脱出ゲームは調べるの嵐
光希に〈闇からの手招きゲーム〉というフリーゲームを探すという約束をさせられた龍也は、急いで学校を出ようとした。
俺は、光希よりもはやく学校を出れば、逃れられると思い、光速で帰ろうとしたのだが、その時には、光希は校門の前で仁王立ちしていた。
[おお~~!!レディーを待たせない為に走ってくるとは、関心関心。でも、息がきれてるね~、どう?バスケでもして体力つけてみよっか?みんな歓迎するよ?]
「ハァ・・・ハァ・・・しないっての・・・」
さすがバスケットボール部のエースといったところだな。汗のひと雫も見つからねぇ。
[まあいいや、さっさと行こ。誰かに横取りされるのも嫌だし]
「すぅ~、はぁ~・・・俺に拒否権は?」
[ナイ。じゃ、行こ♫]
俺のため息は誰の耳にも届かず、俺は光希に引きずられる様にして、学校をあとにした。
夕暮に染まる街を、俺達は歩いた。特に目的もなく、ただ、過ぎて行く時間を楽しんだ・・・
どれくらいの時間がたっただろうか、腕時計を見ると、デジタル時計は【6:27】と黒い文字を表示していた。
「佐倉、そろそろ帰ろ・・・どうした?」
隣を見ると、光希はその活発そうな、どこか子供の様な顔を、不安の色に染めていた。
[ここ・・・こんなに人少なかったけ・・・?]
「え?」
言われて気付く。ここは駅へと続く三つの大きな通りのうちの一つだ。それが・・・
「人が・・・いない・・・」
六時半という時間は、確かに帰宅ラッシュの終わってすぐの時間だ。人の数は一時的に少なくなる。だが・・・
一人も人がいないってのはどういうことだ?
カラオケの看板が電球を光らせている。CDショップから新作の音楽が流れてくる。雑貨店から録音された売り文句が聞こえる。なのにそれは、人のいなくなった街に虚しくそれを発していた。
「なん・・・だ・・・これ・・・」
気味が悪かった。自分達だけ別の場所に飛ばされた様な、隔離された似てるけど根本から違う世界。そこに俺達はいた。
そしてもう一つ、絶対に俺の知っている世界ではあり得ないモノがあった。
ソレは二本の脚で立っていた。
ソレは二本の腕をブラブラさせていた。
ソレは二つの目でこっちを見ていた。
ただ、ジィッと。見ていた・・・
まるで、人の皮を、全部、黒く、染めた様な、まるで、影の様な、ソレは、ただ、こっちを、ジィッと、見ていた。
みていた・・・
つづく
どうも、ホプロムです。
これから面白くなってくる・・・と思います。
起承転結の承といったところでしょうか、今までのを読んでつまらないと思った方。どうか見捨てないで、あとちょっとだけ読んでください!!ホプロムなりに面白くしてみせます!それでも面白くなかったら、文句を下さい!
以上!!