09~理事長、登場~
まだ9月1日じゃない!
なお、この話は修正する可能性が高いです。
そういえば昔、真っ暗な倉庫に閉じ込められたことがある。
神通力を持っているということが親に知られたからだ。
そのときはこんなにイライラもしなかったし、気持ちよくさえなかった。
ただ暗闇が怖かった。
誰もいないことが悲しかった。
静かなのが辛かった。
両親はどこかの宗教の信者だった。
一神教だった気がする。
よく知らない大人が家に出入りして、儀式らしきものしていたことは、なんとなくだが憶えている。
一神教と神通力の関係は複雑だ。
唯一絶対の神とこの世に現れる神の力とでは求心力が違うらしく、一神教はだんだんと衰退していった。
中には過激な一神教の一派も増えてきているらしい。
何度も叱られた。
なぜ我らが神を敬わず、悪魔の祝福を受け取ったのか、と。
幼稚園に通っていたときは意味がわからなかった。
でも、自分が悪いということはなんとなくわかった。
人間じゃないと言われたこともある。
小学校にはいる前、私は高天原に来た。
孤児院に入れられて漠然とした日々を過ごした
神通力を持つ自分が人間なのかと散々悩んだ。
相談できる人がいなかった。
人間がいなかった。
抜け出せない沼のなかにいるような感覚が無くなり、先ほどから何もない闇の空に放り出されたような感覚に襲われる。
突如ぐんっと引っ張られる。
夢から醒める時の引き戻される感覚。
「目が覚めるというよりは、心と身体が一つになるといった方がいいじゃろうなぁ」
目を開けると銀髪の大人の女性が顔を覗き込んでいる。
顔が近い、そして後頭部の感触、これは膝枕だ!
とてつもなく美人で、いい匂いがする。
芳醇な香りが一嗅ぎするたびに鼻腔をくすぐる。
は~、幸せなんじゃ~。
「って、はっ! 何してんだ私!」
万丈 彩菜が突然起き上がる。
銀髪の女性に膝枕をされていた。
当然ぶつかり、二人から星がでてくる。
クリティカルするアレではない。
漫画的表現でよくある頭の周りで回っているあの星である。
「ぎにゃっ! デコピン以上の衝撃!」
「――っうぅ!」
苦悶する両名。
数秒後額をこすりながら周りを見渡す万丈 彩菜。
何が起こったのか理解しきれないようだ。
「えっと、なにが起きたんでしょうか?」
「あぁ、それはじゃな」
銀髪の女性、冥界の主神が大人の姿になっている。
冥界の主神が説明しようとしたそのとき、こちらに向かってくる足音が聞こえた。
その場にいた全員がその音がしたほうに顔を向ける。
「私が来たわよ!」
擬音で表すのならバンとかドンとかが使われるだろう。
そこに現れたのは先ほどピアノの詩人が模倣した理事長。
ではない、ピアノの詩人は元の陰気な女神の姿に戻っている。
つまりあの理事長は本物だ。
最初に見たときから思ったのだが、でかい。
この中で一番大きい。
大質量、圧倒されてしまう。
そう、おっぱいがでかい。
擬音にバルンを足したら完璧だ。
右目にアイパッチをしており、長髪。
髪の毛の色は白い。
冥界の主神の白銀の髪とは異なり、年老いた人の白髪と言った方が当てはまるだろう。
かなりラフな格好で白いTシャツとジーンズ。
あれ?ブラ透けてない?
「理事長先生! それに七肆先生、どうされたんですか!?」
そう、戌亥が答える。
戌亥さんは大きさでなら2番目だ。
後ろには七肆先生(確か別のクラスの現代文担当だったような気がする)が立っている。
ワーカーホリック先生だとか座敷童先生とか散々なことを言われていたが、それらの渾名にはどこか生徒からの愛が感じられる。
大きさは、どうだろうか、うーん鼓さんと同じ? いや、どっちも小さすぎてわからない。
「なんやわからんけど、途轍もなく失礼なこといわれとる気ぃする!!」
鼓さんからは強烈な電撃右ストレート。
「そうですね」
七肆先生からは後ろ回し蹴り、スーツ姿なのでお色気はなし。
「ぐへっ!」
一瞬意識が飛んだ。
頭にクリーンヒットだったので、死ぬかと思いました。
小学生みたいな感想だな。
「あのぉ、話についていけないんですが……」
万丈さんが言う。
「大丈夫! 私もよ!」
理事長がそういうと、久遠、一昏川、戌亥、富士が口を揃えて言った。
「同感です」
「ふむ、ではどこかで話し合いということじゃな」
いつの間にか幼女モードになっている冥界の主神がそう提案する。
「でももう夜が近いし。そうだわ! 私の家に来なさい、話は其処でしましょう!」
理事長がそう言う。
「そうですね、じゃあ万丈さんへの説明も其処ですることにしましょうか」
久遠が万丈さんに目配せしながら言った。
「え、は、はいぃ。 あ、ありがとうございます!」
万丈さんが挙動不審になりながら言う。
(あ、また久遠先輩、女の子を誘惑してる。 これが原因かな?)
一昏川 秤の洞察、かなり的確である。
そして、なし崩し的に理事長の家にいくことになった龍也と御一行。
「ごめんなさい、私は行けません!」
富士先生はあまり関係ないから、まぁそうだよな。




