70契約と取引結果7
視点は、柊、紅蓮です!
シオン様の戦闘シーンは、今回少なめです…
「シオン、そろそろ試合を終わらせろ」
「…了解…ボス」
「いやいや三人相手に…!」
「アヤ!っ先程までは手加減していたのね」
「ま、負ける訳には…」
アリウムの命令を聞いた途端、先程まで接戦だった私たちの戦いは一気にシオンに押され気味になった。
アヤが吹き飛ばされて動けない様子なので、今は二人対一人。しかし、すみれの攻撃はすべて避け、私の攻撃は軽く流される。
「こうなったら!」
シオンが避けた先で、彼女を囲むように魔法を使う。そして、上からすみれの氷の槍。これなら避けることはできないはず、だと思った。
バサ…
「…切れば…いい」
シオンは氷と水を斬った。やったことはそれだけなのに、すみれの槍はすべてシオンを避けて地面に刺さっていた。
「狙ったはずなのに…」
「…これ槍と槍の間が近すぎたからかしら?」
「……そう…」
「柊さん?」
「おそらく、斬った氷の破片を私の水で反射させて、残りの槍に当てることで進行方向をずらした…ということね」
「そんなことって…」
「ええ、普通は無理よ」
(さすが黒ユリテトラということね…)
敵の凄さに圧倒されていると、シオンが一気に距離を縮めてきた。
「すみれ!」
「っ…」
ドサッ…
腹に拳を一つ。
すみれが気絶してしまったので、私が今まで以上に頑張らないといけない。
改めて気を引き締めたのに、それは無意味に終わった。
グサッ……
「……遅い…」
「はや、すぎる」
私は後ろから刺された。海の時も後ろを刺されたので私は後ろまで気がまわっていないのだろう。
一人反省して、私は目を閉じた。
(ごめんなさい、桜)
◇◇◇
「…シオン様、相変わらず強いな」
「…そうだね」
「……二人とも…敵?」
シオンは俺たち二人にそうたずねた。
「シオン、その二人もさっさと片付けろ」
「…了解…ボス」
奴はすでに白蓮を見捨てていたような発言に、怒りを覚えた。
「絶対負けない!」
「…先に…紅蓮」
「おっと…」
シオンは小刀を向けていきなり突進してきた。俺は槍を地面にさして亀裂を入れるが、シオンは飛び去ってすぐにナイフを投げてきた。
俺は槍で全て壊すと、目の前からシオンは消えていた。条件反射でその場から飛びのくと、さっきまでいた場所にナイフが刺さっていた。
「……はぁ…」
ため息が聞こえた気がしたので俺はその方向に突進すると、小刀を構えたシオンが向かい撃ってきた。人は目を狙われると反射的に目を閉じてしまう。シオンはその隙をついて槍を蹴り飛ばし、俺の首に小刀を添えた。
「ジニア……これは俺の勝ちだな?」
俺はアリウムの望み通りにさせたくなくて、シオンの腕を捻ろうとしたら、顎に蹴りを食らい、膝を地面に付けた。
「くそっ…」
「……次…白蓮」
「っ……」
白蓮は普段シオンに気を使っている。なぜなら俺たちの直属の上司みたいな存在だからだ。
そういう訳で白蓮はシオンと戦うことに一瞬戸惑い、結果シオンは白蓮の目の前に小刀を突きつけ、白蓮は申し訳なさそうにゆっくり両手を上げた。
「……そうだな」
理事長はそれだけ言うと黙ってしまった。
「じゃあ、約束通り桜はもらっていくからな。
……今日は気分が良いから特別に白蓮は置いていってやる。紅蓮は白蓮に勝ったからそいつの契約は破棄してやるよ」
「!」
奴は懐から一枚の紙を取り出した。
「け、契約書だ…」
白蓮は信じられないような目でアリウムの手元を見つめていた。
すると、奴はその紙を一瞬で燃やした。
炎に飲み込まれた紙はすぐに塵となり消えた。
「ぁあああああああ゛…」
紙が消えたと同時に白蓮が突然苦しみだし、気絶した。その額には汗がびっしょりとついていた。
「白蓮!大丈夫か?
おいアリウムっ!!白蓮に何をした!!」
奴はこちらをチラッと見て嗤った。
「契約を破棄しただけだ。
ただこの魔法は契約者に見えない鎖が巻き付く。契約したときと契約違反したとき、そして契約を破棄したときに契約者を締め付けるのさ。
あーもちろん、この魔法を使う俺には鎖は巻き付かない。はっはっは、なんて愉快な魔法何だろうな?」
「ッ……お前、いい加減にしろよ。これ以上白蓮を嗤な!!」
「ははは、気が向いたらな
シオン、桜を連れて来い
それじゃあジニア、今日はこれで失礼するよ」
アリウムはゲートに向かった。
「桜!!」
___ゲートが跡形もなく消えたあと、路地裏は先程と打って変わり、重い空気に包まれた。
ジニアは顔をしかめ、紅蓮は怒りをあらわにして、桜が消えた所を見ていた。
来週、やっと主人公登場!!(予定)




