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Boy/Meat Girl  作者:
4/9

03

「県外から来た、原栞だー。仲良くしてやれー」

……別に期待していたわけではないが、とんだ地雷だった。

ふくよか、という表現はぬるいくらいだ。正直、ボールが入ってきたと思った。

「は、原((ハァハァ))し、栞((フゥフゥ))です。よろしく((フシュー))」

スゲー苦しそう。

ボサボサの茶髪を後ろでポニーテールにしている。目は細すぎて見えているかも怪しい

予想の斜め上を――二次関数のような急角度で――行く人物の登場に、クラスは騒然とした。

「お前の席は……そこの空いてるとこな」

おい、俺の隣じゃねえか。道理で机が増えてるわけだ。

ボール女は指定された席まで移動し、椅子に座った。

ミシッ

……今の音はスルーすべきだろうか。

「よ、よろしく((ハァハァ))」

「………………」


だけど、このときの俺には思いもよらなかった。この肉団子との出会いが、運命の出会いだとは。



夜、俺は飯を買いに、最寄りのコンビニまで来ていた。

「ふう、今日は厄日かな……」

彼女には悪いが、あれと隣になって喜ぶものはそうそういまい。差別はアインシュタインに怒られそうだが、俺も男である。御博士も分かってくれるだろう。

そんなことを考えていたから――もっとも、暗かったというのもあるだろうが――道の角から人影が現れるのに気づかなかった。

「あっ」

「きゃっ」

見事にぶつかり、お互い地面に尻餅をつく。

「ごめん、大丈夫?」

急いで立ち上がり、手を差しのべる。小柄な女の子である。艶のある茶髪のポニーテール、大きな二重まぶたが印象に残る、正に美少女だった。

「あ、ありがとう」

彼女も立ち上がる。

「あれ、柊くん?」

「え?」

今俺の名前を呼んだか?

「俺たち会ったことって……」

否、ないはずだ。

「え?あ、そっか。ごめん、気にしないで」

いや気になるけど。

「じゃ、さよならっ」

手を降り駆けていく美少女。

俺はただ呆然とその後ろ姿を見送った。

「ふう」

前言撤回

今日もいい日である。

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