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怖い想像。  作者: 逃げ水
5/12

公園にいた人

 これは私が新宿区にある公園で体験した話である。


私は都内に住んでいて、深夜に散歩をするのが好きだった。


元々散歩するのが好きなのだが、夏は昼間は暑くて外に出たくない。夜になると夜風が気持ちよく、また、深夜帯だとあのガランと静まり返った雰囲気がなんとも癖になるのだ。


そんな理由で深夜に散歩するのだが、その日は少し歩いたところにある大きめの公園まで行くことにした。そこは公園内に小高い山になっているところがあり、その上までは3方向からくる3つの階段から登れるようになっていた。特別眺めがいいわけではないが、散歩の目的地として目指すにはちょうどよかった。


都内だけあって深夜でも人はちらほらいるのだが、遅い時刻なため、その山があるところにはほとんど人は見かけなかった。

たまにてっぺんでカップルがデートしてたりもするがその日は誰もいなかった。


上には四角くテーブルのようなベンチが設置されているが特別広くもないため、誰かがいると居ずらいのだ。

ラッキー、そんなふうに思って少しベンチに座っていたが、特に長居する気もなかったため立ち去ろうと3つのうちの一つの階段に向かった。


階段を降り始めた時に同じ階段を登り始めた人がいた。サラリーマンだろうか、ワイシャツ姿の男性だった。階段は狭く、すれ違うとなると体を横にしないといけない。

私は夜に人と0距離ですれ違うのはなんだか嫌だったので、途中まで降りていたのを引き返し、別の階段から降りることにした。


別の階段を降りている時に、

さっき登ってきてた人、自分が引き返すのをみて変に思わなかったかな?

そんなことを思っていた。


そのこともあって、私は階段を降り切ったあとふと山頂の方を振り返った。


すると、さっきの男性のものだろう人影が私が降りてきた階段の上からこっちを見下ろしていた。


私はビクッとした。


上にあるベンチにいれば姿は死角になって見えない。その人影の人物がこっちを気にしているのは明らかだった。


たしかに引き返すなどの行動で不審がられてもおかしくないのだが、

都内の少し明るい夜空にくっきりと浮かぶ黒いシルエットは不気味なものがあった。

おそらく気になってちょっとこっちを確認しただけだろうと自分に言い聞かせ、私はその山のしたをぐるっと別の階段の方へ移動し始めた。


すると上の影が私を追いかけるかのように山頂部分を移動し始めた。


私はドキッとした。私が立ち去るのであれば、もう私を気にすることはないだろうと思っていたからだ。

ベンチに座るなり風景をみるなりすればいいのに。

そう思った。

少し太めの木の影に男の影が被った時、私は間にあった階段を飛ばし、さらに奥にあった階段の方へ早歩きで移動した。そっちの方に出口へとさがる坂があったからだ。


間にある階段の下を通過した時、上にあった人影がスッと中央へ消えるのが見えたため、私は男が自分を追うのを辞めてくれたものと思った。

でもこの先の階段の方へ男が行ってたらどうしようかとも思った。


すると案の定男がその先の階段を走って降りてきているのが目に入った。

私は怖くなり走ってその公園を後にした。


広い公園だったが、そこを抜けて大通りへ出るまで必死で走った。


人が追いかけてくる様子もなかったため、そのまま自宅へと帰宅したのだが、とても不気味だった。


自分も変な挙動だったかもしれないが、あの人はあの時間になんであの場所に行ったのだろう。


自分は散歩であそこへは一息ついて折り返すために行ったが、

上で休むこともせず、風景も見ずに私をただ追ってきたように見えたからだ。


ただの思い違いかもしれないが追ってくる黒い影がとても不気味で、それ以来夜にその公園に行くことは辞めた。


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