15夏休み3
視点は柊です。
「あ!桜が近くの自販機に長い列があったから、少し遠い自販機まで行くから時間がかかるって言ってるよ」
「申し訳ない感じですね」
「そんなに気にしなくてもいいよ、すみれ」
「そうです もしせめるとしたらこの案を言い出したアヤメを責めるべきです」
「ちょっ、それはないでしょうw」
楽しい
こんなに楽しいとは思わなかった、友達と過ごすことが……
あの時に人を信じないと決めた私でさえ、この時間が大切に感じ始めた
心の片隅で「もう一度、人を信じてみよう」という思いがだんだんと広がっていく
だけど…
それと同時に「彼女たちもいつか裏切るのではないか」とこの状況を嫌がる自分がいた
もっとも、今の私はこの状況は嫌いではない…
だからこそ、この状況に居たくない…
このまま居たら、いつかまた…………あの時みたいに「柊さん?」
「…っ 何ですか?すみれ」
いけない…ぼーっとしていたのだろう
「あ、いえ…、その…」
「柊に話かけても返事が無かったから心配したんだよ ね?すみれ」
「はい…」
「そう…疲れただけだから、気にしなくてもいいわ」
「ははは 確かにあのビーチバレーは疲れたわ~」
「はい…熱中しすぎた感じですよね 少し反省しています」
「確かにそうね…」
あー……早くここから立ち去りたい
このまま、しあわ……綺麗な海に浸かっていたい
溺れてこんな自分を消してしまいたい
自分の思考が矛盾だらけで酔いそうだ…
「桜が帰って来るまで、どこか日陰に行かない?」
「いいですね」
「柊は?」
「え、ええ いいですよ」
「(柊、さっきから上の空だけど大丈夫か?)
それじゃあ、行こ「そこのかわいいお嬢ちゃんたち 今、暇かい?」
「…え~~それって私たちのこと?かわいいとか照れるな~w」
「ひ、暇じゃないれす…」
ナンパか…
アヤメはふざけていて…すみれは明らかに困っている
(しょうがない…)
「お断りしま…!!」
断ろうと声をかけられた方を向くとそこには40代の見慣れた男がいた
「つれないな~~ おじさんと遊んで欲しいな~そこの青緑色の髪のお嬢さん?」
そう言って彼は…蠅さんはすみれの腕を引っ張り、首にクナイをあてた
「ちょっと、あんた!すみれを離しなさい!!」
「おやおや…かわいい顔が台無しですよ?」
「っ!ふざけ「今さら何の用でしょうか?蠅さん」?!」
「えー…分かっているんでしょう?」
「………」
「匪黒さんがあなたのことを待っていますよ ずっとね」
一方そのころの桜は……
「はあ~~ ここにも長い列がある
……もう少し遠いところに行こうかな?」
そう言ってまた、遠い自動販売機に向けて歩き始めた。




