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追放された支援術師、実は王国の損失を消していた件 〜勇者パーティを抜けたら、判断役として国家案件を任されました〜  作者: 鷹宮ロイド


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第3話 お前はいらない

 治療院を出たあと、俺たちは簡単な打ち合わせのために集まった。


 と言っても、形式的なものだ。

 誰もが疲れていて、早く終わらせたい空気だった。


「今回の件、どうする?」


 レオンが腕を組み、壁にもたれかかる。


「このまま同じ編成で続けるのは、正直きついよな」


 その言葉に、胸の奥が小さく揺れた。


 ――来る。


 そう直感した。


「被害が出たのは事実だし」


 ミレイアが視線を伏せたまま言う。


「これ以上、同じことが続くと困るの。

 私たち、勇者パーティなんだから」


「王国からの期待もあるしな」


 ゴルドが頷く。


「失敗が続けば、評価も落ちる。

 誰かが責任を取らないといけないだろ」


 その“誰か”が、誰を指しているのか。

 言わなくても分かった。


「……それで?」


 俺は静かに問い返した。


 レオンは、少しだけ間を置いてから口を開く。


「アルト。

 お前、最近パーティに合ってないと思うんだ」


 予想していたはずなのに、

 言葉として聞くと、胸に重くのしかかった。


「支援術師は重要だ。

 でもな、代わりはいくらでもいる」


 はっきりとした声だった。


「正直、お前がいなくても回る。

 今回の件で、それが分かった」


 ミレイアも、目を逸らしたまま続ける。


「悪く思わないで。

 ただ……私たちには、もっと即戦力が必要なの」


 俺は、一瞬だけ考えた。


 ここで何か言えば、

 状況が変わる可能性は――ほとんどない。


 これまで積み重ねてきたものは、

 彼らの中では最初から存在していなかったのだから。


「つまり」


 俺は静かに言った。


「……追放、ということか?」


 ゴルドが、気まずそうに視線を逸らす。


「まぁ、そうなるな」


 レオンは、あっさりと頷いた。


「今日で終わりだ。

 荷物をまとめて、明日の朝には出て行ってくれ」


「……報酬は?」


 そう聞くと、レオンは少しだけ眉をひそめた。


「今月分はもう渡してるだろ。

 装備はパーティの共有物だから、置いていけ」


 剣も、防具も、支援用の触媒も。

 俺が個人で管理してきたものまで、すべて。


 ――なるほど。


 最後まで、徹底している。


「分かった」


 俺は、それ以上何も言わなかった。


 怒鳴ることも、縋ることも、弁解することもなかった。


「じゃあな」


 レオンは、それだけ言って背を向けた。


「次は、もっと相性のいい支援術師を探すさ」


 その言葉を聞いた瞬間、

 胸の奥で何かが、完全に切れた。


 ――ああ、そうか。


 俺は最初から、仲間じゃなかったんだ。


 ただの便利な部品。

 都合が悪くなれば、交換される存在。


 その夜、俺は最低限の荷物だけを持って、王都を出た。


 振り返ることはなかった。


 この時の俺は、まだ知らない。


 自分たちの手で「勝利条件」を捨てたことを、

 あの勇者パーティが思い知る日が来るということを。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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