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花たちは今日も元気に咲き誇る  作者: 椿想香
夏 過去に思いを馳せても、今は変わらない。
27/89

25理事長2

回想シーンがあります。一応記号で表してますが、分かりにくかったらごめんなさい。

後半は視点が変わります。

「……ふふふ。そんな魔法があるとは思いませんでした。」

「まーな。こういう魔法は俺が初めてらしいからな。っておい!!話をそらすな!」

理事長の魔法に驚き動揺してしまったが、落ち着いていれば大丈夫だろう。とりあえず、考えるときは目線を外し、目を合わせるときは違うことを考えれば対処できるはず。第一、どの程度まで読まれるか分からないがそこまで警戒しなくて良いだろう。

__こういうのはフラグと言うものだ。理事長の魔法がそんなやわなものではないに決まっているのに、自分は何故警戒しなかったのだろう。


「実は、色々あって柊たちの飲み物を買いに遠い自動販売機に向かったとき~~~

ということがあり、そのときに返り血がついたと思います。」

これで大丈夫だろう。柊たちは驚いてこっちを凝視しているけど、一応本当のことだし、大丈b「嘘だな。」…。

「ほ、本当ですよ!」

「…ふ~~。もう一度言うぞ。俺は目が合った人の今思っていることや考えていることが全てわかるんだ。例えば……柊君が俺を疑っていること、すみれ君が困惑していること、彩芽君が桜君を心配していること。で、お前が頑張って何か隠そうとしていることは分かっているんだぞ?」


……あーーー、うん。…………………………………………さすが理事長!(遠い目)


「私が悪かったと思います。本当に、本当に、ほんとーーーーーに申し訳ございませんでした。」

「「「………」」」

みんな、そんな目で見ないで~


「ごっほん。そういうのはいいから、早く話してもらえるかい?」

「……はい。」

____そして私は、諦めて自分の固有魔法について話した。



「自分の血で他人の傷を治す……ということは、自分の傷は治せないのか?」

あーあ。だから言いたくなかったのに~~

「ははは。そういうことですね。」

私は苦笑して答えた。


「「「なっ!!」」」

皆さん驚いてますね~。でも突然言われたら仕方ないですよね。(現実逃避)

「桜君、君は出来るだけこの魔法を使わないようにな?あと斬る場所や程度も考えるように」

「…」

「返事は?(黒笑)」

「はい。(緊急時は使います)」

「………本当に分かったか?(真黒笑)」

「はいっ!(心読みは厄介すぎる~~)」

「…よろしい。

さて、君たちに質問はないか?」

「あ、はいあります。

理事長は何故、普段から素を出さないのですか?私的に今の感じが良いかと思いますが……」

アヤ、ナイス。私も気になる。

「あー。別に深い意味はない。

ただ、周りから嘗められないためにやっているだけだ」

「確か理事長は40代後半から50代後半になるもので任期が7年くらいでしたよね?」

「今の理事長は4年前に就任されたはず。……失礼ですが、理事長は今何歳なのですか?」

柊勇気あるな~

「35歳だ。」


………………は?? 

「若すぎるわね」「ははは……マジか」「っ………」「…なん…だと…」


「はぁ~~~そんなに驚くことか?」

「はい(…でもどうしてそんなに若い時に)」


「彩芽君、それはね……」




_______

_____

10年前白ユリ


俺は走った。走った。走りつづけた。


最近やっと見慣れた魔法学園の裏道を通り抜け、普段はめったにいかない理事長室に急いで向かった。


あいつが…奴が、理事長を殺す前に。



早く、早く、早く!!!




俺は理事長室にたどり着き、扉を開けると、そこには……。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




「前の理事長が殺されたからだ。」


「「「「………………。」」」」

「すみません、理事長。私の心を読んで、疑問に答えてくれたのですよね?

本当にすみません。」

「気にすることではない。いつか知られることだからな。」

「はいっ!本人がそう言っているので、アヤは気にしません。」

「あ、アヤさん!さすがにそれは……」

「はっははは~~~

良いね~彩芽君。それぐらい元気に生きろよ。」

「元気が取り柄なアヤですから!」



「さて、柊君は何も心配することはないから、これからも頑張ってくれ。桜君は………分かっているよな?」

「…はい。」

「よろしい

きみたちは戦闘したあとだから、しばらくは休息をとるように。それと桜君はこの後保険室に行きなさい。

では、解散」

そう言って理事長は眼鏡をかけた。


私たちはソファーから立ち上がり、一礼してから理事長室を離れた。

「…じゃあ、私は保険室に行ってくるね~」

「……そうね。今日の所は帰るけど、いつか桜のことを……聞かせてね?」

柊は私の目を見てはっきり言った。

「………いつか、ね?」

私は少し誤魔化してその場から離れた。


「桜…」

何か言いたそうな柊の声は私の背中に触れるだけだった。






__黒ユリ__


「ねーねーー!」

「「「………」」」

「ちょっと無視しないでよ~~」

そう言って彼は隣に座っていた髪が藤色の女性に手でツンツン、とした。

「…っ!あーもー。

貴方はじっと待つことが出来ないぐらい幼稚なのかしら?」

彼女は先程からツンツンされている手を雑に掃った。

「痛い~。無視する(ふじ)が悪いんだよ~~」

「あーはいはい。そうですねそうですね。(棒)」

「ひどい!俺のガラスのハートが傷付いた!

ていうか、俺の手が絶賛腫れ上がっているのだけど~

シオン~。あの薬、ちょうだーい!」

「……ボスに許可取ってない。」

「え~~~別に良くない?ね、蒼星(そうせい)もそう思うでしょ?」

「……スー……スー」

「蒼星ならさっきから寝てるけど?」

「嘘だろ~~~蒼星起きろ!」

彼は向かい側に座る蒼星に近寄り、体を揺らした。

「……うっ…………………なんだ、フリージアか。俺は眠いからボスが来たら起こしてくれ。」

「そんなことより、俺の手が藤のせいで腫れているんだって。やっぱりシオンから薬貰うべきだよな?」

「……クソどうでもいい……………スー…」

「どうでもよくない、って寝るなー

それでも黒ユリのNo.2か!」

「………スー……スー…………うん……スー」

「くっ、お前やっぱり起きてるだろ~」

「そろそろ静かにしてくれな~い?おバカさん」

「っ!誰がおバカだーー」

「貴方に決まっているでしょう。多分シオンもそう思っているわよ?」

「なっなんだって!そうなのかシオン?」

「……………ノーコメント」

「ほらね?」

「いやいや、シオンは何も言ってないぞ?」

「肯定はしていないけど、否定もしていないわ。」

「確かに~~~」

「「(そうやってすぐに信じる所がバカって言われるのでは?)」」


ガチャ

「あ、アリウム様~~こんにちは」

フリージアは元気良く挨拶し、

「ごきげんよう、我らの神なるアリウムさまぁ~~」

藤は色気のある声と共にアリウムを熱い視線でみ、

「スーっ………ボス」

蒼星はガバッと起き上がり、

「………」

シオンは静かに反応し、

4人とも床に右膝をつき、右手を左手で包み込んで、最上級の礼をした。


扉から新しく入って来た人物は黒ユリのボスであるアリウムだった。

「調子はどうだ、お前ら」


彼らはさっきまで座っていたそれぞれの席に向かい、丸い大きなテーブルを囲んだ。

「今朝私の部下から、捨て駒の一つに連絡がつかないと報告がありましたわぁ~」

「どの駒だ?」

「例の最も白ユリに近いところにいた駒ですわぁ~アリウムさまぁ~~」

「白ユリ……」

「あの盗賊団ですか?利用価値が高かった所でしたので、それは問題ですね。」

黒ユリテトラの一人蒼星は普段は「どうでもいい」が口癖の無気力系だが、アリウムの前でだと口調は敬語の紳士風となる。何故彼がこんなにも変わるのか、皆が疑問に思っている。

「で、何故連絡がつかない?」

「それが私の部下によるとぉ~、昨日の昼に駒から『新しい団員が入る。これは強力な魔法をもっているから、アリウム様のお眼鏡に適うと思う。近いうちに紹介したい。詳細は明日の朝話す。』と報告が来たそうですわぁ~。」

「強力な魔法をもった団員ですか…」

「わあ~どんな魔法だろう~いつ黒ユリ来るか、楽しみ~~~」

「「「………(こいつ、やっぱりバカなのか?)」」」

「それで今朝連絡が取れなくて部下が調べた所~、駒にかけていた魔法が倒されてしばらくたった後に消されたらしいからぁ~、駒たちは白ユリ団にやられた可能性は低いと言っていたわぁ~」

かけていた魔法とは、その対象を盗聴できる魔法である。白ユリ団は黒ユリがこの魔法を使ってくるのを分かっているため、戦闘中にその魔法を消すことが多い。

「白ユリ団ではないなら、魔法学園の生徒の可能性がありますね。」

「へ~~生徒にスゴイ人がいるんだ~~~!」


「そんなに凄いやつならうちに欲しいな。

近いうちに突いてみるぞ、お前ら」



「「「「アリウムボスの仰せのままに」」」」

アリウムはこれからのことを考えながらニヤリと笑った。

柊視点

「……じゃあ、桜君の制服に血が滲んでいるのはなぜだ?」


 怪我?………………あっ!桜が自分で斬った傷か‼


私はなぜ、こんな大事なことを忘れてしまったのだろう。せめて白ユリ団が来る前に傷を見るなど、できることがあったのに………








『……これは返り血ですので』






『………いつか、ね?』








あぁ またあなたは誤魔化すのね…。こんなにまぶしい笑顔の下で何を考え、何を思っているのか。……それはきっと私には分からないものなのでしょう。それでも、私はあなたを…貴方の背を私の無力な手で少しでも支えたいと思う。




こんな願いは、私なんかに許されるのだろうか。








「この世に神が存在するなら、答えてよ…」




私らしくない言葉をつい心に零してしまい、頭を元に戻すために貴方の名を呼んだ。

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