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追放された支援術師、実は王国の損失を消していた件 〜勇者パーティを抜けたら、判断役として国家案件を任されました〜  作者: 鷹宮ロイド


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第13話 立場が変わっただけだ

 再会は、あまりにも唐突だった。


 王都郊外の補給拠点。

 次の案件に向けた確認のため、俺は商会の担当者と話していた。


「判断役は?」


「アルトで」


「了解しました」


 いつものやり取り。

 それが終わり、倉庫の外へ出た、その時だった。


「……アルト?」


 聞き覚えのある声が、背後から響く。


 振り返らなくても、誰かは分かった。


 それでも、俺は一拍だけ間を置いてから、ゆっくりと振り返った。


 そこにいたのは――

 レオン、ミレイア、ゴルド。


 揃っている。

 だが、以前とは何かが違う。


 装備は、少し古い。

 表情に、余裕がない。


「……久しぶりだな」


 俺は、それだけ言った。


 声に、感情は乗せなかった。


「……探した」


 レオンが、そう言った。


 その言葉に、俺は首を傾げる。


「用件は?」


 それ以上でも、それ以下でもない問い。


 レオンは、一瞬だけ言葉に詰まった。


 想定していた再会は、

 もっと感情的なものだったのかもしれない。


「……話がある」


「仕事中だ」


 俺は、はっきり言った。


 横で、商会の担当者が一歩前に出る。


「彼は現在、王国案件を優先しています」


 淡々とした声だった。


「勇者パーティの方々との私的な面会は、

 こちらとしては推奨していません」


 レオンの顔が、わずかに歪む。


「私的……?」


 ミレイアが、噛みしめるように呟いた。


「私たちは……仲間だったのよ」


 俺は、その言葉にだけ反応した。


「だった」


 短く、訂正する。


 それ以上の説明は、不要だった。


 ゴルドが、一歩前に出る。


「アルト。

 俺たち、間違ってた」


 率直な言葉だった。

 だが、遅い。


「今さらだな」


 俺は、静かに答えた。


 怒りはない。

 恨みもない。


 ただ、現実があるだけだ。


「……戻ってくれ」


 レオンが、低い声で言った。


 その瞬間、

 周囲の空気が、ぴたりと止まった。


 俺は、レオンを見た。


 昔と同じ顔。

 だが、もう同じ立場ではない。


「それは」


 俺は、少しだけ考える素振りを見せてから言った。


「俺にとって、何のメリットがある?」


 誰かを責める口調ではなかった。

 ただの確認だ。


 レオンは、答えられなかった。


 報酬。

 名声。

 立場。


 どれも、今の俺の方が上だった。


「……そういうことだ」


 俺は、静かに言った。


 商会の担当者が、時間を告げる。


「アルト、次の確認に入ります」


「分かった」


 俺は、勇者パーティに背を向けた。


「待って!」


 ミレイアの声が飛ぶ。


 だが、俺は振り返らなかった。


 もう、説明する義務はない。


 立場が変わっただけだ。


 彼らが、俺を切り捨てたあの日と同じように。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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