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花たちは今日も元気に咲き誇る  作者: 椿想香
秋 遠方にいる貴女を想う
77/89

75作戦会議5

視点は紅蓮、三人称です。


遅くなってしまい、申し訳ありません…

「君たち、体調はどうだ?」

「元気でーす!」

「大丈夫です。」

「わ、私も大丈夫です」

「僕も大丈夫です」

「…大丈夫です」

「それなら良かった」

理事長がそう言うと、柊が立ち上がった。

「良かった?何が良かったのです?今は桜が」

「柊、落ち着いて」

「……彩芽」

柊が椅子に座ると、また部屋に沈黙となった。

「…理事長」

すると今度は白蓮が手を上げた。

「どうした?白蓮君」

「まず最初に、謝らせてください。僕がもう少し決断を早くしたら 」

俺は白蓮のその先に言う言葉を阻止するように言葉を重ねた。

「白蓮、それは違う!!俺があいつの狙いや白蓮のことに気付けなかったから、白蓮の足を引っ張り続けた。だから悪いのは全部俺だ!!」

「いや、これは僕の心が弱かったからだよ。弱かったからアリウムに付け込まれ、紅蓮を信じきれなかった。だから…」

「はい、そこまで」

「アヤ?これは俺が…」

白蓮に言い募ろうとしたら、アヤが間に割り込んだ。

「それ以上続けたら柊もすみれも参加して、ここが謝罪会になっちゃうよ。今はそれをすべきではないと分かっているでしょ?みんな」

「う…」

「鋭いわね、彩芽」

「そうですね…」

「……」

アヤは俺たちが大人しくなってから、理事長の方を向いた。

「理事長〜〜今集まったのは桜を奪還するための作戦会議ですよね?」

「…そうだな、彩芽君。(こいつスゲーな。こいつ自身も罪悪感があったのに顔に一切出さないなんて…)」

「それで、俺たちもこの会議に参加して良いのか?一応元スパイなんだけど?」

俺は自分の立場を理解しているつもりだ。だから理事長に聞いてみたのだが、聞かれた本人は何でもなさそうに答えた。

「ああ、君たちが黒ユリからのスパイだとは元から知っていたよ」

「「「「「え?」」」」」

「まぁ、桜が連れ去られることは予想外だったけどね…あっはっは」

(いやいや…)

理事長の発言に、几帳面な性格の柊が思わず突っ込んだ。

「……理事長、もしかして紅蓮と白蓮の心をすでに読んでいたのですか?」

「ここの入試の最後に面接があっただろ?そこでいつも読んでいるよ」

確かに、俺たちも試験を受けたが、面接の時の理事長は眼鏡を外していた気がする。

「つまり……最初から知っていて入学を許可したのですか?なぜ、です?桜を狙っていると分かっていたのに!」

白蓮は畳み掛けるように疑問をぶつけた。俺も大体同じようなものだったので視線を理事長にぶつけた。

「んーー理由か………俺が『大丈夫』だと思ったから、で良いか?」

「良くね~よ!」

「あ、アヤ落ち着いて!その気持ちは私も分かるけど…」

「いーや、すみれ。結局桜が連れ去られたのだから良くないの!」

「私も珍しく彩芽と同意見だわ」

ついに耐え切れずにアヤと柊は立ち上がった。

「はぁ……今回の事は俺が油断していたから起きてしまったのは事実だ。だが、この二人を入学させたことには後悔はない。君たちも別に紅蓮と白蓮を責めたいわけではないのだろ?」

(けど、俺には責任の一部あることに変わりはない。アヤたちは俺たちのことは許さないだろうな…)


「「「はい!」」」

「「!?」」

「だって悪いのは、二人に命令したアリウムっていう奴じゃん」

「そ、そうです!白蓮さんと紅蓮さんは悪くありません!」

「私もそう思うわ……それよりも今は桜でしょ?」

「いやいや…でも」

「ということで、君たち二人も協力してもらうよ?こっちに寝返ったんだから」

理事長は凄い笑顔で言い切った。アリウムと同じような拒否権がない状況だけど、なんだか嬉しく感じた。

「白蓮!」「紅蓮」

俺は理事長と協力すると、白蓮に言おうと向き合うと、白蓮も同じような顔をしていた。

(ははは……こういう所が双子なんだな)

「理事長、俺たちにできることがあれば言ってください!」

「できる限り、僕たちも頑張ります!」

「よし! まとまったところで、話を進めるぞ?」


理事長はみんなの顔を見てから、話し始めた。

「……当初この作戦は白ユリ団員だけで実行しようと思ってたのだが」

「それは……」

理事長の言葉に対し、みんなが抗議をした。

「はいはい、分かっている。それは君たちの為にならないと思ってな、俺が変更したんだ」

「……しかし、私たちは学生です。白ユリ団の足を引っ張ると思いますが」

「柊君の言うことはもっともだ。」

それはそうだ。白ユリ団は毎日訓練を行っていると聞いている。学生の俺たちが適うわけないし、邪魔にしかならないと思う。

「が、君たちはそう言って大人しくしてくれるかい?」

「「「「「…………」」」」」

「……おそらくあの3人、スターチス・カトレア・安須田に頼むだろう? 無理矢理ついて来ることを阻止、かつ君たちの気持ちを考慮して、君たちをこの作戦に巻き込んだ。

 ということで君たち全員、覚悟は良いかい?」

「「「「「はい!!」」」」」

俺はこのジニアという男を甘く見ていたかもしれない。魔法は確かに凄いが、この男はそれを上手く活用してより良い方向へ導いている。

(これがリーダーの素質ってやつなのか?)


「良い返事だ。

 それじゃあ作戦を話すよ」


〜〜〜


「つまり……黒ユリが拠点とする島は遠くて、途中まで船で行きそこから転移魔法で翔ぶのですね?」

「ああ、今までもあの島まで魔法だけで行けた奴はいないらしい……」

「え?でもあっちの黒ユリさんは来ましたよね?」

「そう……そこなんだよ!」

突然、理事長が声を荒げた。

「理事長の話では、アリウムは『炎を操る魔法』つまり木蓮と似たものですよね?」

「ああ、だかあいつは明らかに複数の魔法を保持している!」

「炎の魔法……転移魔法……」

「それから契約の魔法だね」

白蓮を傷つけた非道な魔法。

(あいつ、強すぎじゃね?)

「おそらく、まだ私たちに知られていない魔法はありますね」

「……ああ。だか、さっきも言った通り、今回の目的は桜奪還。アリウムを討伐するのは次の機会にした方が良い。」

「わ、分かりました。とにかく、私たちは桜を助けるのですよね?」

「そうだよーすみれ!……絶対みんな無事に白ユリへ帰ろうね!」

「そうね…私は桜にまだまだ言いたいことはあるし…」

「僕も迷惑をかけてしまった分を取り返せるように頑張ります!」

「俺も、」

スパイだと明かしてから桜に会うのが怖いけど、今はそんな時ではない。


( 桜にどんなに罵られようと、嫌われようと、俺は桜を助けて、また会いたい!

 これ以上、大切な人をアリウムに取られてたまるものか!!

 絶対に、助ける!助けてみせる!


 だから、桜。俺を恨んでいても失望していても良いから、またあの花が咲いたような笑顔を俺に見せてくれ……。)


「絶対に桜を助ける!」


「皆、良い顔つきになったな〜。

出発は今日の夜。準備はそれまでにしておけよ?」



__生徒たちは一人の友を救うため、それぞれがそれぞれの方向に走り出した。



 これが桜が失踪した直後の話。



 数日たった今、白ユリの船は転移魔法で黒ユリが拠点とする島まで翔べる範囲に達したのであった。


「彩芽君、桜君に伝言は届けられるか?」

「はい!今ラス君があの島についたので後は大丈夫です!」

「よし……では皆、作戦は頭に入っているな?彩芽の友が帰ってきたら作戦開始だ!」

「「「「「「「「「「はっ!!」」」」」」」」」」

じ、次回こそ、予定通りに頑張ります!

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