35すみれVSチャラ男3
視点はすみれ、桜たち、第三者となっています。
「す、すみれっち?」
(なぜかストックさんの攻撃が止まったので、『当たる』なら今ですね)
私はすぐに近くにあった木々の影に隠れました。
いわゆる、『逃げ』というものです。
「え?…ち、ちょ、、ちょっとそれは無いでしょ?!」
「(アヤ曰く、)人生はなんでもあり、(らしい)ですよ。」
私は木々の影に隠れながら移動しました。
「じ、人生って…」
私に続き、ストックさんは追いかけてきました。
ガサガサ…ガサガサ…
「くっ…すみれっちは小柄だからすぐに見失うな~~」
___障害物に隠れて逃げる。自分の欠点に悩んでいたすみれを見かねた彩芽は、『当たって砕けてから落ち込む精神』と『とりあえずやばくなったら、障害物に隠れてにげる』を教えていたのであった。素直なすみれはすぐにその技を取得した。
ガサガサ…ガサ!!
「やっと、み~~つけたっ!」
数分して私の体力の底が見え始めたとき、私の腕をストックさんが掴みました。
「これで、おとなしく降参してくれるよね?」
そして私の腕を少し引っ張ってストックさんと向き合わせ、掴んでいない方の手でサーベルを私に向けた。
「そうですね。でも……………あと一回『当たり』ます!」
「え? ……」
その瞬間、私は隠し持っていたコンバットナイフでサーベルを押しのけて、ストックさんを凍らせました。
(体力が切れ、集中力が切れても…直接さわっていれば、そのものを凍らすことはできます。)
一瞬で体全体が凍ったストックさんは、あたりまえですが動かなくなりました。
海では柊さんのサポートしかできなく、そのうえ人質になり皆さんに迷惑をかけてしまいました。
だから、せめて人質にならないようにしようと、触った人を害のないように凍らす練習をたくさんしてきました。
(今回、始めて他の人にしてみたのですが、ストックさんは大丈夫なのでしょうか?それとも……)
私はナイフを首筋に持って行き、戦闘不能と判断してもらおうとしましたら…
バリ…バリバリ…パりーーん
氷が崩れる音がしました。
「あーー危なかった…先に自分の体を自分の氷で覆っていなかったら、今ごろどうなっていたんだろう~
…まあ~~~いっか☆
とりあえずすみれっち、今度こそおとなしく降参してくれるよね?」
ストックさんは私の周りの木々の間に杭を出現させ、逃げられないようにしました。そして私の目の前にサーベルを向けました。
これで私は、『当たって砕け』ました。
あとは……
「はい。……降参します。」
私はナイフをしまい、両手を上げて近くのカメラに向けて言い、しばらくして保健室に転移されました。
『降参した生徒がいたため、転移しました。』
◇◇◇
「「「………」」」
「(こっわ~~。なにこの黒い空気は?)
と、とりあえず。すみれは私の教え通りにやっていて、すごく頑張っていたな~~
桜と柊はこの試合どうだ「「ストックか…その顔覚えた(わよ)」」…
(さ、さすがすみれのモンペ)」
「ふふふ…ストック君、決勝で相手(獲物)にするのが楽しみ(愉しみ)だよ。」
(す、すみれ信者も恐っ!!)
___観客席ですみれのモンペと信者に挟まれて、恐怖する彩芽であった。
◇◇◇
「…はっくしゅん…。なんか~~悪寒を感じるような~~
まあ~~いっか! ……っ」
ビュー…
ミシ…ミシミシ…
しばらくストックは、その場でくしゃみをしていると試合会場に強風がふいた。
それは、生徒を吹き飛ばし、木に当たると気絶するぐらいの強風であった。
ストックは氷の杭がちょうど自分を囲むように設置していたため、風が杭を割ろうとしているのに気づき、すぐに分厚い杭を自分の周りに設置した。そのため、彼は無事にこの攻撃からのがれたのである。
『戦闘不能と判断した生徒が居たため、転移しました。
残り生徒が二人となったため、この試合は、花清とストックの両名の勝利とする。』
「この強風は~~花清っちかな?」
彼のいう通り、この攻撃は花清がしたものだった。彼女は桜たちのクラスメイト。彼女の魔法は主に風を自身の大太刀に纏わせて放つ。彼女の魔法は絶大だが、脳筋のせいか、コントロールが出来ないらしい。今回の試合では、なかなか生徒に遭遇しなくて暇だったため、渾身の一撃(強風を纏った大太刀を振り下ろす攻撃)を放った。その結果、周囲の木々は倒れ、それに巻き込まれた生徒は脱落、その状況を見て戦意喪失した生徒も脱落。そして残った彼女とストックが勝者となったのであった。
「え~~もう終わったのですか?
せっかく神様に、わたしの活躍を見せようと思ったのですが…。残念です。」
___ちなみに、彼女は国教であるリリウム教の熱心な信者の一人である。
◇◇◇
試合が終わり、柊が待機場所に向かってからしばらくして、すみれが観客席に帰ってきた。
すみれの足にはもう傷はなかった。
「すみれの戦いは凄く良かったよ!」
「そうそう。最後の方は私の教えを上手く活用していたし、アヤ先生はうれしいぞ!
だから…私の教え通り落ち込まないでほしいな…
(砕けてから落ち込むとか教えなければ良かったかな?…)」
「アヤの言う通り、今回は相性が悪かっただけだからさ…そんなに落ち込まないで良いんだよ?」
「…やっぱり、私は…………ダメです…。」
「「…………(めっちゃ落ち込んでいる!!)」」
「すみれ?」
「…な、なんでしょうか?竜胆さん…(竜胆さんにも失望されたのでしょうか)」
「すみれ、僕の目を見て?」
「い、いえっ…」
竜胆さんはすみれの頬に手を添えて目を合わせた。
「すみれ。さっきの試合凄く良かったよ。
結果はダメだったけれども、すみれはあいつ(クズ)に最後まで抵抗して良いところまで頑張っていた。だから、僕はすみれがそこまで落ち込む必要は無いと思うのだけど…すみれもそう思わない?」
「え、えっと…」
「ん?」
竜胆さんは有無を言わせないようにすみれの目を覗き込んだ。
「は、はい!!わ、私もそう思います!
(り、竜胆さん顔近い気がするのですが……………はずかしい!!)」
すみれの顔はりんごのように真っ赤になった。
そしてそんなすみれの様子は竜胆さんの顔をゆるゆるに緩めた。
「「(なんだこの甘酸っぱい雰囲気は!!!!)」」
___とりあえずこの雰囲気を壊したい衝動に駆られる彩芽と桜であった。
花清さんは『三大イベント』に少し出ています。
明日も同じ時間に投稿します。




