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Boy/Meat Girl  作者:
5/9

04

あのX-DAYから一週間がたった、ある日の昼休み。

相変わらずボール女、もとい、栞はクラスに馴染むことはなかった。

それどころか、

「あー、サッカーしてえけどボールがねえなー」

「おい、ボールならここにあるぞw」

「馬鹿、俺がつぶれんだろw」

といった具合に、からかいの対象になっている。

もっとも、当の本人は気にもとめずに読書に浸っているのだが。

読んでいるのは意外にも推理小説のようだ。

というか目は見えているのか?

「おーい、柊ー。飯食ったならナンパしにいこうぜ、ナンパ」

智樹が教室に入ってくる。開口一番それかよ。

「お前は幸せそうで何よりだな」

その幸せをこいつにも分けてやったらどうだ?

ノーベル平和賞とれるかもしれんぞ。

「俺の幸せは俺のものだ!たとえ柊にも分ける気はない!」

俺は別にほしくないがな。



その日の夜。

先月買った本をすべて読み終えてしまったので、新しいのを買いに本屋にやって来た。

しかし、そこには

「あ、柊くんだー」

先週俺とぶつかった美少女がいた。

また会ったね、と微笑む彼女。

て、だから、なんで俺の名前を知ってるんだよ。

「まぁまぁ、そんなことは気にしないの」

ポニーテールをゆらしてそう答えた。

手に持っているのは推理小説のようだ。

「柊くんも買い物?」

「ああ、うん」

「へー、結構本読むんだ?」

「まあ、ね」

……なんだろう、彼女とはどこかであっていた気がする。いや、確かにこの前が初対面のはずで、それは自信を持って言えるのだが。

それとは別に、どこかで会っているような、そんな気がしている。

別の世界線の記憶だろうか。

「じゃ、私そろそろいくね」

「あ、うん」

「じゃーねー」

まだ会うのは二回目――のはずなのに、ずいぶんとフレンドリーな娘である。

というか、また名前を聞き忘れた。

しかし、なぜかすぐにまた出会えるような、そんな気がしていた。

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