66白と蓮とフード3
紅蓮視点です。
恐ろしく短いです……すみません( ;∀;)
「紅蓮、……」
桜は何か俺に言おうとして、言葉が見つからなかったのかそのまま口を開かなかった。
桜の目は意外にも冷静さがあり、俺に対して怒りの感情が見当たらなかった。
(なんでそんな目でいられるんだ?
黒ユリに協力している俺が憎くないのか?
桜をだましていたことに何も思わないのか?
……どうせならこの俺を責めてくれ
幻滅してくれ
憎んでくれ
そうしたら俺は、この気持ちを……
いや、桜にどんな風に思われようと変わらないのかもしれないな)
「紅蓮?君は…「白蓮!!」 っ…」
「俺はもう覚悟を決めたんだ!
(桜への気持ちを隠すことと、………白蓮と一緒に黒ユリから抜けることを!!)
白蓮…お前はどうするんだ?」
「僕は……」
「紅蓮」
突然、俺の意識は白蓮から隣にいるフードを被った少女に持ってかれた。
名前を呼ばれただけなのに、全身が凍ったように動けない。
「貴方は……黒ユリを…裏切る気?」
シオン様はあまりしゃべらない。
だから彼女の話はとても端的である。
「ああ、そうだよ!!」
俺は恐怖に打ち勝つためにわざと大きな声をだしたが、
「そう…」
簡単に返されてしまい、肩透かしをくらった。
もう少し何かあると思ったが何も無かったので気を緩めた瞬間、シオン様は一言口にした。
「紅蓮……さようなら」
グサッ……
気づいたときには、目の前にシオン様がいて、何も反応ができずに横腹辺りに熱を感じた。
隙間風が俺の背中を撫でるように吹き、目の前のフードが外れて、ついでに隠れていた三つ編みにされた黒髪がなびいた。
相変わらずシオン様は無表情で、眼鏡ごしでこちらを見上げているのを見て顔をしかめた。
「紅蓮!!」
(白蓮はいったい何を迷っている?
本当はそっち側にはいたくないはずなのに、なぜ白蓮はあいつに従うんだ?
……俺ではお前の力にはなれないのか?)
白蓮は必死な顔でこちらに向かって俺の名を叫んだが、俺は声ではなくて血を吐いた。
バタンッ…
(背中が痛い…横腹が熱い…)
一人苦痛と闘っていると、頭の方から声が聞こえた。
「おいシオン!俺無しで何面白そうなことをしているだ?
せっかくだし、俺も混ぜろよ?」
それは、憎くて、恐ろしくて、今最も聞きたくない声であった。




