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花たちは今日も元気に咲き誇る  作者: 椿想香
秋 遠方にいる貴女を想う
73/89

71黒ユリでの生活1

視点は桜です。

急にシリアス?入ります。

ポタ……ポタ……


(雨の音?いや、雨漏れしているのかな?)


ポタ……ポタ……


(でも寮はそんなに古くないし、雨漏れなんて……)


薄く目を開けて見ると、石畳の天井が見えた。

「石!?」

叫びながら勢いよく起き上がった。


ジャラ……


「ここってどこなの~…………それよりも私の足…!?」

片足に違和感があり、目を向けてみると鎖で繋がれていた。

目線を周囲に移すと、どうやら私はベットと小さな机しかない殺風景で、一面が檻になっている部屋?にいた。窓_と言っても石がポッカリと空いているだけ_は人間が通れるほど大きくなく、ただ空が見えるように上の方にある。


(おそらく、牢屋っていう予想は間違えてなさそう…鎖は檻から出られないぐらいの長さだし……

あーー今手元に刀があればこんな鎖ぐらい斬れるのに!!)

無い物ねだりを声にだそうと口を大きく開くと、


ガチャ…


誰かが部屋に入ってきた。

部屋とは、私が今居る牢屋では無い。_つまり、そこそこ広い部屋の中に牢屋がある、という事だ。

私は檻越しに扉の方を見ると、黒いフードをとったシオンがいた。

(……驚いた。)

彼女の素顔を見たのは初めてで、あんなに強い敵が私と年が近いとは思わなかった。


「…起きてた…!」

どうやら驚いているのは私だけではなさそうだ。

そんなことより……。

「何で黒ユリテトラのシオンがいるの!?」

「……?」


あれ?私、今日はアヤたちと街で遊んで……。それからお墓に行って大会の結果を報告しようと向かって……あ、途中で紅蓮に会ったんだ!………それで?何したの?



「……ここは……黒ユリ。

黒ユリが拠点とする島の中心に建っている……城」



「はあああぁぁ!?」

「……静かに…」

「あ、はい…すみません」

(敵地に自分がいると突然言われたら、誰だって叫びたくなるだろう!?

いやいや、どうしてこうなった!?)

「………ボスが貴女を連れてきた」

「あいつが!?……いやそれ誘拐だから!!」

「……落ち着いて……声が響く…」

「すみません………」

とりあえず今の時点で分かることは、私はアリウムに連れられて黒ユリにいるってことだけ。そうなると、紅蓮たちは?

「ねぇ、……シオン、さん?

紅蓮たちはここにいるの?」

「……紅蓮と白蓮とその他の人はここにはいない」

「え?でも紅蓮と白蓮って…」

あの二人は確か、黒ユリから来たスパイ、だったはず。任務は私の監視だったらしいしもう白ユリにいる必要はないだろう。

「……気を失っていたからか……」

「???」

シオン、さんは小さく何かをつぶやいたが、よく聞こえなかった。

「…何でもない………あの後、貴女を賭けて試合をした」

「私を賭けて?」

「白ユリ側が勝ったらボスが貴女を諦める……黒ユリ側が勝ったら貴女を連れ去る…」

「それって………白ユリ側が負けちゃったってこと!?」

…柊、すみれ、アヤ、何か私のせいでごめんね?

「そう……結局、紅蓮と白蓮が裏切って白ユリ側へ行ったけど……試合はこちら側の勝利」

「え!?裏切り?」

「……あの二人は親の(かたき)であるボスを恨んでいたから…」

「敵!?」

なるほど、黒幕はアリウムだったのか…。

二人で白ユリ側へ行ったということは、もしかして本当の意味での仲直りができたのかな。

(良かった…)


私が頭で整理し終えると、間を置いてシオンさんが口を開いた。

「……ボスは貴女の血を望んでいる……提供する気はある?」


「……ぷっあはははは、シオンさんって冗談言えるんだね?」

私は涙を拭いながらシオンの目を見た。

「………冗談ではない……ボスからの命令」

それに対し、シオンは何も動じず、ただ見返した。



「あー本当、笑えないね…」

私は、顔から表情というものが流れ落ちるのを他人事のように感じた。

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