第一話 死にました
どうも始めまして!饂飩です。
処女作ですので、至らない部分があるかと思いますが、どうかよろしくお願いします!
東京、池袋。
某アニメのようなドンパチは当然起きていない、いたって普通の街並み。
そんな池袋に、俺こと、五宮紅夜は出向いていた。
別に大した用事ではない。幼馴染の誕生日プレゼントを買いに来ただけだ。
ここで俺の自己紹介をしようと思う。
俺の名前は五宮紅夜。勉強も運動も平凡な、普通の高校生だ。
一応空手を習ってはいるが、そんなに上手くはない。
アニメやゲーム、ラノベっていう娯楽が好きで、所謂オタクなわけだが、別にそれでいじめられているわけでもないし、むしろ友達は多いほうだ。
さて、俺の自己紹介が終わったところで、ここに来た理由を説明しよう。
まあ、説明と言ってもさっき言った通り、ただ幼馴染の誕生日プレゼントを買いに来ただけだ。女子なので、何を買えば喜んでくれるのかわからないので困っている。
そもそも女子って欲しがるのだろうか。
「ん? もしかして紅夜君?」
俺が悩んでいると、後ろから女性の声がかかった。
その声に振り向いてみると、そこにいたのは我がクラスの担任である黒沢日向先生である。
教科は現国。身長は165センチで、おっとりとした雰囲気に巨乳であるため、男子からの人気が絶えない。
「黒沢先生。こんわばんわ」
俺が挨拶すうと、ぷくっと頬を膨らませて睨んでくる。可愛い。
「もう! 私が『紅夜君』って呼んだときは日向って呼んでって言っているでしょう!」
なぜ怒られたのだろうか。
「いや、流石に生徒が先生に対して名前で呼ぶのはダメじゃ――――」
「私がいいって言ったらいいんですー!」
子供か! とツッコみたいが、彼女はこれでも21歳。社会人だ。あまり子ども扱いすると物理攻撃を仕掛けてくる。たちが悪い。
まあ、悪い人ではないので、嫌っているわけではない。
「はぁ、わかったよ日向ねぇ。ところで、こんなところで何してるの?」
俺が名前で呼ぶと、日向ねぇは満面の笑みを浮かべる。
ちなみに俺が日向ねぇと呼ぶのは、彼女と俺が従妹同士だからである。
「うんうん、やっぱり紅夜君にはそう呼んでもらう方がいいね。で、ここにいた理由だけど文房具の補充かな~。あとは散歩? 紅夜君は?」
「ああ、俺は美咲の誕生日プレゼントを買いに来たんだ」
美咲とは俺の幼馴染であり、小中高すべて同じ一緒の学校で同じクラスである。
もちろん、日向ねぇも美咲のことを知っており、妹のように可愛がっている。
「あぁ美咲ちゃん明日誕生日だったからね~。私はもう用意してるけど、紅夜君は何を買うの?」
「いや、決まってないだけどさ、何買えばいいかな?」
俺の質問に、日向ねぇは悩む。
「そうだねぇ~、美咲ちゃんなら君が上げた者なら何で喜ぶと思うんだけど」
そうだろうか。確かに美咲なら何でも喜ぶ気がする。
俺は日向ねぇを誘い、早速誕生日プレゼントを買う店に行こうとする。
そのとき――――
「さ、さ、殺人鬼だーッ!!!!」
俺と日向ねぇは突然のことに困惑し、動きを止めてしまった。
目の目からは、スーツを着たサラリーマンらしき男が。
後ろからは右手に包丁を持った、カッパをきた男。
ッ!? あの野郎、あれを俺らに押し付けやがったのか!?
「ッチィ! 日向ねぇ、逃げて!」
俺は呆然としている日向ねぇに呼び掛け、そう叫ぶ。
「え!? 紅夜君は!?」
「俺は時間を稼ぐから、早く警察を!」
「わ、わかった! すぐ逃げるんだよ!?」
日向ねぇは渋ったが、俺が強く叫ぶと、了承してくれた。
正直な話、空手を習っているだけで、俺は別段何かできるわけでもない。
すでに殺人鬼は俺のすぐ目の前だ。
死ぬことは避けられない。
…………あぁ、死にたくねぇな……日向ねぇごめん。
…………美咲、ごめん。約束、守れそうにない。
直後、俺の胸辺りに激痛が走り、俺はすぐに気を失った。
――――齢17歳で、俺は命を落とした。
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「ここは……?」
俺が目覚めると、そこは真っ白い空間だった。
俺はなぜここにいる? まずここはどこだ? 俺は死んだのではなかったのか?
様々な疑問が生じる。
「お困りのようだね」
ッ! 誰だ?
俺は突然の声に、誰何を問う。
「やあやあ、驚かせてしまったようだね。僕の名はアルフェス。君たちの言うところの神様だよ」
神だと……?
「信じてない?」
当たり前だろう。自分のことを神という奴をどう信用するっていうんだ?
「それもそうなんだけどね。じゃあ、別に信用してなくてもいいや。君は死んだ。それは理解しているだろう?」
ああ、俺は殺人鬼に殺されたようだな。
「うん。ああ、安心していいよ。君の担任の先生は無事に保護されたから」
そうか。よかった……。
「さて、ここから本題なんだけど、本来であれば君が死ぬことは、運命的にはなかった。けれど、どこで因果が捻じれたのか君は死んでしまった。これは僕たち神の責任だ。ということで、特別に君を転生させてあげようと思う。君たちのサブカルチャーで言うところの、異世界にね」
転生? 俺は異世界に転生するのか?
「その通り。ただ、君たちの言うようなチートと呼ばれるものは残念ながら上げられない。その代わり、僕の加護を上げようと思う。ついては、自分のステータスを見てみると言い」
俺は助言通りステータスを唱える。
名前:なし
種族:なし
職業:
Lv0
HP:体力を示す
MP:魔力量を示す
STR:攻撃力を示す
AGI:敏捷力を示す
DEF:防御力を示す
MST:魔攻力を示す
MDE:魔防力を示す
INT:知能力を示す
魔法
スキル
称号
これがステータスだろうか。ゲームでよくあるようなやつだな。
恐らく死んだことによって名前や種族の欄が空白なのだろう。
「残念ながらもうここにとどまっていられるのも時間の問題だ。というわけで早速転生させてもらうよ」
おいちょっと待て!? まだお前には聞きたいことが――
「じゃあ、無効でも頑張ってね。もしかしたら向こうでも出会うことができるかもしれないよ」
俺はその言葉を最後に再び意識を失った。
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「本当にこれでよかったの?」
「ええ、今はこれくらいで構いません」
「せっかく久しぶりに出会ったっていうのに……」
「構いませんよ。それに、急にそんな話をされても困るだけでしょう」
「それはそうかもしれないけど…………」
「とりあえず、彼のことは監視しておいてくださいね?」
「彼が再び《・・》神になれる器かどうか」
できるだけ更新ペースを速められるよう頑張ります!