19海と緑と水と敵2
「アヤメ すみれは頼んだわよ」
「…分かった」
「ひ、柊さんは?」
「私は大丈夫よ それより他の客をどうにかしといて」
「了解 理事長に連絡した方がいいよね?」
「うん よろしく」
「柊さん…」
2人は客の避難をするためにここから離れた
「話は終わったかい?」
「ええ いつでもどうぞ!」
私は先ほどの技で攻撃した
しかし余裕そうに避けられた
(まあ…さっき見られたから当然かしら…さらに攻撃しなくては…)
続いてさっきの水の攻撃で視界を狭まるので、それに乗じて苦無で相手の首を狙うが…
「柊ちゃんは油断できないね…っと」
「っ…」
これまた余裕そうに避けられ、私の間合いから離れた
「次は僕からだよ」
彼は両手に持っていた苦無で私を斬りかかった
彼は私に苦無の使い方を教えてくれた人なのでもちろん私より強い
私はしばらく防御に専念した…そうしなければいつ意識を奪われてもおかしくないのだ
すると彼は攻撃の速さを上げ始め、ニコニコ笑いながらこう言った
「さ~て、柊ちゃんは何処まで耐えられるかな?」
「っ…」
この攻撃は彼の得意技であった
両手の苦無を次々相手にうち込み、わざと(・・・)防御ができるように加減をする
そしてだんだんと速さを上げ、相手が苦しみもがく姿・助けをこう姿・絶望する姿などを堪能する…という悪趣味な技だ
(最悪…)
この技から逃れるには、単純に後ろに逃げるだけではダメで、後ろへ逃げようとしたら彼は絶対に背中に苦無をうち込み、逃がしはしないだろう…
「はぁ……はぁ……」
(とりあえずこの技から脱出しないと…)
「息が上がっていますよ」
彼はまた、攻撃の速さを上げた
固有魔法で攻撃が出来ればここまで苦戦はしなかった
というのも、この世界の魔法は限界がくるまでは無限に使える
~授業中~
『固有魔法は回数などの制限無く、使うことができます』
『え!でも「魔法が使えない時のことも考えなさい」って小春先生はよく行ってますよね?』
『はい 確かに彩芽さんの言う通りです
固有魔法は限界がくるまで、無限に使うことができます
その限界というのが、「体力」もっと言うと「集中力」の限界ですね』
『では、体力が無くなる…ゼロに近づくと魔法は使えないのですか?』
『それでも当たっているけれど、正確に言うと集中力が乱れると魔法は使えなくなります』
『え!それって体力と関係無いじゃん…』
『彩芽、それは違うよ
体力が少なくなる…つまり疲れが出てくると人間は必然的に集中力が乱れる、ということだと思う』
『柊さんの言う通りです
ですから皆さん、日頃から体力をつけ、集中力が高まるよう授業に取り組みましょう
集中力は数日で身に付くものではなく、毎日の積み重ねが大事ですからね』
『『『はい』』』
今は防御に専念しているため、固有魔法に集中できない…つまり魔法が使えない状況となる
相手も分かっていて魔法への集中を邪魔しているのだろう
(でも、何事にも例外はあるものよ)
私は深呼吸をし、息を整えた
「…はあっ」
声と共に、自分の足裏に水を噴射した
その後、体が浮いたらすぐに相手の頭に右足で蹴りをいれる
蠅さんは最初、私が魔法を使えたことに驚いたようだったが、すぐに切り替え、私の蹴りを片手で止めた
私は素早く両足を相手の首に絡めて押し倒した
蠅さんは慌てて片手を地面に、もう片方を私の膝に苦無を刺そうとしたが、私はそれを素手で止め、苦無を持っている方で拳を作り、相手の顔を殴った
彼はどうやら私に殴られたことに動揺して苦無をもつ手の力が少し抜けたので、2本の苦無を遠くに飛ばした
彼はまだ抵抗しそうだったので首に絡めていた足を外しながら後ろにバク転をし、自分の苦無を相手の鳩尾に落としたと同時に私は苦無の上に着地した
自分の全体重を勢いよく苦無に乗せたので相手は吐いてすぐに気絶した
「ふ~……」
(何とか成功した!)
例外というのは、普段から練習し、少しの集中力で魔法を使えるようになればいい話ということだ
私の場合は、水量を少なくし噴射するだけの単純な動きを何回も・何十回も・何百回も練習した
そのおかげで何とか上手くいったようだ…
「さて、アヤメとすみれを探しにっ…」
「どこへ行くのだい?柊
私がせっかく会いに来たのに…」
「…」
(本当に今日はついていないな……はぁ…)
一方桜は…
「…麻見さん こいつ柊と一緒にいたやつですよ」
「そうね~捕まえて人質にしましょうか
では、みんな頼んだわよ?」
「「「「「了解」」」」」
「え……あの……」
ヤバいヤバいヤバい
盗賊がどんどん増えて、1、2、3…7……10人!
これは…泣いていいかな~




