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僕はキミ、キミは僕

作者: 神名代洸

ごくごく普通の生活の中で僕は怖い体験をするなんて思わなかったし、したくなかった。

怖い話は嫌いじゃない。

テレビだってそのてのも見ている。

だけど、実際自分が体験するのはどうかと聞かれたら間違いなくノーと答えただろう。

あんなにドキドキするものを実際に自分が体験したら気を失ってしまうだろう。

それだけは自信がある。

変な自信だ。


キミだったらどうだろう。

そうだな〜頭をかきながら考え込んでしまう。そしてこう答えるだろう。やってみます、と。そうなんだよ、そこが僕とは違う点。

僕はやらないが、キミはやる。

キミは度胸がある。

僕にはどう頑張っても無理だ。

僕はキミが体験する様をただじっと見ている。そしてこう言うんだ。


「君は凄いね。平気なんだ〜。」

「イヤイヤ、だってこれ作り物だろ?本物だったら怖いかもだけど、俺、そんなのにあったこと一度もないからさ〜。」

「だから、それは本物だって。」

「えっ?ほん…もの?またまたまたそんなこと言って俺を試そうとしてるな?」

「じゃあ、行こうよ、本物が観れる場所に。」

「えっ?見れるの?マジで?何かこう…面白そうじゃん。じゃあ、行こうぜ。」

しまったぁ〜と思った時にはすでに遅く、僕もその場所へ行くことになってしまった。その場所は自殺の名所で今も自殺者が後をたたないという曰く付きの場所だ。そこで写真を撮ろうというのだ。

車で走る事2時間。

そこは観光名所でもあった。景色が一望できてとても綺麗なのだ。何処が自殺名所なのかわからないくらいだ。

でも、確かにそれらしいのもがあった。

紙のようなものがクシャクシャになって落ちている。封筒のようだ。【遺書】とかかれている。

「うわっ!」

そう言って紙を遠くに落としてしまった。しかも届かないところである。しまったぁと思ったが、どうしようもない。

諦めて写真を撮ることに専念し始めた。

撮りながら時々写したものをチエックしていたのだが、確かにいたようだ。足首から下だけがくっきりと写っていた。キミは驚いたようだが、僕の方がもっと驚いた。僕は怖がりだが、君はそこまでは怖がっていない。そして最後にもう一枚写真を撮ったのだが、その写真にはいくつもの手がキミを捕まえているのがハッキリと見て取れた。

僕は怖くて怖くて仕方がなくて「うわっ。出た!」そう言って逃げてしまった。君は一人取り残されなんで逃げたのかわからなそうにしていたっけ。で、慌てて戻ったんだけど君はその場に倒れていた。僕は慌てて駆け寄ったが、君はその間の記憶がなかった。ゴッソリと。

「大丈夫?」

「ああ。」

それ以上は聞けなかった。

それ以降君の周りでは不可解なことが起こるようになりキミはさぞびっくりしたことだろう。多分あの時に霊が寄ってきたのだろうと予想はできた。

僕はお祓いができる人を探し、事情を説明して払ってもらったっけ。

君は今はもうなんともないようだが、今度は僕についてしまったみたいだ。

本当怖くてたまらない。

僕はすぐにでもお祓いしたかったが、最後に一枚とキミが言うから仕方なく一枚写真を撮った。そこには小さな子供の霊が写り込んでいた。はっきりと見えないが、かすかにそうだとわかる程度だ。

僕は怖くてすぐにお祓いに行った。

住職はその手のことは信じていないようだったが、写真を見てかわいそうだと引き受けてくれた。

お経をあげる。

そして成仏を。

お経を読んでもらっている間体がふっと軽くなった。「ああ、いなくなったんだなぁ〜。」などと思いながらありがたくお守りも買ってそこを後にした。

今はもうなんともない。


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