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Boy/Meat Girl  作者:
3/9

02

俺の通う某県立北高校は、これと言って特徴のない学校だ。

特段、頭がいいわけでもなく、かといって部活が強いわけでもない。ごく普通の、文字通り普通高校。

そんな平凡な学校に通いつめ、はや一年と2ヶ月。その間、大きな事件が起こることも、突然デスゲームに巻き込まれることも、宇宙人未来人超能力者が現れるともなく、のほほんと過ごす毎日。

いやはや、平和が一番である。マザーテレサもさぞ喜んでいることだろう。


せっかく早く家を出ているのに、智樹に絡まれると毎回遅刻ギリギリになってしまう。

教室に入ると、もうほとんどの生徒が来ていた。

どうやら皆、例の転校生の話題――そんなに気になるかねぇ――で持ちきりのようだ。

「あっ、おはよっ!ひーくん、トモ」

こちらに気づいた一人がやってくる

「よ、桜」

この巻き毛の少女は笹山桜。俺の、まあ、幼なじみだ。

「ねえ、聞いた?転校生の話」

「ああ。こいつからな」

親指で智樹を指す。

「まあ、俺はあまり興味ないんだけどな」

「あはっ、今日もドライだね、ひーくんは」

桜がボブカットをゆらしながら笑う。

と、ここで予令が鳴った。

「おっと」

急いで席につき、一限目の準備をしていると、前の扉から壮年の男性が入ってくる。

「うぃーす」

彼がこのクラスの担任である。細身の体格に短く切り揃えた黒髪が印象的だ。

「よーし、ホームルーム始めっぞー」

しかしこの軽い口調はどうにかならないのだろうか。それなりに歳は食っているはずだが、白髪一本ない黒髪とも相まって、十歳は若く見える。

「もう知ってるやつもいるだろうが、このクラスに転校生が来ている。喜べ男子、女子だぞー」

所々で歓声が上がっている。どうやら智樹の予想が当たったようだ――といっても確率は二分の一なのだが。

「うっし、入ってこーい」

前の扉が静かに開かれる。

そこから入ってきた人物に、誰もが息を飲んだ。

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