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旧復讐のパラドクス・ロザリオ  作者: 殻守
反逆の十字架
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第9話 雨の教会

教会の中は明かりが無いこともあり薄暗く、屋根に当たる雨の音だけが喧しく鳴り響いていた。

「こちらにどうぞ」

奥にある女神像の前にある教壇にベルフは立つとそのすぐ目の前に木の椅子を置き、エルケードに座るよう促した。しかし未だエルケードは信用していない。

「神父、さっきの話は本当か?」

濡れた髪の間から見えるその黒い瞳がベルフを強く睨みつける。

「ええ、もちろんです。その話をするためにも今はこちらに。」

エルケードは渋々座る。雨に濡れたズボンが肌に付き、冷たい感触が彼の嫌悪感をより強めた。

「ではエルケード様」

ベルフは手を叩きながらそう言うと、

「まずは迎え巫女について説明させていただきます。」

ベルフは口の端を大きく釣り上げそう言った。


「この世界には『軌跡』と呼ばれる存在があることはもちろん知っていますね?」

「ああ、当然だ。」

『軌跡』は神々が地上に残した『神話の遺産』ともいわれており、人智を越えた存在とされている。それゆえ同じ軌跡か同等、又はそれ以上の存在でなければ破壊するどころか触れる事すらままならない。そしてエルケードは思い出した。迎え巫女に刃が当たる瞬間、軌道がズレたことに。それだけではない。魔鉱石による致命傷を与えられる爆発ですら傷一つ付けられなかった。もし、迎え巫女がすんでのところで躱したのでは無いとしたら…

「まさか…」

「ええ、迎え巫女は神々の遺産である『軌跡』と同格の存在になります。」

認めたくない現実を突きつけられエルケードは絶句した。相手が軌跡だとするならばこちらも軌跡を手に入れるしかない。しかし現在、軌跡は失われたものが多く確認されているだけでも4つしかない。そしてそのすべてをエルケードは使用することが出来ない。軌跡は使用にあたり特殊な条件があり、それに当てはまっていなければならないのだがそのすべてが生まれつきのものになっている。そしてエルケードは確認されている4つの軌跡が示す条件に当てはまっていない。つまり

「迎え巫女には届かない…」

悔しさで胸がいっぱいになると同時に悲しみが溢れだしてきた。下唇を強く噛み血の味がするのを感じた。そんなエルケードの様子を見たベルフは不敵は笑みを浮べながら

「でしたら私が『軌跡』…いえ、同格の力を貴方に与えることが出来ると言ったらどうします?」

顔を上げ驚いた様に目を見開いてベルフを見つめるエルケードを見て、彼は不敵な笑みを見せた。

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