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怖い想像。  作者: 逃げ水
7/14

通り魔

 私は通り魔に襲われた。


私は社会人になった今でも実家から会社に通っている。


私の家は落ち着いた住宅地の中にある。


私の町は郊外にあり、昼間は平和な雰囲気があるが、少子高齢化の影響もあり夜は寂しさとゆうか、怖さを感じる部分があった。


私が襲われたのは駅からの帰り道で、1丁目と2丁目を分ける通りでのことだった。


通りと言っても大きいものではなく、車通りも多くはない。夜になれば街頭は点々とつくものの暗さが際立っている。町自体が静かなもので、夜になると深夜でもないのに寝静まったような雰囲気になるのである。


この町の2丁目は高台になっており、1丁目側からみると2丁目は壁になっており、その壁の下を通っているのがその道なのである。


周りに家があるものの壁側の歩道は街路樹の影で暗く、人通りは普段からほとんどなかった。


その日は仕事が終わって帰っているところだった。


コツコツとヒールの音が響く。

暗い夜道を女性が1人で帰るのはあまりいいことではないかもしれないが、慣れ親しみ、特別物騒なニュースを聞かない地元では特別何もないだろうと思っていた。


なので、その道に入った時も警戒するようなことはなかった。


私が角を曲がってその道に入ると、2本目の電柱の少し向こうから男の人が歩いてくるのが見えた。


人がいるとは思ったが、住民さんだったり駅に向かう人が通ることもあるので、特に気に留めることもなかった。


しかし、その男性とすれ違った時だった。


その男がスッと半歩近づいてきたと思ったら、ドッと下腹部に衝撃がきた。


「うっ。」とゆう声が漏れ、じわっと液体が出てきたかと思うと激痛が走った。

私はお腹を刺されていた。


理解が追いつかず、一瞬間ができたがお腹の痛みで自分が刺されたことに気がついた。


なんでそんなことになったのか、全く分からなかった。


その後男は体勢を変え、横にあった電柱に私を押し付けると手に持っていた刃物で何度も私のお腹を刺した。


生温かい血が自分の服を濡らしていく感覚があった。痛くて苦しくて、意識がどんどん薄れていった。


男の顔を見たが、私はその男を知らなかった。


全く心当たりはない。なんで自分がこんな理不尽な目に遭わなきゃいけないのだろう。

そんな思いを強く抱いた。


あの男の顔は今でも忘れない。


それからとゆうもの、私はその場所に立ってはあの時の男が再び自分の前に現れるのを待っている。


必ずあの日の悔しさをはらしてやる。


そう思い、来る日もくる日もその場所を通る男の顔をのぞいては、アイツと会う時をずっと待っている。




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