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第4話

○田舎の警察室内・捜査一課


<主要登場人物>

・藤堂=元警察庁からの選抜ユニットメンバー・現在田舎警察の一刑事

・新人=田舎警察の新人刑事

・婦警のウタ

* * * * * * * *


新人「朝から何見てるんですか?」

藤堂「おっ? おっ? おう! よく聞いてくれた。さすがは俺の部下。

   俺のパートナー。」


藤堂、見ていた写真を差し出す。


藤堂「見てくれー。かわいいだろー? 俺の子供の写真だよー。」

新人「あー、お子さん。そりゃ、そーですよねー。

   そう言えば、お子さん、何か月になったんですか?」

藤堂「うんうんうん。半年。やっと半年になった。

   そろそろハイハイしてくれる時期じゃないかなー?」

新人「男の子でしたっけ? それとも女の子?」

藤堂「こまった事に、女の子なんだー。女の子はさー、父親ににるって言うだろー?

   だからさー、ちょっと不安なんだー。」

新人「......。」

藤堂「もし、この子が、俺の娘が、俺に似てしまったら、いったいどうすれ

   ば......。」

新人「大丈夫ですよ、きっと奥さんに似ますよ。きっと。」

藤堂「............。」

新人「どうしたんですか? 今度はしみじみな顔して。また悩みごとですか?」

藤堂「......いやな、子供って、すごいなって......最近思うんだ。

   好きでいっしょになった彼女だけど、最近ねー。

   なんて言うか、普段の生活に、何か生き甲斐を見出せなくてさー、

   妻がいるのは当然になってるし、全然変化ないし。特に最近は、

   何で生きてんのかなー? 俺は何すればいいのかなー?

   って、悩んでたんだ。」

新人「ただ単に倦怠期ですよ、それ。」

藤堂「でも、子供は凄いよ。子供一人いるだけで、俺はがんばろう! 

   しっかりと働いて生きていこう!って思うようになった。

   生きる目標って、やつだなー。」

新人「子はかすがい、って言いますからね。」

藤堂「お前も早く、誰か見つけて、結婚しろよ。」

新人「いや、ぼくにはちゃんと......。」


婦警のウタ、怒りながら入ってくる。


ウタ「被害届、持ってきました!」

新人「あっ、被害届? 何の被害届ですか?」

ウタ「チカンよ! チカン! 被害届、ここに置いときますからね!」

藤堂「何で怒ってんだ?」

新人「あれ? 被害者って、ウタさんじゃないですか? 

   婦警のウタさん自身が被害者なんですか?」

ウタ「そう! 私! 被害者は、この私! 人相書きする時、呼んでくださいね!」

藤堂「どんな風に被害にあったんだ?」

ウタ「被害届に書いてあります! だらだらしてないで早く捕まえてくださいね!」


婦警のウタ、怒りながら出ていく。


藤堂「......」

新人「怒ってる。」

藤堂「チカンもずいぶん勇気があるなあ。」

新人「そんな事言ったら、セクハラで訴えられますよ。」

藤堂「まるで俺の奥さんみたいだ......。」

新人「えっ?」

藤堂「いや、何でもない。何でも。それより、どうだ?」

新人「何がですか?」

藤堂「ウタさん、お前に合うんじゃないか? 早く身を固めた方がいいぞー。」

新人「......いえ、結構です。僕は藤堂さんのようになりたくないですから。」

藤堂「え”っ?」


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