リイズafter
あらすじ アルミンが怪しい子供とお話し
友人にブ◯ーチ以上に話が進まないねと言われたので、次の章はもっとサクサク進めて行きたいと思います。
「これは…なんともまあ派手にやったでござるなぁ」
委任執行官として政府に属するライドウは今、リイズ近辺に出没していた奴隷狩り達と繋がっていた罪を問う為諸々の取引を主導していたカーマスという奴隷商人の館を訪れていた。
街に常駐している保安官達は嘆かわしい事に賄賂を受け取り、この男の所業を見逃していたらしい。
全員に自分が国のお偉いさんから直々に命を受けやってきた者だと話すと、皆一様に顔を青ざめさせこの一件に関わった商人達の検挙に動き出している。
しかし、今更ゴマスリをした所で首を切られる事は確定だろうが…。もしくは物理的に首が飛ぶか、荒縄と心中するかの違いでしか無いとは思うが態々口に出したりはしない。
折角自ら率先して働いてくれているのだ邪魔するのは野暮というものだろう。
それよりも問題なのは目の前に広がる真っ赤な景色だ。
人間の頭部が砕け、撹拌され泡立つ流体となっている光景は、血に慣れているライドウであっても少しだけ眉を顰めてしまうほどのものであった。
飛び散る液体を避けながら頭部を無くした事態へと近寄る。
死体を観察すると、その死体が真っ赤に血で汚れてはいるが仕立ての良い高級な服飾を身につけている事、足に何やら枷のような物がはめられている事などに気がついた。
頭部以外に目立った外傷がない事から、この一撃で彼の命が儚く消え去ったのだ理解する。
「仏さん随分豪華なおべべを着ているでござるなぁ…」
奴隷達の血を啜りながら生きてきた男の事を軽蔑するようにそう吐き捨てた。
首のない死体のかつての名はカーマス。
ライドウが事情聴取のため訪れたこの館の主人である。
ライドウの国には奴隷制度は存在せず、価値観の違いから若干の嫌悪感を抱いてしまう彼だったが。仕事には関係のない事だと割り切り現場の検分を続けた。
「十中八九、殺ったのはバ…ハドソンでござるよなぁ」
律儀に心の中であってもあの怪しい仮面の男はハドソンと言い切るライドウ。
(忠告を無視して何かしらのトラブルに巻き込まれた結果、カーマスを殺す事になったって事でいいんでござろうが…)
問題はハドソンが能無である事。カーマスという男が実力者として名の通った魔術師である事。
(加えてカーマスには数名の護衛が付いていた。それを無力化しつつ主人の命を奪う事は魔法が使えない能無で無くとも難しい…にも関わらずハドソンは事をなしている)
あの者も魔力などでは測れない尋常では無い力を秘めているのかもしれない。
となると少し厄介な問題が浮上してくる。
上司の命令はこの街の調査の他に人探しがあった。
黒髪の整った顔立ちの男、そして能無である事。
能無であるバジルに出会った際勿論彼の脳裏にこの命令がよぎったが彼の性別が女性だと疑いもしなかった彼はその考えを消していた。
しかし、この奴隷商で話を聞いてみて看過できない事聞いたのだ。
先の想像通り、バジルはこの奴隷商に囚われていた。そして彼の取り調べを担当していた男はこう話している。
「あいつは男だぜ?間違いなくな」
魔法の力に秀でた者を殺せるほどの実力を持ち、能無であり、女性にしか見えないがその容姿は間違いなく整った部類で、しかも男である。
あの上司が探している人間というのはバジルで間違いないのではないか。
あの上司はあまり望み薄かったからか、それとも面倒だっただけなのか(後者のような気がするが)探し人の名前を聞いていない。
この通信ようの魔道具で確認をすればそれはすぐにはっきりする事なのだが…。
「やめやめ、自分から態々嫌な方向に足を突っ込む必要はないでござる」
触れかけた水晶をそのままにしライドウは部屋を後にする。
諸々の後始末は首都から派遣された者達が行うだろう。
自分にそんな業務は向いていない。それはあの忌々しい上司も、自分も、それは理解している事であった。
委任執行官としての自分、刀を振るしか能が無い自分に出来ることなど初めから分かりきっているのだ。
もし自分が気づいてしまえば折角できた友人を失ってしまうことになる。今急いでも何も得をしない
どうせ、首都に着けば全てははっきりするのだ。
ライドウの仕事にバジルが関係ないければそれで良し、もし当事者ならば…。
「少し、旅のペースを落とすでござるかなぁ…」
そう呟くライドウの横顔は何処か寂しそうであった。
ありがとうございました!!
少しでも続きが気になったらブクマや批評コメントの方を是非ともよろしくお願いいたします!!!




