表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

さらに、

 かなり昔から、

 私は便利に使われてきた。

 家族から、

 友人から、

 かつての恋人から、

 「流」されて……


 相手が変わっても、作りは変わらない。

 皆「無自覚な会話」しかしていない。

 何なんだろう、これ。




 家族は、


「心配してるだけよ」


「家族なんだから、これくらい普通でしょ」


「あなたが一番わかってると思って」


「他のきょうだいは、ちょっと頼りないから」


「昔から我慢強かったじゃない」


「文句言わない子だったでしょ」


「親に逆らう気?」


「そんな言い方するようになったの、誰のせい?」


「外ではいい顔してるくせに」


「家族には本音出していいのよ?」


「……前は、もっと素直だったのに」


 


 ――やりやすかったのは、

 私が子どもでいる役を降りなかっただけです。





 友人は、


「ごめん、今から行ける?」


「他に頼める人いなくてさ」


「あなたなら察してくれると思って」


「細かいこと気にしないタイプでしょ?」


「ノリでいこ、ノリで」


「え、そこ引っかかる?」


「冗談じゃん」


「そんな重く受け取らなくてもよくない?」


「空気悪くなるからさ」


「最近ちょっと変わったよね」


「前は、もっと話しやすかったのに」


 


 ――話しやすかったんじゃない。

 踏み込まれても、笑ってただけ。





 かつての

 恋人は、


「信頼してるから言ってるんだよ?」


「好きだから甘えてるんじゃん」


「他の人には頼まないよ、君だから」


「察してほしいだけなのに」


「そんな言い方されると傷つく」


「愛情表現が下手なだけだって」


「忙しいって言ってるでしょ」


「理解してくれる人だと思ってた」


「それくらい我慢できない?」


「恋人なんだから」


「……前は、もっと優しかったのに」


 


 ――優しかったんじゃない。

 境界線がなかっただけ。





 でも、

 今なら――


「わたし、何ひとつ自分から引き受けてないよ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ