表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怖い想像。  作者: 逃げ水
3/14

山の中の女の子

 私の住んでいる町はすぐ登れるような低い山に囲まれている。


特別田舎とゆうわけではないが、街をぐるっと山が囲んでいるといった立地だ。


山といっても30分ほどで山頂に着くような軽装でいけるようなものである。


私自身散歩程度の気持ちでその山にはブラッと立ち入ることがある。


その時もいつもの感じでその山に入って行った。


山に入って10分ぐらい経ったころだろうか、まだ序盤の方だったが、山道の途中の少し開けた場所で4〜5歳ぐらいの女の子が立ってこっちを見ていた。

小学生よりも少し幼いぐらいの年頃にみえた。


おや、と思ったが特に深く考えることなく私は

「こんにちは」

と挨拶をした。


最初はぽけっとした表情でこっちを見ていた女の子だったが、私が挨拶をしたらニコッと笑って

「こんにちは!」

と返事をくれた。


女の子の明るい表情に私も気持ちが明るくなったが、その子の親などは見当たらなかった。友達や大人の姿も見当たらず

あれ?1人かな?

と思って周りを見渡した。


するとその子が近づいてきて、

「これあげる!」

とキャンディをくれた。


「えっ?いいの?ありがとう」

とせっかくの好意なので私は素直に受け取った。


女の子はこくっと嬉しそうにうなづくと、山頂へ続く山道をスキップするように進みはじめ、タタタッとかけて行ってしまった。


この先にご家族の方がいるのかな?なんて思いながら私はコロコロと女の子からもらったキャンディを舌で転がしながらその山を登っていったのだが、途中の休憩所でも山頂でもその子を見かけることはなかった。


ただ単にタイミングが合わなくて出くわさなかっただけだろうか、

しかしあのぐらい幼い子どもをそんな自由にさせておくのは低い山とはいえ危ないよなあ、と思う。


町のすぐ横とはいえ木が鬱蒼としていて、入山してしまえばしっかり山である。小学生にもなってないような子を1人にするだろうか。


離れたところにいて、後で合流できたとしても1人で登っている自分が子連れグループに追いつけないものだろうか。


けどまあいい子だったなと、

そんな山での出来事であった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ