9すみれという生徒
前半はすみれの視点、後半は桜の視点です。
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「…………れ……」
……?
「………み…」
……??
「……みれ」
……呼ばれている?誰に?
「「すみれ!!」」
誰?私の名前を呼ぶのは誰?
「「「すみれ!!!」」」
…この声は………
「……ここは?」
「あ~良かった」
「…心配したからね」
「柊が珍しく素直だね」
「…すみれさんが目覚めたから、私は教室に戻ります」
私の目の前には桜、アヤ、柊の3人がいた
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「「「すみれ!!!」」」
突然すみれが倒れたと同時に柊がやって来た
「すみれ!大丈夫?」
「………」
揺らしてみたがすみれの反応はなかった が、息はしているので気を失っているだけだろう
「…いったい何があったの?」
いつもより低い声を出して、柊は私たちにたずねた
「それが、すみれはテスト結果を見てからしばらくして、突然倒れたの……すみれのテスト結果は悪くない、いや良すぎるからショックを受けた訳ではないと思うけど………アヤはどう思う?」
「…テスト結果と関係あるのは間違いないと思うけど……あ」
アヤは今まで下を向いていた顔を突然何かを思い出したようにすばやく上げ、こちらを向いた
「倒れる前に、すみれは何か言っていたよね?桜」
「…あ! えっと、たしか…
『……だめだ……このままじゃあ ……このままじゃあ…………両親に』
…だったかな?」
「このままじゃあ、両親に……??」
「多分、両親と何かあったんだろうね……そして、それがすみれを傷つけている、かな?」
いつも通りのようで、いつもとは違う真剣な声でアヤが言った
「…とりあえず、保健室に行きましょう」
そう言って柊はすみれを抱えて歩きだした
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柊が行ってしまい、保健の先生はさっき「緊急の用事ができた」ということで、今保健室には私とアヤとすみれの3人しかいない
「すみれ、体調はどう?」
「あ、えっと…大丈夫です」
「本当に大丈夫?顔色悪いよ?」
「アヤの言う通りよ 今日は早退して休んだら?」
すみれの顔色はいつもより悪く、疲れているように見えた
「その……最近寝不足で…」
「テスト勉強……?」
「……はい 私はこれぐらいやらないと他の人たちに遅れをとるので……」
彼女は…すみれは真面目な人だ いや、真面目すぎる人だ
体調が悪くなるまで勉強して…それが普通だとおもっている 自分に必要だとおもっている
…最も、今の彼女に必要なのは休息と……自信だ
今は少しでも休んで欲しいのに、すみれは
「次の授業には出れるので大丈夫です」
いつものすみれとは違って強く言っていた
「「…」」
すみれ色の目を見ると、そこには強い意思があった
私は何も言えず、すみれを黙って見ていた アヤも黙って見ているだけだった……
「アヤさん、桜さん ご迷惑をお掛けしました… それでは……教室に戻りますね」




