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花たちは今日も元気に咲き誇る  作者: 椿想香
夏 過去に思いを馳せても、今は変わらない。
52/89

50墓参り

題名がネタバレって……良いんでしょうか?

「桜~まだ着かないの?」

「駅に転移してから、結構歩いたわよ」

「そ、そろそろどこに向かっているか、教えてほしいのですが……」

「じゃあ、理事長に聞いて~どうせ魔法を使ったんでしょ?」

「ははは 本人が言わないなら俺は黙っているよ」

「そうですよね~」

しばらく歩くと、目的地その1に着いた。

「……着いたよ」

「ここ?」

「普通の住宅地のように、み、見えますが…」

「そうだよ …あそこに更地が見えるよね?」

「そうね…家一軒ぐらいの土地かしら。」

「……実は、あそこは私の家があった場所なんだよね。」

「「「!!」」」「……」

私は更地の前に立って黙祷(もくとう)を捧げると、続いてアヤたちも同じことをした。


数分してから、私は花屋さんで桜色と白色の菊を買い、近くの小さな山を登った。そこは……。

「墓地…」

「もしかして、ここに…」

「みんな、こっちだよ~」

私は、家族の墓の前に案内して、

「お父さん、お母さん、、、椿、こんにちは。今日は友達を連れてきたよ。」

お花をお供えして、その場に屈んでから家族に語りかけた。


「……ここにはね、私の両親と、、、椿…双子の姉が眠っているの」

「「「双子の姉!?」」」

「………聞きたい?私の話」

「桜が話したいなら、ぜひ聞きたいわ」

「わ、私もです」

「話すと楽になるし、話してほしいかな~」

「大人として、理事長として、生徒を支えるために聞きたい」

「………」

私は一度視線をみんなの顔に流して、息を出した。それから視線は墓に戻して、重たい腰をのろのろと上げた。



「私の父は剣道を習っていて、私たち双子は物心つく前には始めていた。今使っている刀は、小学校の入学祝いでもらったの。母は自分の血で防御壁(バリアー)を作る固有魔法の保有者だった。

私たち家族はごく普通の家庭だけど、幸せだったと胸を張って言えるよ」

「桜の様子から疑いなんて持たないよ~」

「ふふふ、ありがとう

…椿…あ、私の双子の姉、とはいつも一緒に遊んでいたんだ。喧嘩も少ない方だったと思う。双子でもやっぱり椿は姉だからか、面倒見がよかったな~」

「(なるほど……いつも桜は子供っぽいと感じていたのは、末っ子だったからなのね)」

柊が失礼なことを考えていることは分かったが、今は流すことにした。

「近くの公園でよく遊んでいたんだけど、椿が一回大怪我したことがあったんだ~…木から落ちた私を庇ってね」

「「「え!?」」」

「いや~登るのは出来たんだけど、下りるときに失敗してね。そのとき私を注意していた椿が咄嗟に下敷きになったおかげで、私はピンピンしていたけど、椿はまるまる二日寝ていた…」

「何しているのよ!桜」

「まぁまぁ、傷はもう消えているしね…

…で、そのときの私はずーと椿のそばで泣いていたんだよね~。

今思えば、このことがキッカケで魔法が使えるようになったと思う。椿が下敷きにされたとき、私が声をかけても返事はなく、赤い血は広がっていくし、体も冷たくなっていったんだ。そんな椿を見て『お願い!死なないで!私の血をあげるから死なないで!』と思った。

二日後椿が目を覚ましたとき、私は思わず抱き着いたの。そしたら最初は呆れて、状況を思い出したら怒って、私の腫れた目を見たら笑った。私はあのときほど神様に感謝したことなどないよ。」

「良いお姉さんですね。」

「自慢の姉だもん。

…そんな事件は過去となり、私たちが小学生になってしばらくして、私は魔法を使えるようになった。」

「え?まだ使えなかったの?」

「まだキッカケに過ぎなかっただけだよ。

椿と一緒に下校したある日、白猫が車道にいた。そのとき一台の走る車があって、猫を轢くような感じだったから、私は思わず走りだそうとしたら腕を捕まれて、……結局猫は、私の目の前で轢かれた。

後ろを振り向くと椿がいて、私は八つ当たりした。止められていなければ猫を助けることが出来たとあの時は信じていたんだ。でも椿は『ごめん。でも桜が無事でよかった』としか言わなかったの。私はそれ以上なにも言えなくて泣いていたら、椿が車道に走って行って、猫を抱えてきた。『なにするの?』て聞いたら『ねかせてあげるの』て答え、埋めれそうな所に移動した。

猫は血で真っ赤に染まっていて見ていて痛々しく、椿は泣きそうな顔で猫を見ていた。

そのとき、私はあの事件と繋がり、願いがなお一層強くなった。瞬間私は魔法が使えるようになり、猫を治癒をした。

魔法について話したら、両親と椿は自分のことのように喜んでくれた。でも、お母さんから誰にも言わないように注意をされた。」

「おそらく、魔法学園で黒ユリが治癒魔法を狙っていることを習ったからだろうな。」

「そうだと思います。

…その後はいつも通り過ごし、椿と一緒に眠った。

そして………ふと気がつくと言い争う声が聞こえた。」

私はあの日のことを出来るだけ淡々と話した。



「…うっ……うう」

「ほらすみれ、ハンカチ使いなさい」

「想像以上に黒ユリは下劣ね…」

「………ひとつ、質問して良いか?」

「どうぞ」

「何故…犯人がアリウムだって分かったんだ?その日、桜君は犯人の顔を見ていないのだろ?」

上手くごまかそうと思ったが、理事長には通じなかった。

(やっぱり、最後まで話さないといけないか…)



「それは…………………………もう一人の大切な人を目の前で殺した時に、奴が自分から告白したからです。」


風に合わせて、紅い葉が私の前にひらひらと舞い落ちた。

まだ、桜の過去編は続きます。


次も一週間以内に頑張りますので、ぜひ楽しみにしていてください。

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