僕の手首を掴んだ。
蛇口を捻って、勢いよく流れだした水で僕の手首を冷やしていく。
「…離して」
「…」
「美也ちゃん! 見ないで!」
僕の火傷をじっと見つめる彼女を怒鳴りつける。
それでも彼女は、美也子は止めてくれない。
「…いたっ」
やがて小さな悲鳴とともに、彼女の手首に火傷が浮き出てくる。
僕の手首と同じ箇所だ。
「ふふ…おそろい」
「…」
アクセサリーのように見せつけてくる美也子の嬉しそうな顔とは真逆に、彼女に怪我を写してしまったことへの罪悪感で苦い顔をしてしまう。
「どうして…」
「ん?」
ポツリと出た言葉を必死で飲み込む。
「…なんでもない」
ありがとうございました