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花たちは今日も元気に咲き誇る  作者: 椿想香
秋 遠方にいる貴女を想う
57/89

55各々の役割2

視点は桜です。

特別教室A(白ユリ団員が会議室として使う部屋の一つ)

「桜さん、彩芽さん、木蓮さん、茜さん……四人全員揃ってますね?では、今から『ミナバシ大会決勝戦』の当日の流れについて話をします。

まず、ここにいる四人は学園祭後半にある決勝戦に出場するので、当日は準備運動をしっかりとしてください。

それから、決勝戦のルールと開催場所は変更なしです。試合状況は生中継されているので、心構えはしておいてください。

ここまでに、何か質問はありますか?」

「一つよろしいですか?」

「どうぞ、彩芽さん」

「学園祭当日の前半は、私たちは何もしなくて良いということですか?」

「そうですね、各自決勝戦に向けて準備をする以外は特にないので、学園祭を楽しんでください。」

「ありがとうございます。」

「他には?………なさそうですね。

では、続いて試合前後についてお話しします。」

~~~

「話は以上です。当日、皆さんの力が出し切れるように祈っております。」

「「「「ありがとうございます」」」」


私たちが特別教室から出ると、アヤが茜さんに話しかけた。

「茜さ~ん!!花火大会ってやっぱり「彩芽さん……それって今聞くこと?」」

「え~~だって気になるんだもん」

茜さんと鈴くんは付き合っていることをみんなに内緒にしているが、ミナバシ大会の後アヤと茜さんは仲良くなったのでアヤは知っているらしい。

「はぁ、お察しの通り鈴を誘おうと思ったのだけど……その……」

「どう誘えば良いか分からないってこと?」

「……」

「無言は肯定だよ、茜さん」

「桜さんまで……そんなに人の恋愛って面白い?」

「「うん」」

「即答って…」

「茜はこういうの不得意だろうから、私と桜が協力してあげるよ!」

話がひと段落すると、今まで居づらそうにしていた木蓮くんがアヤの近くに来た。

「あ、あの~彩芽さん。この前は本当にごめ「こういうことはすぐに行動することが大事だし、今から作戦立てるよ!」……無視はつらい」

「り、了解よ、アヤ(ここまでくると木蓮かわいそうだな)」

「二人とも、ありがとう…(本当に何をやらかしたのかな)」

こうして、私たち三人は後ろで撃沈している男を置いてその場から立ち去った。


「多分他のグループはまだ時間がかかると思うから、作戦を立てる時間は十分にあるよ」

「とりあえず、茜がかわいくおねだりすれば、一発なんだけどな~」

「か、かわいく!?」

「アヤ、無理っぽいし別の作戦で行こう」

「う~~ん……あ、思いついた!こんなのどう?桜」

~~~

「良いね!これで落ちない男はいない!!」

「……二人が楽しそうでなによりだわ。」

茜さんは諦めて、私たちの作戦に耳を傾けた。


◇◇◇


食堂

「っていうことがあったんだ~」

「茜さん、今頃どうなっているかな。」

「そっちはすぐに話が終わったのね。案内役は中学生に紹介するコースは決まっていたけど、説明は各自で決めないといけなかったから、結構時間がかかったわ。」

「屋台のほうは、人数を割り振って、当日に何をするか担当する店ごとで話を聞いたよ。僕とすみれは金魚すくいの店を担当するから、説明は早く終わったんだ。」

「紅蓮さんと白蓮さんは焼き鳥担当で、ま、まだ説明を受けています。」

「僕たちは料理担当じゃないから、少し楽だよね、すみれ」

「そうですね、竜胆さん」

「へ~~……って二人は同じ屋台なの?」

「あと、紅蓮と白蓮も一緒なんだ……」

「まあ……そうだね」

「す、少し心配ですね…」

「………」


『兄弟なんて、ロクなものじゃない』

『…悪いのは俺なんです。』

(これは二人の問題だから私がでしゃばるのは良くない。

でも……白蓮のあの声は放っておけるものでない。

この学園祭で、何かしら進展があると良いな…)


「桜?」

「…ん?なーに?アヤ」

「(『どうしたの?』って言っても桜はごまかすだろうな~)

……ごはん、冷めちゃうよ」

「そうだね、ありがとうアヤ」

「桜「あーいたいた。みんな、遅れてごめんね」」

柊が何か言いかけた瞬間、ちょうど紅蓮と白蓮がやってきた。

「全然大丈夫だよ~。やっぱり屋台の説明が長引いたの?」

「そうだね。一応生徒も料理をするらしいか、作り方とかを習っていたんだ。」

「まさか、こいつと一緒だとは思わなかったけどな」

「「「「あはは…」」」」「……」

「焼き鳥か~~当日買いに行こうかな~」

「ぜひ、来てください。そしてたくさん買ってね」

「白蓮、友達価格とかある?」

「そうだね……通常の1.5倍でどう?」

「それ、高くなってない?白蓮って意外と冗談を言うタイプなんだね」

「あはは、今更気づいた?竜胆」

白蓮はニヤリと笑った。


バンっ


「「「「「「!?」」」」」」

突然、紅蓮が椅子から立ち上がった。

「俺、用事思い出したから先に行くね」

「あ、待って……」

私は思わず、立ち去る紅蓮を追いかけてしまった。


「……」

食堂を出る前に振り返るとアヤたちはごはんを再開していたが、白蓮だけこちらの様子を見ていた。


『紅蓮をよろしくお願いします』


と、まるで私に語り掛けているような、優しくてひどく悲しそうな目を、私に向けていた。

だけど、私はその目から逃げるように背を向けた。



(『紅蓮は、あなたの双子の弟なんでしょ?なら、あなたが何とかするべきだ。』なんて言えたら良いけど、あんな目で見られたら……言えるわけないじゃん!)

私は前方にいる奴に、小走りで追いかけながら心の中でそう愚痴った。

次回は、ち、近いうちに投稿します。

活動報告で予告は出す予定です。

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